阪神淡路大震災から27年の「明日を見つめて」
Everybody! Good Monday!
[2022vol③]
2022年第3週。
今日は阪神淡路大震災から27年。
1995年1月17日。
私は㈱商業界「食品商業」2月15日発行号で、
緊急特集を組んで、巻頭言を書いた。
「阪神大震災」
阪神大震災、
お見舞い申し上げたい。
亡くなられた方々の
ご冥福を祈りたい。
尊い命を、家族を、同朋を、
奪い取られた悲しみはつきない。
家を、店を、
財産を失った絶望は深い。
しかし、人びとは、
たくましかったし、
モラルは高かった。
被災地の商業は任務を果たし続けた。
スーパーマーケットは、
生存のための配給基地となった。
コンビニは、
余震の続く闇のなかの灯台に変わった。
フードサービスは、
温かい食べ物の炊き出し係に徹した。
メーカーや問屋は、
補給部隊の役を担った。
小さな店も、大きな企業も、
皆が、このときこそと、
日ごろの仕事の腕を発揮した。
いつもよりも素早く、力強く、黙々と。
そのそばで、
瓦礫のなかに
埋まったままの人たちも、
また、いた。
雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、
商業は働き続けねばならない。
店は客のために、是が非にも、
開けておかねばならない。
有事のときにこそ、頭を柔らかくし、
冷静に、活躍せねばならない。
人びとが立ち上がる礎に
ならねばならない。
商業人は、
どんなときにも、
明日を、
見つめていなければならない。
私たちは、震災に勇敢に
立ち向かった仲間を心から尊敬しよう。
商業という仕事を貫いた同志たちを
誇りにしよう。
こんなときだからこそ、深く深く、
私たちの役割の大切さを自覚しよう。
そして、この阪神大震災を
永く記憶にとどめておこう。
崩れ果てた廃墟のなかで、
人びとに喜んでもらった
この感動を、
これからの支えにしよう。
未来のために。
客のために。
店のために。
蘇える街のために。
私たち自身のために――。
合掌。
それから16年後の2011年3月11日。
東日本大震災が起こった。
私たちは有事のときにこそ、
頭を柔らかくし、
冷静に、活躍せねばならない。
深く深く、
自分たちの役割の大切さを、
知覚しなければならない。
私たちはどんなときにも、
明日を、
見つめていなければならない。
今、
オミクロン株の感染急拡大によって、
まん延防止等重点措置の適用が、
拡大されようとしている。
すでに実施されているのが、
沖縄・広島・山口の3県。
それに東京など首都圏4都県と、
愛知・岐阜・三重の中部3県が要請決定。
さらに新潟・熊本・宮崎が調整中、
長崎が検討中。
期間は3週間程度。
2月11~13日の3連休ごろまで。
このままでは全国から次々に、
「まん防」の適用申請が出されそうだ。
それから緊急事態宣言も、
発生される可能性がある。
昨2021年9月末に、
緊急事態宣言が解除されたが、
それから3カ月半が経過した。
オミクロン株に関しては、
昨2021年11月30日に空港検疫で、
国内第1号が判明して以来1カ月半で、
1日2万人を超える新規陽性判明者が出る。
感染症のセオリーは、
「伝染力が高まれば、
毒性が弱まる」
オミクロン株は流行性インフルエンザと、
それほど変わらないという見方もある。
それでも小売業やサービス業は、
店に顧客を迎える商売だ。
インフルエンザであっても、
店の中でそれを発症させてはならないし、
万が一にも顧客に影響を及ぼしてはならない。
したがって小売業界では、
さまざまな会合が延期されたり、
オンラインに変更されたりしている。
今週金曜日の全国セルコチェーントップ会は、
残念ながら延期された。
来週木曜日のドラッグストアMD研究会は、
私がリアルの基調講演をする予定だったが、
聴衆なしでビデオ撮影をしたうえで、
オンライン配信することとなった。
私たちは有事のときにこそ、
頭を柔らかくし、
冷静に、活躍せねばならない。
私たちは深く深く、
自分たちの役割の大切さを、
知覚しなければならない。
私たちはどんなときにも、
明日を、
見つめていなければならない。
では、みなさん、今週も、
決意新たに、明日を見つめて。
Good Monday!
〈結城義晴〉