商人舎5月の標語は「生きよ、学べ」故川崎進一先生の遺稿集タイトル
5月です。
英語で“May”。
その5月1日。
“May Day”。
世界各地で、毎年、
祭典が開催され、
祝日にもなっている。
労働者が統一し、団結して、
権利要求と国際連帯の活動を行う日。
しかし日本では、
連合が4月28日(土曜日)、
全労協、全労連が今日、5月1日に、
それぞれにメーデーを開催する。
「連合」の正式名称は日本労働組合総連合会。
1989年、かつての4つのナショナルセンター(中央労働団体)が、
実質的に統合して、誕生。
社会党系「総評」と民社党系「同盟」。
さらに全国産業別労働組合連合「新産別」と、
中間派の中立労働組合連絡会議「中立労連」。
一方、「全労連」は全国労働組合総連合で、
日本共産党系の労働組合、
「全労協」は全国労働組合連絡協議会で、
こちらは社会党左派系労働組合といわれる。
連合が東京代々木公園で開催したメーデー中央大会は、
主催者発表で3万5000人参集。
一方の全労連の今日の中央メーデーは、
これも主催者発表で約2万人。
場所は同じく代々木公園。
全労協は「さよなら原発1000万人アクション集会とデモ」と銘打って、
日比谷野外音楽堂で集会し、6000人の参集。
ゴールデンウィークは、
労働者の季節でもあるのです。
私は昨日、立教大学で、
フード&ベバレッジ・マーケティングの講義。
キャンパスは新緑が映えて、美しかった。
それでも90分講義を15分の休憩をはさんで2本。
都合、3時間。
講義の始めはいつも、
時事問題の解説。
昨日のブログのローソン社長・新浪剛史さんの話や、
日経MJの田中陽さんの見解など私なりに解説。
その後、4月18日に行われた商業経営問題研究会の内容も紹介。
私の講義、落語でいうマクラが長い。
日本スーパーマーケット協会事務局長の江口法生さんのレクチャー。
それを私流に概説。
「流通を取り巻く法律・制度改正の諸問題」
第1は、社会保障と税の一体改革、
復興財源としての臨時増税問題。
短時間労働者への厚生年金、健康保険等適用拡大と、
今国会最大のテーマになっている消費税率の引き上げ。
そして、復興財源のための所得税、個人住民税、法人税のアップ。
これは労働組合にとっても、重要な問題となる。
第2に、エネルギー政策の転換と、
それに伴う買い取りコストの問題。
第3に、環境関連法案。
容器包装リサイクル法、食品リサイクル法、
省エネ法、フロン類等の対策など、
食品スーパーマーケットに直接かかわる法規の動向。
第4に、食品の表示を取り巻く環境。
加工食品の原料原産地表示、トレーサビリティ、栄養成分表示、
トランス脂肪酸の含有量表示などなどの問題。
そして第5が、人事・労務分野における課題。
店舗における管理監督者問題、最低賃金の引き上げ問題、
障害者雇用対策法の改正対応、有期労働契約、
高年齢者雇用安定法改正案、
パートタイム労働対策などの法改正の動向。
これこそ労働問題。
最後に6番目は、食品の放射能汚染問題。
全労協の「さよなら原発1000万人アクション集会」にもつながる。
食品マーケティングは、
労働問題とも直結している。
労働基準法、労働組合法、労働関係調整法。
「労働三法」と呼ぶ。
さらに2008年に「労働契約法」施行。
個別労働紛争が増加し、
そのことに法律的対応策が講じられたことになる。
労務問題・労働問題の解決なくして、
ビジネスの成功はあり得ない。
つまりこれなくしては店の繁盛も、
あり得ないということ。
労働者の大型連休の週には、
トップマネジメント、ミドルマネジメント、
そしてリーダーは、
この問題も学びたい、考えたい。
さて5月。
まず商人舎標語の発表。
「生きよ、学べ。」
故川崎進一先生の遺稿集のタイトルが、
「生きよ、学べ。」だった。
それを今月の標語にさせていただいた。
川崎先生は1910年、新潟県生まれ。
東京大学経済学部卒業後、
新潟大学、東洋大学教授を歴任され、
東洋大学名誉教授。
商業界リテールマネジメントスクール校長、
日本リテイリングセンター・マネジメントコンサルタントなど、
実務面でも活躍された。
故渥美俊一先生の先輩であり、盟友。
その川崎進一先生が、
2001年12月25日に永眠され、
翌2002年の2月ゼミナールに向けて、
