Hudson Yard Edgeの絶景とスーパーボウルの「感性と思考」
帰国してから、
14時間眠った。
疲れていた。
久しぶりに、
朝日新聞「折々のことば」
第3002回。
感性は、
思考なしにはありえないのに、
考えないことが感じることだと
思っている人がたくさんいる。
〈多和田葉子〉
同感だ。
多和田さん。
「このことは、
女性の文芸評論家がほとんどいない
日本文学の『グロテスク』な環境と
無関係でない」
「自分の作品を
『受けとめて投げ返してくれる同性』
の存在が少なすぎる」
多和田葉子さんは1960年生まれ。
ドイツのベルリンに住んで、
日本語とドイツ語で、
小説や詩やエッセイを書く。
日本では『犬婿入り』で芥川賞、
ドイツではゲーテ・メダルを受賞。
二つの言語を習得し、
その間の表現やニュアンスの差異を考え、
国や文化の違いを見切る。
昨日のブログで、
マザー・テレサの言葉を引用した。
思考に気をつけなさい。
それはいつか言葉になるから。
思考なしには、
感性もあり得ない。
「思考もまたセンスや鮮度が問われる。
周囲の微細な変化を感知する
アンテナのような」
随想集『カタコトのうわごと』から。
ニューヨーク・マンハッタン。
ロピア2024研修第3陣の自由研修時間。
私はホテルに帰って、
部屋で仕事をした。
それから夕方、ホテルから歩いて、
ハドソンヤードへ。
15分ほど。
再開発プロジェクトによって、
超高層ビル、商業施設、文化施設、学校、
マンションなどのビル群が立ち並ぶ。
開発エリアは広大な約11ヘクタール。
ミッドタウン・ウエストから、
チェルシー地区まで。
ロングアイランド鉄道の
ウエスト・サイド車庫の上に位置していて、
まだ開発の途中にある。
総工費は250億ドルに上る。
最新の観光地として、
連日にぎわっている。
ひときわ人目を引くのが、
「Vessel(ベッセル)」
階段と踊り場だけの、
蜂の巣のような巨大建造物。
トーマス・ヘザーウィックの作品。
イギリス出身の建築家。
その前で記念写真。
左が浅野秀二さん。
私の右が3陣・4陣の団長の井上裕一さん。
ロピア九州営業本部長。
そして現地ガイドの富澤由紀子さん。
そしてエッジニューヨーク。
高さ1131フィート、約345mのビル。
そのてっぺんに、
三角形に飛び出た展望台がある。
Edgeは西半球随一の高さ。
野外スカイデッキ。
レストラン客は、
無料で展望台を利用できる。
だからレストランを予約した。
レストラン専用の入り口。
ここからエレベーターで100階に移動。
コーン・ペダーセン・フォックスの設計。
私たちが泊まっているホテルが真下に見える。
ザ・ニューヨーカー。
展望台の一番先のところに、
ガラス越しに真下が見える場所がある。
展望台はガラスで囲まれている。
けれど高所恐怖症の私は、
縁には近づかない。
101階にあるレストラン&バーへ。
「ピーク(Peak )」
食事をしながら、
マンハッタンの絶景が楽しめる。
だから予約が取りにくい。
ところが今日はスーパーボウルの日。
ラッキーなことに空きがあった。
5時15分に予約した。
夕景から夜景までの絶景を楽しむためだ。
チコリのサラダ。
ちょっと苦みがあるチコリを、
甘いドレッシングで和えてある。
美味。
メインは35日間熟成させた、
ポーターハウスステーキ。
真ん中にTボーン。
右がテンダーロイン、
左がサーロイン。
カベルネ・ソーヴィニオンの赤ワイン。
料理を堪能しているうちに、
外は夜景に変わっていった。
食事を終えて部屋に帰ると、
第58回スーパーボウルの試合が続いていた。
ネバダ州ラスベガス、
アレジアント・スタジアム。
AFC王者のカンザスシティ・チーフスと、
NFC覇者のサンフランシスコ・49ers。
第2クオーターまで10対3で、
サンフランシスコがリード。
その後、第3クオーターに、
カンザスシティが10点を入れて、
10対13。
第4クオーターは19対19で、
延長に入った。
その延長でも追いつ追われつ。
22対25でチーフスが勝利した。
次々に喜びのコメント。
MVPはパトリック・マホームズ。
決勝TDパスを決めたクオーターバック。
3度目の栄冠を得た28歳。
いい夜だった。
いい食事、いい景色、
いいゲーム。
感性は思考なしにはあり得ない。
その通り。
〈結城義晴〉