万代カレッジ8期生のマーケティング講座と巽北店MR
11月22日。
今日は朝から、
万代知識商人大学の講義。
通称、万代カレッジ。
企業内大学として2016年に開校した。
コロナ禍のなかでも継続して、
今年は8期となる。
毎年、30名が抜擢されて、
1年間学習する。
その結果、約210名の修了生を輩出した。
そして彼らは今、㈱万代の組織の中枢を担っている。
今日のテーマは
マーケティング・マネジメント。
この万代大学のカリキュラムは、
6つのマネジメントによって構成されている。
その一つが、
マーケティング・マネジメントである。
一言で言い切ると、
それは「商売」である。
難しいことではない。
第8期生は万代に入社して、
日々、商売に勤しんできた。
その商売を自分なりに体系づける。
そして一生の仕事とする。
そのためのベースを築くのが、
この2日間の講義である。
マーケティングは、
1902年にアメリカで生まれた。
拙著『チェーンストア』の第9章は、
「マーケティングとチェーンストアの関係」
この章は私なりに、
マーケティングの源流を解き明かした。
20世紀の初めに生まれたマーケティングは、
その後、1931年生まれのフィリップ・コトラーによって、
体系が築き上げられた。
そのコトラーの考え方のエッセンスを、
私は10の言葉にまとめた。
それが講義の導入部だ。
⑴マーケティングの基本となる最も重要な概念は、
人間のニーズである。
ここからスタートする。
10の言葉の最後は、
⑽マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる。
コトラーの10のエッセンスの後、
マーケティングの定義から始まって、
マーケティング・コンセプトの5段階を講義。
10月の講義では、
コロナに罹って座って講義した。
テーマは、
「お客さまをよく見て商売すること」
西宮前浜店の店長のときの実例をもとに、
顧客志向のマーケティングの実学を語ってくれた。
和久さんは第7期生。
現場を経験し、バイヤーとなり、
店長となり、
フラッグシップ店長から、
取締役となった。
理路整然とした講義は、
すべて数字をもとに検証されていた。
しかもそれがわかり易い内容となっていた。
「商売」の本質をついていた。
第3講座は青野克宣さん。
エリアマネジャー。
青野さんは万代カレッジ第4期生。
卒業生が取締役や部長となって、
講師を務める。
それが企業内大学の良いところだ。
青野さんは競合店対策について、
実に有意義な話をしてくれた。
しかも、軽妙な語り口で、
8期生の心をつかんだ。
マーケティング・マネジメントの出発点は、
マーケティング・リサーチである。
スーパーマーケットやチェーンストアでは、
ストアコンパリゾンという。
座学の講義の後は、
フラッグショップの巽北店へ。
MRの実践である。
昨年は関東に出張した。
今年は地元の自社のMR。
その目的を石川慎也さんが説明。
人事部マネジャーで、
8期の総合運営を担っている。
石川さんは万代大学1期生。
万代巽北店は、
元関西スーパーの居抜き店舗で、
2010年4月にオープン。
いまやフラッグショップ店舗として、
万代を代表する店になった。
店長を務めるのが夏山由香シニアマネジャー。
万代唯一の女性フラッグショップ店長。
店内をお掃除ロボットが走り回る。
これを楽しみに来店する、
年配のお客さんや子どもが多い。
大人気のアイドルだ。
売場面積が拡がったことで、
主動線に配置した生鮮3部門は、
回遊しやすくなった。
壁面の精肉売場。
広い通路には、
テーマごとの島陳列が並ぶ。
ここでも真剣に調査し、議論する。
もちろん顧客や作業員の邪魔をしてはいけない。
そこは十分に配慮する。
自社店舗のMRだからこんなこともできる。
8期生は、気づいた点を、
メモし、スマホで撮影する。
Retail is Detail.
小売りの神は細部に宿る。
サム・ウォルトンの言葉。
それがMRの基本だ。
日配品売場は改装によって、
和日配と洋日配に分けられた。
そのため、
「まだオペレーションに課題がある」と、
夏山店長。
明朝は、グループごとに、
巽北店をさらに改善するための、
提案発表会がある。
8期生たちは店をあとに、
明日の準備のために再び会議棟に戻る。
一方、私は石川マネジャーの案内で、
Mandai南巽店へ。
店に着くと、
先ほど講義してくれた青野エリアマネジャーが臨店。
二人で記念撮影。
売場面積は約420坪。
入口を入ると野菜のお薦め商品。
品目を絞って鍋商材を展開。
右折して青果売場。
過剰なPOPがなく、
すっきりした印象だ。
突き当りに精肉売場。
このエリアは外国人が多い。
万代は青果部門に続いて、
鮮魚売場を設けることが多いが、
この店は青果からすぐに精肉を配置した。
レジはセミセルフとセルフレジ。
セルフレジは、
万代の電子マネーとQRコード決済。
クレジットカードが使えないが、
現在、セミセルフ6、セルフ4の割合で、
顧客に使われている。
ただし12月には万代ペイが稼働する。
そうするとセルフレジ利用者も増えていく。
巽南店は好調にスタートした。
年末年始商戦に向けて、
能美店長は熱く燃えている。
その決意を聞いて、嬉しくなった。
夏山店長も能美店長もがんばれ!
夕食会場に向かう途中の御堂筋。
11月3日(金・祝)から年末まで、
約4kmに渡るイルミネーションが施される。
明日23日は「勤労感謝の日」の祝日だ。
阪神タイガースと、
オリックス・バッファローズの
優勝記念パレードが開催される。
今夜は河野竜一さんと和久さんとの会食。
場所は本町の「黒毛和牛焼肉 薩摩 牛の蔵」。
河野さんは取締役人事担当。
ヒューマンリソースマネジメントの講座では、
いつも講師を務めてくれる。
懐石コースをいただいた。
サラダや前菜、海鮮焼の後に、
黒毛和牛5等級の4部位の焼肉。
冷たいビール、温かい焼酎お湯割り、
そして赤ワイン。
うまい肉とうまい酒。
そして楽しい会話。
堪能した。
長い一日にだった。
充実した一日だった。
マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる。
万代の仕事は、
マーケティングそのものである。
〈結城義晴〉