結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月16日(月曜日)

ダラスの熱い日/HEB・Walmart・Aldi最新店で「見る・聞く・考える」

Everybody! Good Monday!
[2012vol29]

2012年第29週。
7月の第3週。

そして今日は、
日本では「海の日」。
国民の祝日。

海の日を定めるのは日本だけ。
その趣旨は、祝日法に定められている。
「海の恩恵に感謝するとともに、
海洋国日本の繁栄を願う」

四方を海に囲まれた日本。
「海洋国家」であることを、
思い出したい。

イギリスも四方を海に囲まれた島国。
そのイギリスにも海の日の祝日はない。

来るときの機内で、
映画『マーガレット・サッチャー』を観た。
海洋国家イギリスの女性首相。
メリル・ストリープの演技は言葉に尽くせない。
アカデミー賞主演女優賞。

その年老いたサッチャーがつぶやく。
「感情、感性・・・感じることばかり。
考えることをしなくなった」
頭と心に残った。

話を戻して、海の日だが、
実は海の日だけではない。
7月20日~7月31日の12日間は「海の旬間(じゅんかん)」、
7月1日~31日の1カ月は「海の月間」と定められている。

由来は、明治天皇。
東北地方巡幸で、7月20日に横浜港に帰着。
この日を記念し、1941年(昭和16年)、
「海の日」が制定され、その後、
1995年、祝日と制定、1996年実施。
7月20日だった。

その後、2003年祝日法改正、
この時に採用された「ハッピーマンデー制度」で、
7月第3月曜日となり、夏休み前の三連休として定着。

1941年は太平洋戦争中。
国威発揚の狙いは確かにあった。
だからちょっと無理やりの制定かもしれない。

しかしそれでも、私たちは、
海からさまざまな恩恵を受けている。

その海の恩恵に感謝する日であることに、
異を唱えるのは意味がない。

海の旬間、海の月間も、
盛り上げたい。

さて、今週はもう夏休みモード。
今日の海の日、
そして、そろそろ梅雨明け。

人気ブログ「2週間天気予報」の常盤勝美さん。
「今年も梅雨明けのタイミングの読みが非常に難しく、
さらに、台風の不意の接近が状況を更に複雑にしている。
この1週間、基本的に梅雨前線は大きく北上した状態。
天気図だけをみると、少なくとも、
関東甲信から東海あたりまでは、
いつ梅雨明けが発表されてもおかしくない」。

つまりは気象庁は迷っているが、
もう実質的な梅雨明け状態ということ。

「梅雨明け」している。
台風に注意。

こんな感じだろうか。

そんな中、
今週末の金曜日から、
プロ野球オールスターゲーム。
20日金曜日は京セラドーム大阪、
21日土曜日は松山坊っちゃんスタジアム、
なぜか日曜日は移動で休んで、
23日月曜日に岩手県営野球場。

ベースボールパークに、
いろいろなネーミングが施される。

しかし「岩手県営野球場」という響き、
いいですね。

こちらのメジャーリーグ・オールスターゲームは、
先週水曜日の7月11日、ミズーリ州カンザス・シティで1日だけ開催。
ロイヤルズのフランチャイズ球場で、
「カウフマン・スタジアム」と呼ばれる。

結果はナショナル・リーグが8対0で、
アメリカン・リーグに圧勝。

レンジャーズのダルビッシュは、
栄誉あるオールスター選手として選出されたものの、
ワンサイドゲームの敗戦で、登板機会なし。

しかし「今までのなかで一番、勉強になった」とコメント。
ダルビッシュも勉強している、考えている。

ここテキサスでは、ダルビッシュの人気はすごい。

さて私は、金曜日に渡米。
2日目の昨日はダラス・フォートワース地区を視察し、
明日もHEBフード&ドラッグなど目玉店舗を駆け巡って、
夕方の便でサンフランシスコへ。

