IDRセミナー講演と商業界会館の碑「店は客のためにある」
Everybody! Good Monday!
[2022vol⑧]
2022年第8週。
2月第5週。
毎週月曜日に書いているが、
一月、往ぬる。
二月、逃げる。
北京冬季オリンピックも終わって、
人々の関心は身近な問題に戻ってくる。
春がやってくる。
それから新型コロナウイルス感染。
17道府県でまん延防止等重点措置が、
3月6日まで延期される。
その「まん防」もどれだけ効果を発揮するのか、
わかりはしない。
年度末と新年度がやってくる。
2月期決算の企業はもうあと10日ほど、
3月期決算企業は1カ月と10日ほど。
最後のひと踏ん張りのときだ。
今日は、午後から東京タワーの付近へ。
その下の機械振興会館。
一般社団法人流通問題研究協会。
略してIDR。
1966年創設の経済産業省管轄公益法人。
現在のIDR理事長は、
玉生弘昌㈱プラネット会長。
そのIDR主催のオンラインセミナー。
「食品流通の未来を考える」
昨年11月から8回のシリーズ。
今日はその最終回の「終了ミーティング」。
当初はリアルセミナーの予定だったが、
まん防のためにオンラインに変更。
この会館の6階会議室で、
そのセミナーが行われる。
事務局と講師陣、そして聴講者が、
ロの字型に席に着く。
はじめに橋本佳往IDR専務理事が、
開会の挨拶。
最初の講義は、
西田邦生IDR 理事、
㈱ジャパン・インフォレックス社長で、
多摩大学大学院経営情報学科客員教授。
西田さんは8回のセミナーをコーディネートする。
今日は45分の講義。
ネットスーパーの宅配問題や、
商品マスターに関する専門的な内容。
食品流通の取り組み課題を整理した。
それから私が60分。
テーマは、
「コロナが時間を早めた」
はじめに、拙著を紹介して、
今日の1時間の講義を、
物語として聴いてほしいとお願いした。
『コロナは時間を早める』
私のこの本には「まえがき」もないし、
「あとがき」もない。
いきなり本文に入って、
最後も本文でピタリと終わる。
物語のように、
コロナと商業との顛末を書いた。
14世紀の黒死病とルネサンス、宗教改革。
100年前のスペイン風邪とセルフサービス。
このCOVID-19パンデミックでも、
時間は早まった。
そのことを実証しつつ、
キャズム期間の判断と、
ポストコロナ時代の経営を、
私の観点から語った。
もちろん、本を書き終わったあとで、
さまざまな取材をしたり、
インタビューをしたり、
体験したりして、
新たに考え出したことも、
数多く語った。
ネットスーパー・エイジも、
「禁欲円と享楽円」も、
トレードオフとトレードオンも、
事例を加えながら講義した。
私自身も楽しんだ講演だった。
ご清聴、感謝したい。
講演が終わって、
飯倉の交差点へ。
商業界会館。
私が30年間働いたところ。
全国の商業者たちが、
倉本長治主幹のために、
お金を出し合ってつくったビルだ。
商業界精神の総本山。
最上階の6階には、
かつて宿泊施設があった。
地方から東京に学びに来た商人たちが、
ここに泊まった。
2階にはセミナールームがあって、
ここで研修やセミナーが開催された。
3階にはクラブ室があって、
宿泊している商人たちも、
応接に使った。
もちろん私たちは、
座談会や懇親会に活用した。
入口に碑がある。
店は客のためにある。長治。
㈱商業界が倒産して、
商業界会館の店子がなくなった。
残っていたカフェの「ファースト」も、
昨年の11月30日で退店した。
残念なことだ。
商業界会館と東京タワーを背に、
写真を撮ってもらった。
私たち商人舎が、
倉本長治の遺志を継いでいかねばならない。
改めて、そう思った。
きびしい冬が去って、
もうすぐ春がやってくる。
冬の間も、
店は客のためにある。
春になっても、
店は客のためにある。
ネットスーパー・エイジにも、
店は客のためにある。
それは変わらない。
ずっと変わらない。
では、みなさん、今週も、
店は客のためにある。
Good Monday!
〈結城義晴〉