結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
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2025年01月11日(土曜日)

イオン・ライフ・ベルク第3四半期の「増収減益」と「商人は正人たれ」

チェーンストアの第3四半期決算が発表されている。

商人舎流通Supernewsの画面の上段。
[決算]のボタンを押してください。
スクリーンショット 2025-01-12 100209

するとこの画面が出てくる。
スクリーンショット 2025-01-12 095846

その一番上は今、

イオンnews|
第3Q営業収益7兆4706億円6.3%増・経常利益23.3%減

イオン㈱の2025年2月期第3四半期決算。

連結業績は営業収益7兆4706億円、
前年同期比6.3%増。

なるほど増収。

営業利益1175億6900万円(17.7%減)、
経常利益1020億6300万円(23.3%減)。

減益。

四半期純利益156億6700万円の純損失。

赤字。

営業利益率1.6%、経常利益率1.4%。

日本の小売業を代表する企業として、
まだまだ。

小売事業が減益となった。
GMS(総合スーパー)事業、
SM(スーパーマーケット)事業、
DS(ディスカウントストア)事業、
ヘルス&ウエルネス事業、
国際事業。

イオンリテール㈱は、
食品売場へのセルフレジの導入がほぼ完了。
「レジゴー」展開店舗は6月に300店舗を突破。

「AIカカク」は最適な値引き率を提示する仕組み。
「AIオーダー」は商品発注を最適化する仕組み。

これらによって人時を創出し、
顧客満足に直結する業務に充てる。

しかしこちらの成果を上げるには、
時間がかかる。

今、その過程にある。

プライベートブランド(PB)「トップバリュ」は、
価格訴求型の「ベストプライス」で、
厳選品目を値下げし、あるいは増量した。

2025年度までにPB全体で売上高2兆円を目指す。

それでも増収減益・純損失。

図体の大きな会社が、
すべての現場で意思統一して、
利益にストイックになる体質をつくれば、
増収したら必ず増益になる。

増収なのに減益。
減収になったら増益。

このサイクルを断ち切らねばならない。

増収したら増益。

単純なように見えて、
それが難しい。

すべての店が、すべての部門が、
増収したら増益となれば、
会社はいい循環になる。

ライフnews|
第3Q営業収益6329億円5.1%増・経常利益183億円7.6%減

㈱ライフコーポレーション。
営業収益6329億円、前年同期比5.1%増。
営業利益176億8800万円(8.0%減)、
経常利益183億4000万円(7.6%減)、
純利益128億1300万円(3.4%減)。

営業利益率2.8%、経常利益率2.9%。

日本のスーパーマーケットを代表する企業。

こちらも増収減益。

ベルクnews|
第3Q営業収益2858億円10.7%増・経常利益129億円0.5%減

㈱ベルクの2025年2月期第3四半期決算。
営業収益2858億円、
前年同期比10.7%増。

二けた増収。

営業利益126億3000万円(100.1%)、
経常利益128億9900万円(99.5%)、
四半期純利益86億2400万円(92.8%)。

営業利益、経常利益はトントン。

環境が悪くても、
このくらいにしたい。

営業利益率4.4%、経常利益率4.5%。

これが業界を代表する収益企業の第3四半期。

2024年度は第3四半期まで、
チェーンストア全体で増収減益。

増収の理由には青果の高騰やインフレもある。
減収には賃上げトレンドがある。

しかし増収減益の傾向が顕著だった。

だからこそ、
増収したら増益になる体質が、
求められる。

無理に増収すれば、
必ず減益となる。

無理せず、自然体で増収すれば、
間違いなく増益となる。

そうならねばいけない。
経営者はそれをみんなに説得しなければならない。

イオンは6.3%の増収、
ライフは5.1%の増収、
ベルクは10.7%の増収。

ここから無駄な増収分を厳密に禁欲し、節制して、
全体の増益にもっていく。

第3四半期の総括はこんなところか。

㈱平和堂は、
「売上高」を『ご奉仕高』という。
「粗利益高」を『創造高』と呼ぶ。

創業者の夏原平次郎さんが考えた。
スクリーンショット 2025-01-12 105225

営業減益は、
粗利益高が足りなかったから生じる。
あるいは経費が増えたから生まれる。

夏原平次郎流に考えると、
減益は創造が足りなかったからだと、
自己分析することになる。

夏原平次郎は、
「商人は正人たれ」の信念を貫いた。

私も「商人舎」をつくるとき、
「正人舎」にしようかと、
本気で悩んだ。

「商人は正人たれ」でありたい。

無理せず、自然体で増収すれば、
間違いなく増益となる。

本当に厳しいことだが、
これが正人である。

〈結城義晴〉


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