トヨタの不正に対する新聞社説2題とヨーカ堂の「早期退職募集」
一月、往ぬる。
二月、逃げる。
2月に入った。
慌てず、急げ。
2月末決算の会社は年度末の1カ月。
3月末決算の会社は第4四半期の詰めの時期。
私も2月は忙しい。
今週から来週までは、
月刊商人舎2月号の執筆と入稿。
2月9日から17日まで、
再びニューヨーク。
そのあとも講演や取締役会が続いて、
再び月刊商人舎3月号の入稿。
その間に、単行本の執筆が佳境に入ってくる。
考えるだけで気持ちが急かされる。
こんなときこそ、
今日も一日、慌てず、急げ。
さてトヨタの問題。
昨日のブログで書いたら、
今日の新聞2紙が社説で論じた。
日経新聞社説。
「トヨタ主導で
グループの不正を断ち切れ」
「巨大企業グループの信頼を
根底から揺るがす異常事態が
次々と明らかになっている。
トヨタグループは膿(うみ)出し切り、
不正を断ち切らねばならない」
豊田章男会長。
さらなる不正が発覚する可能性を問われて、
「私が知っているかぎりない」
社説。
「問題解決を各社任せにしてはならず、
豊田会長を筆頭とするトヨタ経営陣が
グループ全体の改革を責任をもって
主導していくべきだ」
「統治体制の総点検を含めた
包括的な再発防止策が求められる」
ん~。
モグラたたきのような、
再発防止策で収まるのか。
私は大企業病そものの問題だと思うが。
一方、読売新聞の社説。
「トヨタ出荷停止
グループ統治問う深刻な不正」
「トヨタは、コストや納期に
厳格な効率経営で知られる。
そうした『トヨタ流』が、
グループ企業の不正を招いた面はなかったか」
こちらは私の見方に近い。
豊田会長。
「グループ各社が、
ものづくりで社会貢献するという
創業の原点を見失っていたと謝罪した」
「グループ全体で、
経営陣と製造現場の意思疎通を密にするなど、
トヨタが主導して、
企業統治の改革を断行せねばならない」
ん~、これもちょっと違和感がある。
経営陣と製造現場の意思疎通を密にしても、
ミッションやビジョンが本音で共有されねば、
不正はカビのようにはびこる。
豊田章男さん自身が言うように、
創業の原点である「社会貢献」の本質をこそ、
年がら年中、語り合っていなければならない。
親会社、子会社の意識も、
社会貢献のミッションによって、
消し去らねばならない。
不正は社会貢献と正反対であることは、
わかっているはずなのだから。
さて、
イトーヨーカ堂の早期退職募集の件。
日経新聞電子版が昨日から報じていた。
「ヨーカ堂、早期退職募集」
私のところには1月中旬に情報が入った。
「45歳以上の正社員を対象に、
2月末までに希望者を募る」
昨年9月に、
旧イトーヨーカ堂と㈱ヨークが合併した。
合併前の旧ヨーカ堂の正社員は5635人。
今回の募集対象となる45歳以上は、
1000人以上。
今回は「特別転進支援」を実施して、
退職金を割り増しする。
年代別にレートが発表されている。
「人員削減が目的ではない」としているが、
それ以外の理由は考えられない。
23年2月期の労働分配率は39.5%だった。
26年2月期までに32.7%まで引き下げる。
これまでにも人員削減をやってきた。
2012年には正社員8600人を半減し、
店舗運営の9割をパート社員で賄う方針。
2019年にも店舗閉鎖などとともに、
22年度末までに1700人減らす計画を発表した。
今回は24年夏までに本社も移転する。
店舗に併設された本社になる。
ヨーカ堂の23年上半期は70億円の赤字だ。
26年2月末までに店舗数は2割超減らされる。
アパレル事業からは撤退する。
何が何でも営業黒字転換を目指す。
その一方で今日は、
セブン&アイ全体のトップや幹部の、
新人事が発表された。
イトーヨーカ堂も体制が変わる。
商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
3/1付役員人事/ベニマルは大髙耕一路専務が社長昇格
ヨークベニマル新社長に、
大髙耕一路専務が昇格する。
大いに期待したいところだ。
しかしイトーヨーカ堂の場合は、
早期退職がすっぱ抜かれたタイミングで、
幹部人事が発表された。
社内の空気はどうなっているか。
故人となった伊藤雅俊さんは、
どう見ているだろうか。
月刊商人舎2023年7月号。
「伊藤雅俊お別れの会」の鈴木敏文氏の弔辞
「あなたが生み出した事業を通じて育まれた、多くの商売の遺伝子は、これからも新たな器に出会い、広がっていくことでしょう。 私は、あなたと共に仕事をし、歩んできたこの歳月を誇りに感じています。 そして、いまあなたに心よりの感謝の言葉を贈りたいと思います。伊藤さん、ありがとうございました。 そして、安らかにお眠りください」
これだけは何度でも言っておく。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
”これからも、広がっていくことでしょう。”
ではなく、
”これからも新たな器に出会い、広がっていくことでしょう。”という
コトバを使ったところに
鈴木さんの
複雑な心境が吐露されていたと言ったら
皮肉でしょうか。
日本には、
ハトのマークは、
1つではないので大丈夫です♪
小売りラブ♪さま
ありがとうございます。
鈴木さんのメッセージは、
言葉を選び抜いて書かれています。
それだけ奥が深いことを考え、
やってきたということです。