セブン-イレブンの3・1組織変更に[勝手に]物申す
願はくは花の下にて春死なん
そのきさらぎの望月(もちづき)の頃
〈『西行全歌集』より〉
きさらぎは2月。
望月は満月、陰暦十五夜の月。
「きさらぎの望月の頃」は、
旧暦だが2月15日の満月の夜のこと。
今日はその2月15日。
西行法師は、
平安時代末期から鎌倉時代初期の人。
北面の武士・佐藤義清(のりきよ)が、
23歳のときに無情を感じて出家した。
西行と号して歌を詠む僧となった。
この歌の通りに、
2月の満月の頃に没した。
あくまでも旧暦のことだが、
2月15日にはそんなことを思う。
鎌倉幕府が成立した1192年のころ、
日本の人口は757万人だった。
それから800年以上も経過して、
COVID-19パンデミック。
その新型コロナウイルス感染者は、
累計すると400万人を超えた。
日本の人口確定値は、
昨2021年8月1日段階で、
1億2563万人だから、
31.4人に一人。
しかし西行の生きたころの人口に比べると、
2人に一人以上が感染したことになる。
もちろん31.4人に一人と計算すれば、
鎌倉初期の感染者は25万人程度だろうが。
現在の日本の死亡者数は2万520人。
今日の死亡は新たに236人。
200人を超えたのは、
昨2021年5月18日の228人以来。
過去最多。
ああ。
西行ならずとも、
無情を感じざるを得ない。
今日は横浜商人舎オフィス。
講演のレジュメづくりをした。
午後2時ごろ東京へ。
東京駅丸の内北口。
東京の玄関。
東京駅。
丸の内中央口は、
エントランスになっている。
皇居側を臨むと、
左の丸ビルと右の新丸ビル。
ゆっくりと歩いて、
大手町プレイスウェストタワー。
地下1階の大手町プレイス内科。
検査と田嶼尚子先生の診断。
ヘモグロビンA1cは65。
「高齢者になると、
65くらいが理想です」
先生からお墨付きをもらった。
今朝の体重は60.55キロ、
内臓脂肪率は16.2。
痛風の尿酸値の数値も3.7で、
尿酸値を下げる薬は止めることになった。
無情を感じつつ、
科学的検査は受ける。
これがトレードオンの生き方だ。
さて今日の商人舎流通スーパーニュース。
セブンーイレブンnews|
3/1付組織変更/販促部をマーケティング部に改称
㈱セブン-イレブン・ジャパン、
3月1日付で組織変更。
小さすぎて見えないかもしれないが、
これまでの組織図。
商品本部は大幅な変更だ。
現在の商品本部は8つの部に分かれている。
⑴デイリー部
⑵FF・惣菜部
⑶加工食品・雑貨部
⑷MDサポート部
⑸地区MD統括部
⑹ラストワンマイルMD部
⑺デジタルサービスMD部
⑻販売促進部
まず商品をハンドリングする部は、
3つあったが、それを2つに統合する。
「FF・惣菜部」を廃止して、
「デリカテッセン(課)」と「FF・冷凍食品(課)」を、
「デイリー部」に統合する。
(注)「課」は私がわかりやすくするために、
勝手につけた。
デイリー部には、
巨大な権限が集中することになる。
「ラストワンマイルMD部」を廃止して、
「ラストワンマイル(課)」として、
加工食品・雑貨部に統合する。
商品本部直下の「グローバルサポート」を、
加工食品・雑貨部に統合する。
加工食品・雑貨部も大きくなる。
この加工食品・雑貨は、
アメリカなどではグロサリーと総称する。
だから結局、
デイリー部とグロサリー部となる。
さらに「販売促進部」を名称変更して、
「マーケティング部」に変える。
現在のMDサポート部配下にある、
「マーケティング(課)」を、
「マーケティング部」に統合する。
これは一つのトレンドだろう。
ただし、
マーケティングの「4P」から考えると、
ちょっと違和感がないわけではない。
1.Product(製品)
2.Price(価格)
3.Place(流通)
4.Promotion(販売促進)
全体を称してマーケティングという。
セブン-イレブンの新組織の⑻に、
マーケティング部を入れると、
話がおかしくなる。
だから「商品本部」そのものを、
「マーケティング本部」にするのが、
コトラー先生流ということになる。
それでも販売促進部で、
マーケティングを本業にしようという意図は、
とてもいいだろう。
一方、企画本部は、
管理本部の傘下にあって、
4つに分かれている。
⑴経営管理部
⑵経営企画部
⑶イノベーション開発部
⑷ラストワンマイル推進部
「ラストワンマイル推進部」なんて、
おもしろくて大胆な名称だ。
しかし今回、
⑶のイノベーション開発部を、
⑵の経営企画部に統合する。
イノベーションが開発されなかったのか、
開発しつくしたのか。
ドラッカーは、
マーケティングとイノベーションを、
二つの基本機能と言う。
そしてこの二つこそが、
成果を生み出すと強調する。
イノベーション開発を、
経営企画部に統合するのは、
何とも惜しい。
販売促進部をマーケティング部に変え、
イノベーションを経営企画に統合する。
私にはちょっと違和感がある。
まあ、結城義晴の勝手な推論。
善意に基づいているから、
誤解なきよう。
しかし組織とそこで使われる言葉は、
意外に大事なんだョ。
〈結城義晴〉