2025日本惣菜協会賀詞交歓会と惣菜の「Mass Customization」
花屋のマーチャンダイジングは、
季節感が最大テーマだ。
それが完璧にできている。
さて、ちょうど1週間前の1月23日の報告。
日本惣菜協会2025年賀詞交歓会。
会場は東京會舘。
私は大阪で万代知識商人大学修了式に出ていた。
だから山本恭広編集長が参加した。
いまや市場規模10兆円を超える中食産業。
産業の中心となる協会は2024年12月時点で、
正会員、賛助会員、協力会員、
合わせて710社となった。
伸びる協会。
市場の伸びがそれを支えている。
私は1995年から、
農林水産省「中食市場動態調査研究会」に参加した。
故田内幸一先生を座長とした専門委員会だった。
田内先生は一橋大学を定年退官して、
日本大学商学部教授に就任されていた。
内食と外食に対して、
中食市場が拡大するとの結論だった。
それがどう成長するのか、
どんな問題が待ち構えているのか。
そんなことを議論した。
この研究会で岩田弘三さんと親しくなった。
ロック・フィールド会長。
それから30年。
中食市場と惣菜マーチャンダイジングは、
想像を超えた発展をした。
中食産業に関しては、
月刊商人舎7月号で特集した。
「惣菜センター革新」
日本惣菜協会専務理事の清水誠三さんには、
11兆円を目前にした中食産業について、
丁寧に語ってもらった。
フルックスグループ代表の黒田久一さんには、
実務家の視点から惣菜の潮流を語ってもらった。
協会副会長。
交歓会会場は東京會舘3階のローズ。
開会あいさつは協会会長の平井浩一郎さん。
㈱ヒライの社長。
熊本県中心に福岡・大分・佐賀の各県で、
弁当・惣菜店137店舗をチェーン展開する。
昨年からのコメ価格の問題に触れつつ、
ますます高まる中食産業の役割の重要性を強調。
祝辞は林芳正官房長官。
それから斎藤健自由民主党衆議院議員。
農林水産大臣、法務大臣、経済産業大臣を歴任し、
常に協会に関わってきた。
時期総理と目される政治家までやってきて、
協会への期待の大きさが感じられる。
祝辞のあとは新入会員企業の紹介。
正会員、賛助会員合わせて35社が登壇して、
1社ずつ紹介された。
乾杯の挨拶はキユーピー㈱社長の高宮満さん。
「仕事や商品を通じて、
感動を伝えていきましょう」
とてもよかった。
成長産業、伸びる産業には人が集まる。
商人舎の[特集のまえがき]に書いた。
プロセスセンター「是々非々論」
惣菜・デリのイノベーション・ベクトルを整理する
――「3S1C」は、
インダストリアリズム(産業化)の、
基本コンセプトであり、
それがチェーンストアに導入された。
単純化(Simplification)、
標準化(Standardization)、
専門化(Specialization)、
そして集中化(Centralization)である。
惣菜やデリカテッセンの
マーチャンダイジングにおいても、
この大原則を崩すことはできない。
崩してはならない。
今回は惣菜の集中化がテーマとなる。
しかし集中化が目的ではない。
それは手段である。
目的はおいしい惣菜を、おいしいままに、
顧客に供与することである。
したがって集中化によって、
おいしさが削がれてしまったら、
集中化は否定されねばならない。
標準化も単純化も専門化も同じである。
「3S1C」そのものが手段なのである――。
惣菜と中食には、
「マス・カスタマイゼーション」が必須である。
「店舗ごとに、あるいは顧客ごとに
異なるニーズに合った惣菜やデリをつくりつつ、
単品大量に近い生産性を獲得する」
「マス・カスタマイゼーションは、
『トレードオン』の考え方だが、
ここでも困難な課題が浮上している。
しかしそれを可能とすれば、
模倣困難性を体内化できるのだ」
「ベンダーやメーカーから提供される
“キット製品”をバックヤードでひと手間加えて、
見栄えの良い惣菜売場をつくる。
味は他人任せ、売上げも他力本願。
そして同質化の深みにはまっていく。
これは『非』としなければならない」
惣菜で3S1Cを語る時代になった。
それがマーケットの成長を証明している。
ただし膨張であってはならない。
〈結城義晴〉
1 件のコメント
惣菜の商品開発力におけるCVSとSMの差は、どこからきているのでしょうか。主力商品かどうかという単に位置付けの問題なのか、それ以外にも何かあるのか。今ひとつよくわかりません。