新しい船に乗り込もう。
「Web 2.0」が始まりだった。
普及初期のWebにはなかった、
新しい技術や仕組み、発想。
新しい世界へのバージョンアップ。
それを「2.0」と表現した。
「2」という整数ではなく、
「小数点0」をつけた「2.0」の表現が、
新世界の発展のイメージを広げた。
1の次に2が来て、
その次に3や4が来る。
この階段型の発展は、
新しいWeb領域では考えられなかった。
2.0は2.1や2.35や2.98も、
視野に入れることができる。
世界は小刻みに、それでいて迅速に展開する。
ときには大きなステップアップが生まれる。
それが「2.0」の意味であり、可能性である。
その先に「3.0」や「4.0」、そして「5.0」の世界観がある。
これが21世紀の発展型価値観である。
3千年紀の飛躍のイメージである。
マーケティングの世界では、
フィリップ・コトラーが、
2010年に「3.0」を使った。
その中で遡って「1.0」や「2.0」を整理した。
そしてすぐさま「3.0」をさらに展開させて、
マーケティングの「4.0」や「5.0」の世界へ、
人々を誘(いざな)った。
そして人々はそれに乗った。
リテール4.0はコトラーが論じた。
日本政府はソサエティ5.0まで唱えた。
チェーンストア4.0は不肖結城義晴が整理する。
そしてスーパーマーケットに4.0が登場した。
新しいバージョンアップのモデルを知ろう。
新しい発展形に慣れつつ、それを活用しよう。
新しい酒は新しい革袋に盛ろう。
新しい水夫たちとともに新しい船に乗り込もう。
〈結城義晴〉