サミット㈱社長・田尻一の一言「1品・1パックの値ごろこそポイント」
福田辞任表明から1日。
やはり次期自民党総裁候補ニュースが喧しい。
麻生太郎幹事長で決まりだろうが、
それでは面白くないので、
小池百合子、野田聖子、石原伸晃、
適当な政治家の名前が挙がる。
そして年内解散・総選挙が確実視される中で、
国際的に、日本が置いて行かれる構図が浮かぶ。
現在の「グローバル化」と呼ばれる現象は、
国の垣根が半分、はずれた状態を意味する。
だから毎年、くるくる首相が変わる地域は、
外から見て、云々されるよりも、
ストレートに置いてきぼりにされる。
これだけは、避けてほしい。
日本というマーケットが「国際的置いてきぼり状態」にされた結果、
日本国民が無駄な犠牲を払わねばならなくなる。
民間ベースの努力は、政治的空白によって、
大きく減殺されてしまう。
だから、日経新聞調査の如く、
「大手企業経営者の6割が年内解散」を望み、予測する。
さて、こちらは、
コーネル大学RMPジャパンの準備が着々と進む。
今日、公式WEBサイトがスタートする。
そして10月3日、開校記念セミナーが開催される。
これは第5回コーネル食品産業企業戦略セミナーでもある。
ジーン・ジャーマン名誉教授、
ウィリアム・ドレイク博士の講演。
実務家は、アメリカ人と日本人。
フリードマンスーパーマーケットCEOキャロル・ビッター女史、
ウェグマンズのカテゴリー・マーチャント吉野邦夫さん、
そして日米ベスト店長によるパネル・ディスカッション。
是非のご参加を要請したい。
さて、今、私は、札幌。ロイトンホテル。
今日から、日本セルフ・サービス協会主催の
スーパーマーケットトレードショー実行委員会。
昨9月2日は、東京・西永福のサミット(株)本部を訪問。
田尻一社長に正式なお願いと懇談。
コーネル大学ジャパンの1年間のカリキュラムのひとつに、
店舗実習がある。
来年4月2日の講義である。
このファクトファインディング実習の舞台を、
サミットの店舗をお借りして行うことになった。
本当にありがたいことだ。
現在、日本のスーパーマーケットの中で、
いや、世界的に見ても、
作業システムが最も高い水準にあるのは、
サミットである。
自動車製造の世界で考えてもらえばわかりやすい。
工場の生産性が世界一高いのは、トヨタで間違いないだろう。
日本人がつくった工場作業システムが、
ジェネラルモータースやダイムラークライスラーを超えて、
世界一のレベルにある。
それならば、スーパーマーケットのサミットが、
オペレーションの側面で、
それこそ世界の頂上にあってもおかしくないし、
私の見る限り、世界一のサミットである。
この日本が誇る作業システムの現場を、
コーネル大学ジャパンでは、
研修の場とさせてもらうことになった。
もちろん、解説者は豪華。
荒井伸也首席講師はサミットの実質的な生みの親。
私も、30年間、サミットを見続けてきた。
さて、田尻社長との懇談は、
この2カ月余りの間に、
顧客の購買行動が明らかに変ったという点に集約された。
「欲しいものを、
欲しいときに、
欲しいだけ、買う」
それが、今の顧客。
だから大容量で、安さを訴えても、顧客はピクリともしない。
来店頻度は、高まっている。
来店客数も、高まっている。
しかし、
買い上げ点数は、下がっているし、
買い上げ単価も、下がっている。
今、重要なポイントは、
「1パック当たりの値ごろ」だという。
すなわち、小さい容量の商品の動きがいい。
「節約、倹約。もったいない」
商人舎6月の標語だが、
これが7月、8月と続いた。
9月はどうか。
政局は不安定。
日本が国際マーケットから、
置いてきぼりを食らうかもしれない。
だから田尻さんの見方は、ますます当たり。
「欲しいものを、
欲しいときに、
欲しいだけ」の消費。
だから、小さな売り逃しがあってはいけない。
小さな容量の提案も忘れてはならない。
1品・1パック当たりの値ごろ。
つまり1品・1パックがお客様から妥当だと認められる値段。
考えるまでもなく、
これこそ商品づくりの原理・原則なのである。
「原理・原則、全うせよ」
9月の商人舎標語、お忘れなく。
<結城義晴>
2 件のコメント
>欲しいものを、欲しいときに、欲しいだけ
トヨタ生産方式がスーパーに導入された時に現場にいました。
商品をジャストインタイムで売場に出すという仕組み作りをしてきましたが、今後はお客様の「ジャストインタイム消費」に対応できる仕組み作りが必要なんですね。
kentnkさま、ありがとう。
仰る通りです。
そのトヨタが世界第一ならば、
サミットも第一になれるし、
ユニクロも世界第一を目指している。
私は、イオンビジネススクールの講義で、
受講生に聞いたことがあります。
「あなたたちのライバルは誰ですか?」
みんな、セブン&アイと思ったことでしょう。
しかし私は言いました。
「あなたあたちのライバルはトヨタです」
これはセブン&アイの人たちにも同じことです。
そしてトヨタができたのならば、
小売業の会社にもできる。
そんな気概を持ってもらいたいのです。