ジジとタイガーと父の日[日曜版]
父の日です。
おとうさん、
ありがとう。
きのは、ユウキヨシハルのおとうさん、
大学院でおしごと。
ことしのクラスも、
とてもよいらしい。
そのあと、いけぶくろで、
ふるいおともだちと、
お酒、のんできた。
タニ・アラタさん。
ユーメイなビジュツ評論家。
イカダイ・ユージさん。
おとうさんを「アニキ」とよぶ。
20年もまえに、
おなじ会社で、
こころをひとつにしていた同志。
だからおとうさん、
父の日なのに、
ふつかよい。
ねころんで、
ゴルフを見てる。
全米オープン。
ボクも一緒に、
テレビで、
タイガーをオーエンする。
18番で、
イーグルをだした。
すごい。
「鳥肌がたった」
おとうさんがいった。
ボクも、
ねこはだ、たった。
タイガー、
すきになった。
タイガーは、
あしをけがしてる。
あしをひきずっている。
それでも一番になった。
泣いてるみたいなカオ。
ボクも、かなしくなる。
タイガーというナマエは、
ボクのなかま。
ボクの同志かもしれない。
だからボク、
タイガーをオーエンします。
父の日に、おとうさんも、
同志にあえて、
マンゾクそう。
ボクもマンゾクです。
これから、
おとうさんのおとうさんに、
あいにいく。
おとうさんたち、
ありがとう。
<『ジジの気分』(未刊)より>