異例の梅雨入り遅れと「阿部秀行のシンプル商売論」
Everyone, Good Monday!
[2024vol㉕]
2024年第25週。
6月の第4週。
今週の金曜日6月21日は夏至だ。
2024年の折り返し点。
気を引き締めて6月を乗り切り、
今年の後半に臨みたい。
梅雨入りは遅い。
関東甲信地区の昨年は、
6月8日が梅雨入りだった。
平年は6月7日頃だ。
この平年は2020年までの過去30年の平均。
中国地方から近畿、東海、北陸も、
まだ梅雨入りしてはいない。
昨今の極端気象だから、
それほど驚くものではない。
しかし梅雨入りが遅く、
そのうえで梅雨明けが例年通りならば、
梅雨の期間が短くなる。
そうすると、
商売に関してはプラスになる。
雨が多く、湿度が高いと、
外出機会は減り、購買力は落ちる。
雨具や傘など梅雨用品は売れないが、
夏物衣料やアウトドア用品は売れるだろう。
農業に対しては農作物の生育に影響が及ぶ。
梅雨の期間が短くて雨量が少ないと、
野菜・果物の収穫が変動する。
それによって相場も変動する。
産地情報の収集が何よりも重要になる。
梅雨入りが遅く、
梅雨明けも遅いならば、
その後は盛夏も遅くなり、
順繰りに季節がずれる。
ただし、こんな変化のときは、
商売にとってはチャンスだ。
月刊商人舎2022年8月号。
[特集]チェーンストアの営業と商売
戦略と戦術・計画と実践
実に役に立つ一冊です。
手元に雑誌がある人は、
是非、読み直してほしい。
この特集のなかで、
㈱万代社長の阿部秀行さんの独白は、
本当にいい。
「商売は一つひとつの商品の
積み立てみたいなものです」
「今年の環境状況から、
どういうものをお客さんに売ったら、
どれくらい売れるのかという想像力です」
「データも大事だけど、
昨年のデータを使っても当てにならない」
「たとえば今年のこの暑さ、
野菜・果物ならば生育状況や出荷状況、
価格などを総合的に見て、
何を売るのか、いくらで売るのか、
どういう容量にするのか、商品化するのか、
といったことを考える」
「それをしないと『商売』ではない」
阿部さんはいつも商売の根本を語る。
「そう考えていれば状況がどう変わろうと、
基本的に困ることはない」
「安いからいいわけでもないし、
高いから困ることもない」
「たとえば農産物は安ければ
たくさん売れるわけもないし、
高ければ売れないわけでもない」
「むしろ
上がったり下がったりして、
変化がある方が商売には
一番いいと思っています」
今年の遅い梅雨入りがそれです。
「今のように変化があるほうが、
商売のチャンスがある」
「他所と差をつけるチャンス、
違いを出すチャンスです」
「世の中が変わっているときにこそやりやすい」
「他所と違うことをすれば
お客さんにその違いがわかりやすい」
「そういった商売の根本的な考え方について、
いつも話しています」
「阿部秀行のシンプル商売論」
読み返してほしいものだ。
「変化対応業だ」などと言うよりも、
「変化があるほうが商売には一番いい」と、
日々考えることが商売の本質なのだ。
火曜日は第一屋製パン㈱の取締役会。
水曜日は㈱True Dataの株主総会と、
そのあとの取締役会。
その間に取材が4件あるが、
これには山本恭広編集長と亀谷しづえGMが、
対応してくれる。
私も頑張ります。
では、みなさん、今週も、
商売には変化があるほうが断然いい。
Good Monday!
〈結城義晴〉
2 件のコメント
阿部さんのお話をお聞きしてると、結城さんの商売=マーケティングの話を思い出しました。中計だけでなく、短期計画の無効化も感じます。計画=悪ではないですが、硬直化が問題なのだと思います。
阿部さんは「商売」すること、
そのために一人ひとりが考えることを求めます。
考えずに前年比だとか前月比だとかで発想する姿勢を嫌います。
商売するとは考えることで、
それが楽しいんだと主張します。
これこそ本当のマーケティングです。