日経平均株価の歴史的乱高下と正岡子規と夏目漱石の夏休み
まだまだ暑いけれど、
暦の上では立秋です。
秋立つや一巻の書の読み残し
〈夏目漱石〉
夏目漱石は俳句もよくつくった。
何しろ正岡子規と親しかった。
さて株式相場。
月曜日が歴史的な暴落。
火曜日が歴史的な反転。
そして水曜日は歴史的な乱高下。
ジェットコースターのよう。
全体に反転したけれど、
最後に下落した前日の終値より、
さらに日経平均で553円安い、
3万4122円で取引が始まった。
そして900円超の下落。
しかし日本銀行の内田真一副総裁が、
「金融資本市場が不安定な状況で
利上げをすることはない」ときっぱり言った。
北海道・函館の講演。
すると一転、一時1100円超上昇。
上がったり下がったりのジェットコースター。
円相場は早朝に1ドル144円台だったものが、
147円台半ばまで急落。
平均株価は3万5464円61銭で終わった。
前日終値より789円15銭高かった。
前日比2.28%である。
小売業上場各社の株価も、
ある企業は上がり、ある企業は下がる。
この乱高下が続きそうだ。
徐々に粗さは治まってくるけれど、
3カ月ほどはこんな不安定な状況。
株式投資をやっている人は、
それこそ眠れない日々なのだろう。
今日は横浜商人舎オフィス。
毎月、トップの皆さんに、
最新号に添えて手書きのレターを贈る。
そのレターを書いた。
これは1989年に食品商業編集長に就任して、
しばらくしてから始めた。
販売革新編集長時代もやっていて、
㈱商人舎を創業したら、
「結城義晴ブログレビュー」という、
小冊子を月刊で編集して、
それに添え書きをした。
だから商業界の編集長時代は、
1989年から2002年夏まで14年間。
商人舎は2008年3月から今日までの15年間。
毎月のお便りは30年になるか。
手元に残しているという人も、
いるかもしれない。
夏目漱石の手紙ならば、
高く売れるかもしれないし、
博物館に展示されるかもしれない。
しかし結城義晴のレターは、
それほど価値はない。
それでも心を込めて手書きします。
これが届く人は楽しみにしてください。
夕方、東京・自由が丘。
自撮りです。
モンソーフルール。
パリの17区にモンソー公園がある。
その公園の一角のアパルトマン1階の花屋。
それを自由が丘に出店した。
17区はパリ市の北西部の地区。
パリは中央部から時計回りに、
螺旋を描くように20区を区分する。
だから一番外側の16区から20区までが、
扇の一番の外周側となる。
17区の東隣は18区で、
ここにモンマルトルの丘がある。
西側は16区で、
ブーローニュの森につながっている。
そのモンソーフルール。
今はVacances d’été。
お花すくい。
パリとともに楽しむ夏休み。
オリンピックをテレビで楽しんでいます。
フランス人たちバカンス期間は、
2~4週間が多い。
1936年にバカンス法が制定され、
労働者にも2週間の有給休暇の権利が付与された。
その後、バカンス法の期間は5週間となった。
だから夏休みは当たり前。
私の親しい友人の経営者は今、
ネパールで夏季休暇だそうだ。
別の若い経営者は、
家族を連れてパリ五輪に行った。
それが当たり前になるような時代が、
やってくるだろう。
休暇は長い。
精神のリフレッシュをする。
しかし働いているときは、
集中する。
そして生産性を上げる。
商人舎は9日間の夏季休暇となる。
今週の土曜日の8月10日から、
8月18日まで。
来年は2週間に挑戦しようか。
できないことはないと思う。
小さな組織なら、
それは可能だ。
大きな組織で役割分担をして将来は、
長期の夏季休暇がとれるようにしたいものだ。
夏休みの人と見えけり白鹿摺(しろがすり)
〈正岡子規〉
子規と漱石は1867年生まれの同年。
東京大学予備門の同窓で親しくなる。
1895年、28歳のころ、
漱石が松山で教師になったときに再会し、
52日間の同居生活をする。
ともに夏休みも過ごしたのだろう。
子規は持病の労咳を悪化させていく。
1900年、文部省から派遣されて、
漱石はイギリスに留学する。
かの地からも手紙で交流を続けた。
子規は漱石からの報告を、
心待ちにしていた。
けれど漱石は英文学研究に行き詰っていた。
子規は1902年、34歳で早世してしまう。
漱石は処女作『吾輩は猫である』を、
子規が創刊した雑誌『ホトトギス』に発表。
これが文豪夏目漱石の出世作となった。
互いに高め合う、
そんな存在。
漱石は小説家として、
子規は俳人、歌人として、
日本を代表する存在となった。
1888年10月、
ゴッホとゴーギャンも、
フランス・アルルの黄色い家で、
共同生活を始めた。
こちらはゴッホが、
自分の耳を切り落とす事件を起こして、
終わってしまった。
しかし二人とも、
刺激し合うことで、
もっと高みを目指していた。
高め合う存在こそ、
あらまほしきものだ。
オリンピックを見ていると、
一人ひとりにそんな存在があるのだろうと、
想像してしまう。
できればそんな相手を、
あなたも見つけるべきだ。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
「毎月、トップの皆さんに、最新号に添えて手書きのレターを贈る。」という営みに、商業を成長発展させたいという結城さんの志を感じます。
「今の世の中を少しでもよくしたい」と思っていると感じさせるメディアは、本当に少ないです。
結城さんのジャーナリズム論も、いつかお聞きしたいです。
吉本さん、ありがとうございます。
ジャーナリズム論。
いいですね。
機会を見つけて書きましょう。