『生きよ、学べ。』が編纂された。
私はこの本で「はじめに」を書いた。
「川崎進一は、
経営実務にヒューマニティを求め続けた。
同時に彼は、理論構築の美学を追い続けた。
川崎進一は、
アカデミズムの世界の『知識』を総動員し、
ビジネスの領域の『知恵』を創造しようとしたのである」
その川崎先生の遺稿集のタイトルを、
今月の商人舎標語とする。
「生きよ、学べ。」
この5月、
必死に生きる。
そして精一杯学ぶ。
生きることが学ぶこと。
学ぶことが生きること。
「学ぶこと」に関して、
川崎先生は3つの具体的方法を挙げている。
第1に「読書」
第2に「意識的観察法」
「できるだけ機会をとらえて、
店舗見学・調査・実験をしてみること」
第3に「合理的思考法の訓練」
これには「プロセス(過程)思考法」と「リザルト(結果)思考法」があるが、
先生は後者を勧めている。
生きよ、学べ。
5月を貫きたい。
さてさて、5月のプロモーション。
3日、4日、5日、6日の4連休は、
ゴールデンウィークの仕上げ。
連休の後半こそ、
店がお客様の頼りになったかどうかを印象づける時。
重容な日々だ。
そして大型連休が終わると、
つぎの5月第2日曜日が「母の日」。
ゴールデンウィークの5月5日が「子供の日」だから、
ほぼ1週間後の「母の日」につながる。
子供と母が繋がる1週間となる。
そして翌週第3週の月曜日5月21日の朝7時半過ぎ、
「金環日蝕」 が起こる。
関東以西の太平洋岸各地で見ることができる。
「日食」とは、「月が太陽の前を横切るときに、
月によって太陽の一部または全部が隠される現象」
21日は、月のまわりから太陽がはみ出して見える。
これを「金環日食(または金環食)」と呼ぶ。
販促プロモーションとして活かすことができる。
「観測方法」 など、店や売り場に掲示・展示し、
業態別に関連商品をお勧めすることも効果的。
東京では300年後しか見ることができない。
直前にまた、
「世紀の天文ショー」と、
テレビや新聞が煽るはず。
いち早く、お知らせしたい。
私の5月のスケジュールは、
大型連休のあと毎週、立教の講義とゼミ。
5月10日から16日まで、
ラスベガス。
商人舎USA視察研修会ベーシック・コース。
アメリカで一番人口増加率の高い州がネバダ州。
第1位 Nevada 270万0551人(2010年)人口伸び率35.10%(2000~2010年)
第2位 Arizona 639万2017人 同24.60%
第3位 Utah 276万3885人 同23.80%
第4位 Idaho 156万7582人 同21.10%
第5位 Texas 2085万1028人 同20.60%
人口が増加しているから、
新しい業態やフォーマットが開発される。
商業・サービス業のダイナミズムがある。
ベーシック・コースで、
ネバダ州ラスベガスを選んで、
一点集中で学ぶのは、
圧倒的に人口増加率が高く、
新しい業態やフォーマットが登場しているから。
そのダイナミズムを学び取るため。
もちろん時系列の動きは、
「魚の目」で、十二分に解説する。
だから全体像がつかめる。
私も心から楽しみにしている。
すでに事前テキストが参加者の手元に届いているはず。
予習、お願いします。
5月の最終週、
29日・30日・31日は、
待望の「商人舎ミドルマネジメント研修会」
川崎先生の学び方も、
私のテキストに入る。
まだまだ募集中。
ご参加のご検討、よろしく。
さて、今日はゴールデンウィークの狭間。
嬉しいことがいくつかあった。
まず月刊『商人舎』5月号発行。
表紙には横浜の桜を使ってみました。
トップマネジメントの皆さんにお贈りしている。
ご愛読のほど、よろしく。
それからブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さん来社。
松浦さんは私と同年。
白内障の手術をして、
商人舎近くの眼科に診察来院。
そのついでに寄ってくださった。
ポイントカードと電子マネー、
それからFSPとCRMの話に花が咲き、
今年、このブームがやってくることに、
互いに同感。
面白い時代です。
今年のトレンドにもうひとつ、
付け加えなければならなくなってきた。
5月が始まった。
生きよ、学べ。
この姿勢で、1カ月を充実させたい。
<結城義晴>