米国小売業7月売上高+4.6%と2030年日本就業者-860万人
暑い日が続きます。
私は昨日、夕方から、
休暇をとって軽井沢。
宿泊は小さなペンション。
軽井沢ヴァルト。
緑にかこまれた赤煉瓦敷きの石段を登る。
するとテラスが現れる。
建物が草木に取り巻かれている。
ダイニングはシックなつくり。
いつもクラシック音楽が流れている。
窓辺にすわって、
パソコンを開きつつ、
紅茶などいただく。
天井も高い。
軽井沢のお奨めレストランが、
手書きの地図で紹介されている。
こぢんまりした部屋だが、
とても心がおちづく。
夕食は焼肉の「一龍」。
入り口のところにオンドル。
絶品の焼き肉をいただいてから、
ママを囲んで写真。
夜中の1時半まで、仕事したが、
朝の5時には目がさめた。
この時期の軽井沢の朝は、
とりわけよろしい。
昼は、軽井沢72でゴルフ。
右端の立教大学社会人大学院生・堀田直樹さんが、
丁寧に世話を焼いてくれた。
心から感謝しつつ、英気を養った。
さて、7月のアメリカ小売業界。
主要小売企業20社の既存店売上高は、
前年同月比でプラス4.6%。
これは昨2011年9月以来10カ月ぶりの高水準。
ちなみに6月の実績はプラス0.2%だった。
国際ショッピングセンター協会の発表。
アメリカでも個人消費は伸びていない。
しかし小売り各社が9月の新学期商戦を前倒しした。
その効果が出たかたち。
だから需要の先食いとの指摘もある。
代表的な企業ごとに見ていこう。
まずウォルマートのライバルのターゲットは、
プラス3.1%。
メンバーシップホールセールクラブのコストコは、
プラス5.0%。
オフプライスストアのTJXはプラス7.0%。
全体にディスカウント業態を中心にした企業が好調だった。
ちなみにウォルマートの実績は、
この国際ショッピングセンターの統計には含まれていない。
一方、百貨店の平均は1.3%増。
圧倒的なシェアを誇るメイシーズはプラス4.1%、
伝説のサービスのノードストロームは0.9%増、
サックスフィフス・アヴェニューは3.5%増。
ジュニアデパートのコールズは平均的な1.7%増。
全体の底上げ役を担ったのはアパレルファッション店。
第2位のリミテッドが12.0%プラス。
マルチ・ブランド&マルチ・フォーマット戦略で、
「バス&ボディ・ワークス」が17%増、
「ヴィクトリアズ・シークレット」は12%増、
しかし「ラ・センザ」はマイナス5%。
第1位のギャップはプラス10.0%。
日本上陸を果たした「オールドネイビー」が12%増、
「バナナリパブリック」が8%プラス。
地域別には北米GAPがプラス13%、海外は4%増。
ギャップに関してはカラージーンズが好調だという。
7月はアメリカでも全国的な猛暑だった。
それが夏物衣料の売り上げを押し上げてくれた。
アメリカでも「お天気頼み」の商戦が続く。
なお8月の既存店売上高予測は、
プラス1.5~2%。
9月から新学期が始まるアメリカ商戦は、
8月にひとつのヤマ場を迎え、
あとは10月末のハロウィーン、
11月第4木曜日のサンクスギビングデー、
12月25日のクリスマス商戦へと向かう。
8月が2012年の明暗を占う。
私は8月23日からダラス・ニューヨークを訪問する。
今年のアメリカ商戦を見定めることになる。
日本ではお盆商戦がその役割を担う。
来週から再来週にかけて、
その正念場を迎える。
さて日経新聞の経済コラム『大機小機』に、
重要な指摘がある。
タイトルは「起業促進を戦略テーマに」。
厚生労働省の雇用政策研究会が未来予測した。
「2030年の日本の労働力需給状況」の推計結果。
2030年の就業者数は現在より860万人減。
この間に総人口は1000万人減少。
国力の減退を如実に表す。
この中で、就業人口の減少スピードには、
驚かされる。
そこでコラムニストは、労働力需要喚起のために、
「起業支援策の抜本強化」を提案する。
アメリカの『「フォーリン・アフェアーズ・リポート』最近号。
「この30年の米国の新規雇用の多くは、
新規に設立した企業に支えられている」
日本の中小企業庁「11年版 中小企業白書」。
2009年までの3年間、
新規開業事業所は全事業所の8.5%だった。
しかし、この起業によって生み出された雇用は、
「全雇用創出の37.6%」。
「起業促進」に「官民で知恵を絞る」。
コラムニストの指摘は正しい。
そして小売業・サービス業は、
「起業」しやすい産業だ。
2030年までの日本の就業者人口問題にも、
小売りサービス業が大きな役割を果たしていく。
商業サービス業の現代化は、
日本の国力に決定的にかかわっている。
<結城義晴>