小嶋千鶴子「大切なこと」と伊藤園陳列コンテスト審査会
小嶋千鶴子さんの訃報を書いた。
新聞各紙もそれぞれに報じた。
使われた写真はいずれも、
ご著書『あしあと』に掲載されたもの。
そこで私も遺影として、
掲載させていただこう。
この『あしあと』は、
1997年4月29日に初版が刊行されている。
非売品でいろいろな人に配られた。
じわじわと反響がひろがって、
2003年11月に再版となった。
この第二版の最後に、
「大切なこと」と題して、
短い文章が加えられている。
「危険は絶えず繰り返す。
兆候は先づ在庫の過剰に現れる」
すごい一言だ。
小売業も製造業も卸売業も、
悪い兆候は過剰在庫に現れる。
「利益が商品にあるのではなく、
利益は回転の速度によって
決まるのである」
「回転の速度は、
お客様の心をよく読むことによって
維持される」
商売の真髄がここにある。
「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」
素晴らしい言葉。
ありがとうございます。
合掌。
さて今日は東京・清水橋。
新宿の西側。
伊藤園本社。
ロビーの社是。
お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする
今日は伊藤園陳列コンテストの最終審査会。
司会はマーケティング本部の伊東泰山さん。
販売促進部第七課課長。
審査員が参集して、
概要の説明を受ける。
それから審査員はそれぞれに、
コースごとに優秀作品を選考する。
もちろんソーシャルディスタンシング。
ここの選考が終わったら集計されて、
優秀賞と最優秀賞を決める。
これは推薦の多い作品ごとに、
最後は話し合いとなる。
決まりました。
おめでとう。
最優秀賞賞金100万円!!
4コースの店舗賞が決まると、
最後の最後に企業賞の決定。
これも資料を確かめつつ、
話し合いで決まる。
最後の最後にそれぞれが総評を語る。
本庄大介社長のコメント。
伊藤園の濃茶は、
機能性表示食品のお茶部門で、
圧倒的なトップだ。
この値上げラッシュの中でも、
こういった商品は伸び続けている。
審査が終わると記念写真。
この写真が雑誌に載ります。
右サイドが伊藤園のトップ陣。
真ん中から本庄大介社長、
本庄周介副社長、神谷茂専務。
左サイドは、
松井康彦商人舎上級プロデューサー、
毛利英昭食品商業編集長。
そのあとで、スタッフ全員が揃って、
このブログ用の写真。
ふざけている人が一人、います。
これで審査はすべて終了。
そのあとは、
江島祥仁最高顧問の部屋へ。
いつものように抹茶をいただいて、
そのあとから煎茶まで出てくる。
江島さんの話を聞き、
大介さんや周介さんの情報を聞き、
私も最近の食品産業のことを話す。
1時間も情報交換をした。
去りがたい気持ちになる。
ありがとうございました。
伊藤園には社内に、
何人も「陳列名人」がいる。
年度別に最優秀名人も選ばれる。
もう30年も前になるか。
伊藤園の現場の人たちのために、
「陳列名人」という手帳をつくった。
それが今も生きているのだろう。
伊藤園の陳列コンテストでは、
全国の営業マンが陳列のサポートをして、
優秀な作品が出来上がっている。
「お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする」
利益は商品にあるのではなく、
回転の速度によって決まる。
そして回転の速度は、
お客様の心を読むことで維持される。
「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」
ふたたび合掌。
〈結城義晴〉