12月には新店続々オープン/西友・イオンタウン・ロピア
2022年最後の満月。
アメリカではコールドムーンという。
それを日本語にすると「寒月」。
おづおづと冬満月へ手を伸ぶる
〈川崎展宏〉
川崎は1927年生まれ、2009年没の俳人。
明治大学法学部教授。
夕方には、
低い空にオレンジ色の満月が出た。
いよいよ、年の瀬に向かう。
商人舎流通SuperNews。
12月に入っても、
新店がオープンしている。
西友news|
12/15「和光市駅前店」オープン/限定商品やコーナー化に試み
東武東上線和光市駅南口から徒歩約3分。
東京メトロ有楽町線・副都心線が乗り入れる。
複合ビルの1階・2階に出店。
売場面積は1578㎡。
駅のそばの2層のスーパーマーケット。
西友は今、立地や建物構造をあまり気にしない。
つまり出店条件に影響を受けにくい小売業だ。
集客力があるからだ。
そして新しい試み満載。
「大久保マジック」を見ることができる。
イオンタウンnews|
12/17「イオンタウン旗の台」オープン/東京23区内初出店
全国で154カ所目のNSCだが、
東京23区内へは初出店。
都市型ショッピングセンターとして、
「ヘルス&ウエルネス」に軸足をもつ。
ウエルシア薬局や多様なクリニック、
それからビオセボンが入る。
オーガニックスーパーマーケットが、
核店舗となりうるか。
ビオセボンがそこまで力を蓄えたか。
このSCも見ておきたい。
スーパーバリューnews|
12/15「越谷店 食品館」リニューアルオープン
㈱スーパーバリューは、
スーパーバリュー越谷店の食品館を、
12月15日にリニューアルオープンする。
食品館のほかにDIY館、園芸館、
そしてホームセンター館がある。
つまりホームセンターとスーパーマーケットの、
コンビネーションストアだ。
東武伊勢崎線大袋駅から東に約300m。
越谷と春日部を結ぶ国道4号線バイパス沿い。
スーパーバリューはロピアの連結子会社となった。
つまりロピア化しての再出発だ。
さらに12月24日のクリスマスイブには、
ロピア越谷大里店(仮称)がオープン予定だ。
この店も東武伊勢崎線大袋駅から徒歩15分ほど。
わざわざクリスマスイブに開業。
何を仕掛けてくるか。
越谷エリアのスーパーバリューとロピア。
ドミナントを形成していく。
ヤオコーとエイヴイ、フーコット。
ロピアとスーパーバリュー。
こういった連携での競争が展開されていく。
そしてこのとき大切なことは、
現場の事実を見きわめていくことだ。
構図は構図として鳥の目で見る。
そして現場を虫の眼で見る。
時の流れは魚の眼で見る。
エドワード・ハレット・カー。
E・H・カーと略されることが多い。
イギリスの外交官・国際政治学者。
国際政治における理想と現実の関係を考察した。
ロシア革命史の研究でも名高い。
「事実というのは決して
魚屋の店先にある
魚のようなものではありません」
「むしろ、事実は、広大な、
時には近よることも出来ぬ海の中を
泳ぎ廻っている魚のようなもので、
歴史家が何を捕えるかは、
偶然にもよりますけれども、
多くは彼が海のどの辺で釣りをするか、
どんな釣道具を使うか――
もちろん、この二つの要素は
彼が捕えようとする魚の
種類によって決定されますが――
によるのです」
(『歴史とは何か』清水幾太郎訳より)
鳥の眼と虫の眼、
それが魚の眼になる。
「全体として、歴史家は、
自分の好む事実を
手に入れようとするものです」
歴史家にかぎらない。
学者もコンサルタントも、
ジャーナリストも経営者も、
自分の好む事実を収集したがるものだ。
「歴史とは解釈のことです」
越谷の歴史から辿って、
ロピアとスーパーバリューを見る必要もある。
〈結城義晴〉