オークワ講演の「人間力経営」とネットスーパーのイオン・ヨーカ堂
昨日から和歌山市。
目覚めるとホテルの19階の自室から、
眼下に和歌山城が見える。
食事会場からは城郭を見上げることができる。
白壁の美しい城だ。
江戸の時代から人々は、
この城を見上げて暮らしてきた。
午前中はホテルの部屋で原稿執筆。
11時過ぎにタクシーを飛ばして、
オークワ本社の研修棟へ。
2023年から年2回ずつ、
全幹部社員の集まる営業会議で、
講演するようになった。
今回で4回目になる。
テーマは「ミッション・マネジメント」
初めに月刊商人舎11月号特集から、
「会社は誰のためにあるのか?」
それから前回の復習。
「業種・業態とフォーマット戦略」。
そして本論の「理念経営」。
阪神淡路大震災から中越地震、
東日本大震災。
日本列島を襲った災害の中で、
小売業者たちがいかに活躍したか。
使命を果たしたか。
どんなときにも、
ミッションとビジョンが必須だ。
そして人間力経営が、
チェーンストアにとっても重要だ。
頭の力の理論武装、
技の力の技術武装、
心の力の理念武装。
人間力経営はその総合力である。
講演を仕切ってくれたのが、
人事部教育課長の小澤一雄さん。
いつものように最後にツーショット。
特急くろしおで新大阪へ。
さらに新幹線で新横浜へ。
タクシーを飛ばして、
商人舎オフィスへ。
編集部と合流して、
月刊商人舎12月号の入稿。
朝から夜まで、忙しい師走の日だった。
さてネットスーパーの話題。
商人舎流通SuperNews。
イオンネクストnews|
ネットスーパー「Green Beans」東京23区全域へ拡大
昨2023年7月10日に本格稼働した。
月刊商人舎2023年8月号で、
特別企画を組んで報道した。
誉田CFCの全貌
本格稼働したイオンネクスト「Green Beans」
それが順調に進捗して、
今年の12月6日(金)から、
東京23区全域にサービス展開する。
さらに2025年春に八王子CFC(東京都八王子市)、
2027年までに久喜宮代CFC(埼玉県)を開業する。
一方、㈱セブン&アイホールディングス。
㈱イトーヨーカ堂は2023年8月に、
横浜市で専用の大型センターを稼働させて、
ネットスーパーの事業拡大を目指した。
しかし2025年2月12日をもって、
撤退すると発表した。
その2025年2月期第2四半期決算で、
458億7700万円の特別損失を計上した。
ところが……。
商人舎流通SuperNews。
イトーヨーカ堂news|
ONIGO上で新ネットスーパー’25年2月開始
自分で始めた事業からは撤退して、
今度はONIGO㈱と資本業務提携に基本合意した。
ONIGOは2021年6月10日創業、
スタートアップと呼ばれるベンチャー。
459億円を捨てておいて、
スタートアップ企業の力を借りる。
イオンは英国のオカドと提携して、
世界中をリードするオンラインスーパーに突き進む。
別にONIGOを云々するつもりはないが、
イトーヨーカ堂の力のなさに驚かされる。
オンラインは将来を占う事業である。
それを自社で開発できないのか。
あるいはウォルマートがジェット・コムを、
その創業者CEOのマーク・ロアごと買収したような、
スケールの大きな展開はできないのか。
2016年、ウォルマートは、
約33億ドル(約3500億円)を投じて、
アマゾン・コムの目の上のたん瘤と言われた、
ジェットを傘下に入れた。
そしてマーク・ロアを、
ウォルマート・コムのCEOに指名して、
「デジタル・イノベーション」の全権を委ねた。
2020年にはジェット・コムを廃止して、
ウォルマート・コムが肩代わりした。
つまりジェットを肥やしとして、
ウォルマートのネット事業を成長させた。
イトーヨーカ堂には、
そのくらいの構想を望みたいところだが、
どうやらそんな意思はないようだ。
言葉がない。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
ウォルマートがジェット・コムを買収したのはまだ理解の範疇でしたが、マーク・ロアをCEOに指名して、「デジタル・イノベーション」の全権を委ねたのは、驚きました。
会社だけだなくマーク・ロアを買ったのだ、それもビジョンを共にする同志、パートーナーとして三顧の礼で迎え入れたのだと、後付けで思いました。
ウォルマートのダグ・マクミロンの懐の深さです。
店に関してはM&Aをほとんどしなかったウォルマートですが、
ITに関してはどんどん会社やその経営者を獲りに行きました。