PCSAと学習院で連続講義、青山紀ノ国屋リニューアルオープン訪問
自動車産業は、
世界的に大きな曲がり角に来ている。
ゼネラルモーターズは2500億円の赤字。
トヨタも70%を超える減益。
20世紀を支えてきた、きわめて20世紀的な産業が、
21世紀のパラダイムの転換のときに、変身を求められている。
わが商業・ホスピタリティビジネスには、
これは違う意味で転換が必要だ。
命の充実を図り、心の充足を支える産業。
その命の充実と心の充足を、
自ら意図しなければならない。
さて、昨日は久し振りに横浜の商人舎オフィスへ出社。
その後、東京銀座へ。
PCSA人事問題研究部会主催の
『拡大研究部会』。
パチンコホールのために、
「一から学ぶチェーンストア初級講座」と題して、
1年間にわたって講義する。
その第1回。
人事問題研究部会リーダーは、㈱ニラクの末次秀行さん。
商人舎ファミリー。
末次さんの司会でスタート。
第一回のテーマは、
『誤解も甚だしい「チェーンストアの意味」』
35名が熱心に聞いてくれた。
質問も出た。
分かりやすく、丁寧に、
チェーンストア経営を語る。
チェーンストアとは「鎖のようなもの」。
鎖の強さと重さ、すなわち強度と重量。
その整合性が、チェーンシステムの優秀性となる。
その後、青山へ。
リニューアルオープン間もない紀ノ国屋青山店に立ち寄る。
花に囲まれた入り口からエスカレーターで地下へ。
スタッフの笑顔に迎えられる。
店内は白地の壁に低めのゴンドラとショーケース。
清潔でシンプルな印象。
天井の空間には、斜めに張られた木目の板。
ゴンドラの上には、お祝いの花や観葉植物、かごなどが、
ディスプレイされている。
入り口から壁面に沿って、
青果、デイリー、精肉、鮮魚、デリ、ベーカリー、ワインと売場が続く。
チーズとワイン、パンなどの試食販売も充実。
店舗左奥の「Specialities」の対面コーナーが意欲的。
もちろん店全体が、極めて意欲的で斬新だが、
奇をてらったところは一点もない。
実に、すっきりとした店。
月曜日にニューヨークから戻ったばかりの私の目に、
ニューヨークのプレステッジ・ストア以上の出来栄えと映った。
売場を視察していると、今泉健専務取締役にばったり。
「これから育てていかねばなりません」
こう決意を語ってくれた。
紀ノ国屋は、お店を、
人格ある者と捉えている。
だから社長も専務も幹部も、
そして一人ひとりの社員も、
お客様も、
お店を人間のように愛している。
それが、店全体に表れている。
お店も愛されていることを感じとって、
愛に応えようとしている。
私は、そんな「愛」を感じた。
青山店を出て、表参道から原宿へ散策。
表参道ヒルズやオープン前日のH&Mをチェック。
そして、学習院大学へ。
18時半からは、学習院マネジメントスクールで、
今日二つ目の講義。
「潮目が変わる時代の流通概論」
2時間の予定が、熱が入って3時間近くになってしまった。
まことに恐縮。
考えてみると、アメリカから帰って、
まだ1週間も経っていない。
ディテールを、丁寧に語ることに、
頭と体が慣れてしまっている。
不思議な、感覚。
いつも、帰国したばかりの1週間ほどは、
こんな感じ。
講義の後は、学生さんたちと交流。
しっかりと聴講してくださって、心から感謝。
今日も一日、濃密な時間だった。
ありがたい。
そして週末へ。
<結城義晴>