高倉照和の「NetMarket事業」とイオンリテール「AIオーダー」
夜、 高倉照和さんと銀座で会食。
スーパーサンシ㈱専務取締役、
NetMarket事業本部長。
高倉さんには、
商人舎2015年4月号に登場していただいた。
特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
もう、あれから8年。
ネットスーパーは進化を遂げた。
アメリカのウォルマートは、
この5年間に店数を減らしつつ、
7兆円を超える売上げ増を果たした。
それはすべてオンライン販売によるものだ。
高倉さんも大活躍。
スーパーサンシに新事業を立ち上げて、
いま、NetMarket事業本部長。
もう周知のことだが、
関西では㈱万代が、
関東ではサミット㈱が、
サンシのシステムを導入して、
ネットスーパーを展開している。
一昨年には、
フードストアソリューションズフェアに、
出講してもらった。
とてもいい講演だった。
食事をしたのは「銀座ふじやま」。
京料理を中心にしながら、
関西の食材を使った日本料理の名店。
ミシュランガイド一つ星を獲得している。
先付けは、
翡翠色の旬のエンドウ豆とハマグリの、
炊き込みごはん。
ヱビスの生ビールで始まり、
フルーティな新酒の大吟醸「佐賀の鍋島」をいただき、
次に私の好きな新潟の〆張鶴。
美味しい料理とお酒に舌鼓。
すっかり酔って、いくつかの料理を撮り損ねた。
このお皿には、旬の味覚が満載。
ホタルイカ、ぜんまい、サーモン、
フキノトウの点ぷら、おひたし、
そして小鉢。
絶妙の味わい。
最初にクレソンを投入して引き上げ、
たっぷりの花山椒を入れて、
それから和牛を投入し、
ミディアムレアに仕上げる。
KENZOの赤ワインにもぴったり。
ごはんのおともは、焼魚、ちりめんじゃこ、
パウダー状にしたからすみ、おしんこと昆布。
ご飯はおかわりをしてしまった。
料理にもお酒にも大満足。
何より高倉さんとの情報交換がよかった。
それが冒頭の写真のこの顔です。
さて、商人舎流通スーパーニュース。
イオンリテールnews|
AI活用の自動発注を5月より約380店に展開
イオンリテールの「AIオーダー」。
独自開発の需要予測・発注システム。
5月13日(土)から約380店舗に導入される。
客数と商品の需要予測をもとに、
最適な発注数を提示するシステムだ。
さらにカレンダー情報から、
価格、気候、プロモーション、
そのうえカニバリ(類似商品)などの要素が織り込まれ、
各品目の推奨数量が導き出される。
ただし現在の対象は日配部門の約1000品目。
既存システムでは、
発注時間は部門当たり1日平均90分かかる。
それが5割削減される。
前日発注調整時間は平均80分を要する。
こちらは4割削減となる。
発注精度はPI値予測で、
最大40%の改善となる。
実証実験店舗では特に、
消費期限の短い生菓子、デザート、練り物で、
改善幅が高くなった。
また、過剰発注を防ぐことで、
平均3割の在庫削減につながった。
この「AIオーダー」は、
既存の発注システムに埋め込む形になる。
ここがいい。
だから新たに使い方の教育をする必要がない。
投資コストも抑えられる。
2024年以降は他の食品部門、
日用品、衣料品への拡大を予定する。
システム企画本部の山村卓也本部長。
「こうしたデジタル化を、
発注から開発、製造、物流へとつなげることで
サプライチェーンのDX化を進めたい」
チャットGTPなどの進化は驚くべきものだ。
それをオペレーションに活用する。
需要予測に使う。
このイオンリテールの改革は、
ウォルマートやセブン-イレブンと共通している。
リアリティのあるイノベーションである。
商売のリアリズムと直結していなければ、
DXもあまり意味はない。
〈結城義晴〉