「ハタチの無駄」と「重要なことから始めよ」
Everybody! Good Monday!
[2022vol②]
2022年第2週。
1月10日、
成人の日の祝日。
今年の新成人は約120万人。
ピークは1970年。
第1次ベビーブームの団塊世代246万人が、
成人となった。
それから見ると半減。
しかし「世界人口白書2021」では、
世界の総人口は78億7500万人。
前年に比べて8000万人の増加。
人口が1億人を超えている国は14カ国で、
日本は2020年と変わらず11位だった。
世界人口は増えるが、
日本の人口は減る。
120万人の成人諸君に、
期待しよう。
新聞やメディアでは結構、
新成人にお説教臭いことを言う。
毎日新聞「余禄」は、
アインシュタインの言葉。
「成功する人になろうとするのではなく、
価値のある人になろうとしてほしい」
1955年に死去する直前のことだった。
北海道新聞の「卓上四季」
タイトルは「ハタチの無駄」
こちらは打って変わって、
若手俳優の賀来賢人。
「全然見ねえじゃん」
役者として目が出ないころの成人の日。
久しぶりに再会した同級生から言われた。
ただただ悔しく、情けなかった。
叔母は女優の賀来千香子だが、七光りはなかった。
普通の高校生がスカウトされて、
俳優の道に入る。
映画出演を果たすも、
作品を見て愕然とする。
「俺ひとりが台無しにしているように見えた」
その後は、先輩俳優に追いつこうと、
懸命にもがいた。
そして今、言う。
「やりたいことを続けておくと
いいことがある。
無駄なことなんてなくて、
やたら返ってくるんですよ」
コラム。
「無駄だったと思うこと自体が
無駄ということである」
同感だ。
アインシュタインよりも、
賀来賢人のほうが、
今の成人には響くだろう。
人生に無駄なことなどない。
最後にはすべてのことがつながってくる。
本当にそう思う。
今日は関西では、
十日戎(えびす)である。
正月の初詣でよりも、
十日の戎詣で。
兵庫の西宮戎か、大阪の今宮戎か。
福岡にも十日恵比須神社がある。
恵比寿天は、
商売や商業の神様である。
あくまでも神話の世界の話だが、
『日本書紀』では、
イザナギ・イザナミが生んだ子で、
アマテラスとツクヨミのあと、
スサノオの前に生まれた。
ヒルコと言われた。
三歳になっても脚が立たなかったため、
船に乗せて流された。
そこで漁の神様となり、
商売の神様となった。
この神様が後世、恵比寿天として信仰され、
戎神社が各地に建立された。
だから恵比寿天は、
左手に鯛を抱え、
右手に釣り竿を持っている。
私の言う「商人の起源」と、
どこかシンクロしている。
「最も強い者が、
人間を打ち倒す軍人になった。
次に強い者が、自然と闘い、
農作物を生産する農民となった。
三番目に強い者が、道具を使って
モノをつくる工の民となった。
そして一番体の弱い者が、
商人となった」
(『Message』士農工商より)
十日戎で商売繁盛を祈願し、
関西や西日本では、
本格的な商戦に入る。
いよいよ、これからだ。
私も今週から通常のスケジュールに戻る。
今週、来週と、
さまざまな協会や団体の賀詞交換会、
記者会見も始まる。
取締役会もあるし、
万代知識商人大学6期の修了式もある。
古希を迎える私のテーマは、
「断捨離」
新しい、不要なことを断つ。
古い、不要なものを捨てる。
不要な執着から離れる。
それでも必須のこと、必要なものは、
着実に成し遂げていく。
倉本長治は教える。
「やさしいことから手をつけよ」
「仕事の段取りとして
困難なことから手をつけるのは、
うまいとはいえない」
「他者がやっていることで、
良いこと、正しいこと、
お客のためになると思われることは、
たとえ人真似であっても恥じてはならない」
一方、ピーター・ドラッカーは言う。
「重要なことから始めよ」
「成果をあげるエグゼクティブは、
最も重要なことから始め、しかも、
一時に一つのことだけを行う」
そしてついでに結城義晴。
「むずしいからおもしろい」
成人諸君は倉本長治であろう。
しかし年を経たらドラッカーである。
選択と集中。
そして集中するには、
断捨離がなければならないと思う。
では、みなさん、今週も、
ある人はやさしいことから、
ある人は重要なことから、
ある人はむずかしいことから、
始めよう。
どれも無駄なことなど一切ない。
Good Monday!
〈結城義晴〉