成城石井の上場ニュースとカットスロートコンペティション
はじめにお知らせ。
ご好評をいただいている、
「商人舎流通スーパーニュース」
サイトメンテナンスのために、
2時間だけ中断します。
メンテナンス期間中は、
ページの閲覧ができません。
ご了承ください。
【メンテナンス期間】
2022年4月14日(木曜日)10:00~12:00。
サイトメンテナンス時間は、
若干前後する場合があります。
これもご了承ください。
さて日経新聞の特報。
だから他のメディアには、
まだ載っていない。
田中陽さんの特ダネか。
「ローソン、成城石井上場へ」
やった~っ!
原昭彦さん、おめでとう。
親会社の㈱ローソンが、
完全子会社の㈱成城石井を、
東京証券取引所に新規上場する。
代表取締役社長の原昭彦さんは、
コーネル大学RMPジャパン奇跡の第2期生。
1990年に新卒で成城石井に入社した。
生粋の成城石井マン。
2010年9月1日に代表取締役社長に就任して、
それから12年間、会社の価値を上げ続けた。
その成果が株式公開となる。
現在、54歳。
2023年度までに、
プライム市場への上場を目指して、
早ければ2022年内にも申請する。
上場はIPOと略される。
「Initial Public Offering」
その上場には結構、時間がかかる。
この4月4日から東京証券取引所は、
従来の一部、二部などを廃して、
新たに3つの市場区分を導入した。
第1はプライム市場。
第2がスタンダード市場。
第3がグロース市場。
成城石井の上場時の時価総額は、
2000億円を上回る可能性もある。
スーパーマーケット企業としては、
㈱ヤオコーの2792億円がトップだが、
成城石井はそれに次ぐ時価総額規模となる。
だからプライム市場へのIPOも当然だ。
1927年に東京都世田谷区成城で創業。
最初は小さな食品店だった。
現在は約200店舗のチェーンストア。
高質スーパーマーケットの代表企業だ。
そのうえショッピングセンターから、
駅ナカや高速道路のインターチェンジまで、
出店の許容範囲は極めて広い。
だから成長性は無限だ。
やがて海外にも進出できると私は思う。
22年2月期の連結決算は、
売上高に相当する営業総収入が
前期比6%増の1092億円だった。
純利益は13%増の73億円。
1000億円の大台を超えた。
原昭彦の貢献は大きい。
ほんとうにおめでとう。
しかし、これからです。
上場はプロセスに過ぎない。
まだまだ夢は膨らむ。
さて私は、2カ月に1回の東京駅。
桜の季節は去ったが、
大手町の街並みはさわやかだ。
車は少ない。
その交差点に春の光が射す。
新緑が光に浮かぶ。
大手町プレイスウェストタワー。
この新緑も目に眩しいほどだ。
今日の検査と検診は良好。
横浜のオフィスに戻って、
販売革新2001年6月号を手に取る。
私の編集長時代の渾身の一冊。
全篇まるまる価格問題特集号。
表紙のイラストをご覧ください。
月刊商人舎最新の4月号と比べると、
そう、イラストが似ている。
21年が経過しているが、
似たようなイラストは今でも、
新たにデザインされている。
敢えてそれをチョイスした。
特集「値上げvs価格凍結」
今月もご愛読願います。
その商人舎4月号の巻頭言。
[Message of April]
カットスロートコンペティションへ。
争うこと。
競うこと。
闘うこと。
生死を分けること。
コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。
カットスロートコンペティションは、
喉を掻き切る競争。
激しくて途切れない競争。
消耗と革新の連続。
「戦争における行動は、
重たい液体の中で運動するようなもの。
ただ前進することも水中では、
敏捷、正確には行えない」(クラウゼヴィッツ『戦争論』)
プロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツは、
ロシアに侵攻したナポレオン軍が消耗し、
敗退するさまを目の当たりにした。
そして「戦争論」にまとめた。
戦場で軍の動きを拘束し、
その計画を台無しにするもの。
予想外の偶然や事故の連鎖を、
クラウゼヴィッツは「摩擦」と呼んだ。
会社の経営や店の運営も、
「重たい液体の中の運動」になることがある。
すると敏捷さと正確さが失われる。
それが「摩擦」であり、摩擦が生まれると負ける。
カットスロートコンペティションでは、
強敵ばかりの少数の闘いが展開される。
それは「重たい液体の中の運動」に似る。
その覚悟をし、腹を決めた者だけが生き残る。
カットスロートコンペティションでは、
現実を正確に認め、
夢を計画化した者だけが勝ち残る。
分析力と創造力、行動力だけが味方である。
ただし激しい競争であっても、
カットスロートコンペティションは、
戦争ではないし、殺し合いではない。
正々堂々の腕と知恵の競い合いである。
だからかならず、
それに参画する者にご利益がもたらされる。
勝利した者にも惨敗した者にも、
成長の証を示してくれる。
ただし、そこから逃走した者には、
大きな罰が下される。
参画しなかった者には、
なんのご利益も与えられない。
コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。
ヤオコーの川野幸夫さんが、
「喉を掻き切る競争」を強調した。
成城石井もこの厳しい競争の中で、
ユニークなポジショニングを構築している。
それらを巻頭メッセージに込めた。
カットスロートコンペティションは、
勝利した者にも惨敗した者にも、
成長というご利益を与えてくれる。
そこから逃走した者には、
大きな罰が下されるし、
参画しなかった者には、
なんのご利益も与えられない。
〈結城義晴〉