ダラスは本当に勉強になるところだ。
私が描いている競争のパズルが、
1店1店を訪れるたびに、
一つひとつのピースとなって埋められていく。

そんなイメージ。

ウォルマートはこのエリアで、
マルチフォーマット戦略によって、
34.8%のシェアを占めている。
スーパーセンターとサムズクラブの結合店舗。
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ネイバーフッドマーケット。
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そのウォルマートを脅かす超大型のコストコ。
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小型のアルディ。
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対極にはHEBセントラルマーケットやホールフーズ。

ウォルマートの食品部門に、
真正面からぶつかるのは、
クローガーとHEBフード&ドラッグ。

店舗全体で堂々、渡り合うのはターゲット。

セーフウェイ傘下のトムサムはちょっと逃げ腰。
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ローカルチェーンのユナイテッドは、
「マーケット・ストリート」バナーの異次元の世界を志向して、
必死の生き残りをかける。
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アルバートソン
は瀕死の状態。

近代食品小売業は、
1859年のザ・グレイト・アメリカン・カンパニーの創業から始まった。
グロサリーストアの勃興と大発展。

A&Pと名を変えたこのチェーンストアは、
1930年には、1万5737店の巨大企業となっていた。

その1930年、
マイケル・カレンのスーパーマーケット革命。

そして50年後の1980年、
第二次スーパーマーケット革命。

さらに1988年のウォルマート・スーパーセンターの登場と、
1990年代、2000年代のスーパーセンターVSスーパーマーケットの対立構造。
その中で没落していったコンベンショナル型スーパーマーケット群。

あのアルバートソンまで、没落組に入っていた。

昨日は早朝から私の2時間講義。
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この講義こそが大事だと私は考えている。
私の全精力をつぎ込んで、語る。

その後も、バスのなかで、一日中講義。
バス移動時間を150分ほどとっているから、
車中講義は2時間半となる。

店を歩きながらも、
ときどきレクチャーする。
それでも時間は足りない。

もちろん、現地マネジャーからのレクチャーも受ける。

今日はウォルマートのスティーブさんから、
1時間のレクチャーと店内・バックヤードツアーをやってもらった。
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五十嵐ゆう子さんの通訳が、
実に的確で速いので、
この1時間はほんとうに濃密な学習となった。
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店側は総出で迎えてくれた。
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もちろん全員からの質疑応答も、
内容のレベルが高かったし、
収穫は大きかった。
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誇らしげなスティーブさんと固い握手。

朝一番で訪れたHEBセントラルマーケット・ミニ。
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ウォルマートのスーパーセンター+サムズ・クラブ。
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そしてアルディの新店。
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これ以上ないというスケジュールとプランだった。

アメリカの小売流通競争は、
合理的で論理的だ。

それはアメリカ人の合理性、論理性に依拠しているが、
そのうえで、規制が少ないこと、
自由競争の精神に満ち溢れていること、
フェアな闘いを是とすること、などなど。

だから競争に敗れたものには、
容赦しないし、同情しない。

イチローが、ダルビッシュ有が、
メジャーリーグにやってくる本当の理由もここにある。

それはアメリカの商業にも貫かれている。

私はこう表現している。
「試験官やビーカーやシャーレの中の実験」。
だから説明しやすい。
説明に説得力が出てくる。
そしてそれを理解することで、
思考力、考察力が身につく。

この思考力、考察力が、
仕事を組み立て、
そこからイノベーションを生み出す。

みなさんも、
自分の目と耳で「見る、聞く」、
そして自分の頭で「考える」。

これを繰り返してほしい。

「見る、聞く」だけでは問題は解決しない。
「感じる」だけでも、イノベーションは起こらない。

「考える」ことが不可欠。
私が一貫して主張していること。

考えて、また、
見る、聞く。

さらに考える。

アメリカにいると、
そんな回路が強くなる。

では今週も、
Good Monday!

<結城義晴>


2 件のコメント

  • こんにちは。

    「知識よりも実践」を重んじ続けたドラッカー氏の教えのような、「情報ではなく現場」を見ながらの研修から得られる成果は、はかり知りませんね!!

    「学ぶ方法」を学びました。

  • saikiさま、ありがとうございます。
    現場第一。
    口で言いながら、
    なかなか実行できないものです。
    だから実践躬行と続けます。

    現場第一、実践躬行。

    これです。

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