PB値上げラッシュの中、八社会社長会で講演「グローカル時代の流通業の課題と対策」
毎日のように、
値上げの記事が新聞紙上を賑わす。
値上げはまず、ノンコモディティから始まる。
そしてコモディティへ。
コモディティの典型のプライベートブランド[PB]へ。
まずイオンが、「トップバリュ」を。
トップバリュは、
3400アイテムで年間販売額2700億円。
これを2010年に7500億円に躍進させる構想。
この間のメーカー製品の値上げの反動で、
PBの食パンは5倍、
カップラーメンは3倍、
醤油は2倍と売上高を伸ばした。
1アイテム20億円から30億円の販売額の商品が50ほどに育った。
100億円の商品をつくらねばならない。
そうすれば、その商品はナショナルブランドになる。
そのトップバリュの値上げに踏み切った。
ユニーも400アイテムのPBのうち、
食パン、即席ラーメンなどコモディティグッズを値上げ。
CGCジャパンのPBは、
1500品目年間販売額2181億円。
こちらもマーガリンやホットケーキミックスの値上げ。
穀物を中心とする食品原価の高騰が、
その主要因であることは、消費者も世論も承知している。
しかしまず、わが社は、我がグループは、
「これだけの内部努力をしております」
という自分の顧客へのアピールが必須であると思う。
その上で、これこれの理由で値上げしますという姿勢。
1品1品丁寧に説明する。
この姿勢、企業や店が1品1品をいかに大事にしているかを、
顧客に示すよいチャンスだ。
だから一括値上げなど、もっての外。
理屈が通らない。
一方、セブン&アイホールディングスと西友は、
PBの値上げを今のところ、控えている。
セブン&アイは「セブンプレミアム」が
380アイテムで800億円。
ライバルのイオン「トップバリュ」に比べると、
遅れて出発したブランド。
だから「最近の発売商品が多いため値上げせず」としている。
しかしこれは、PB比率を高める作戦であることは確か。
西友も、しかり。
ウォルマートは、こんなときにもロールバックしたりする。
さてそんな値上げの季節に、
昨日、東京・目黒雅叙園で、
㈱八社会の社長会が開催された。
現在の八社会社長は、
東武ストア社長の玉置富貴雄さん。
首都圏の電鉄系スーパーマーケット8社を核としたグループ。
「Vマーク」というPBを改革推進中。
この社長会で講演と懇親。
講演テーマは、事務局のご注文で、
「グローカル時代の流通業の課題と対策」
まさに、現時点の緊急テーマ。
潮目が変わるという話から初めて、
持論を大展開させていただいた。
先の玉置さんをはじめ、
東急ストア社長の高橋一郎さん、
相鉄ローゼン社長の春日徹夫さん、
(春日さんは横浜・北幸の隣組で、商人舎ファミリーです)、
小田急商事社長の雪竹正英さん、
京王ストア社長の内藤雅浩さん、
京成ストア社長の高田和生さん、
京急ストア社長の今井守さん、
アップルランド社長の小磯恵司さん、
そして広電ストア社長の尾崎義昭さんと、
よこまち社長の横町俊明さん。
八社会加盟のトップがズラリとそろった会合での講演。
やりがいがあるし、実は、やりやすい。
提案もしやすい。
だから私、言いたいことを、全部言った。
気分もよかった。
4時半から、100分の講義。
その後、懇親会。
ご挨拶される玉置社長。
東武ストアは玉置さんの手腕で、すこぶる業績がよい。
総資本回転2.6で営業収益対比経常利益率3.1。
だから総資本経常利益率8.2。
利潤分配率も11.5。
前任の春日さんに続いて、玉置さんのもと、
八社会の意志一致がさらに強化され、
PB競争の時代を乗り切ろうとする意欲にあふれた会合だった。
なんだか皆に自信が生まれたように、私には感じられた。
アップルランドの小磯さんは、松本に帰られるので、
先に写真。
西友、ダイエーと要職を歴任され、
現在、アップルランド社長。
私は30年ほど前の、西友課長研修の同期生。
小磯さんとは長いお付き合いです。
ご活躍、嬉しい限り。
同社の成績も良好とのこと。
最後に全員で、記念写真。
目黒雅叙園の有名な屏風の前。
皆さんの自信のようなもの、感じられないだろうか。
<結城義晴>