日経新聞「シニアが拓く”終活”」と渥美俊一「人口動態のままにせよ」
盆の明け。
竹島に、尖閣列島。
日本国は「成熟国」として、
毅然たる態度を。
ただし是非とも、国際世論を味方につけたい。
それがまた、成熟国の態度。
オリンピックやスポーツで、
「大国」ではなく「成熟国」を実現させるに似ている。
そのオリンピックが終わると、
夏の甲子園高校野球の季節。
もう、2回戦が進み、3回戦へ。
これから準々決勝あたりが一番面白い。
そのなかで、ロンドン・オリンピックで言えば、
ジャマイカのウサイン・ボルト並みの投手が出てきた。
桐光学園・松井裕樹。
我が地元・神奈川県の、まだ2年生ピッチャー。
第1回戦では今治西高から奪三振22で完封。
第2回戦は常総学院から5点取られたものの、
19奪三振。
まったく痛快な投手。
常総学院の佐々木力監督のコメント。
「18くらい取られるのでは……と言っていたが、
本当に取られた」
ただし一つ多くて、19。
桐光学園の野呂雅之監督とは、
私、何度か同じ会合に出たことがある。
私が小学生のジュニアソフトボールにかかわっていたころ、
優秀でやる気のある選手は、
卒業してから港北シニアに行った。
中学生の硬式チーム。
私が最後に監督を務めた時のエースで4番の選手は、
東海大相模高校に行った。
野呂監督は当時、桐光学園のコーチで、
港北シニアの会合にスカウトにやって来ていたのだ。
ユーモアのある太っ腹の男。
その野呂監督が探し出した逸材が松井。
ほんとうに楽しみだ。
世の中、いつもいつも、
楽しいことが降って湧いたように、
やってくる。
それでも、
「夏もピークを過ぎ、
人の優しさが沁みる季節である」
フリーアナウンサーの住吉美紀さんの言葉。
ほぼ毎日更新の『すみきちブログ』から。
その通り。
急に、味わいの深いコーヒーが飲みたくなったりする。
さて、毎日更新ブログついでに、
『佐藤勝人の一刀両断』。
「お盆期間中にお休みの
小売業や飲食業やサービス業が
結構目につくなー」
「その殆どは
中小チェーン及び
家業店及び生業店が多い」
「よく考えたら定休日で
年間52日も店を閉め
さらに年末正月に
ゴールデンウイークに
お盆と平気で店を閉めるから参っちゃう」
「それで売り上げが厳しいとか
お客が来ないとか言われてもねー
あなたのお店に行ったって
いつも閉まってんじゃねーのか?」
「その前に商売ならば
なぜ店を開ける仕組みを
考えないのか?」
「お盆休みぐらいちょっと
旨いご飯でも食べようと
嫁と外食に出かけても
休みかよバカヤロー」
「美味しいケーキでも
手土産にと思ったら
休みかよバカヤロー」
「商売の本質を
見誤っているんじゃないのか?
店はオーナーや店主のために
あるんじゃないよね?
『店は客のためにある』」
「世間の休みの時こそ繁忙期の業界が
なぜ閉まってんだ!!!!」
痛快にして真理。
桐光学院・松井裕樹並みに、
拍手。
さて日経新聞が力を込めて、
今週火曜日から一面で連載中。
「シニアが拓く」
「日本人の平均寿命は男性79.44歳、女性85.90歳。
65歳からの人生をざっと20年と見積もれば、
食事や睡眠を差し引いた自由時間は
およそ10万時間。
勤続40年の労働時間より多い自由な時間」
どう過ごさせるか、
どうマーケティングするか。
どうビジネスに結び付けるか。
それがこの連載の視点。
「安らかな最期を迎えるための準備の『終活』に、
シニアは精を出す」
「経済産業省の1月の調査では、
60歳以上のほぼ4割が葬儀の事前準備セミナーなど、
終活サービスの利用に興味を示した」
立教大学大学院の一昨年のある修了生の論文テーマは、
「エンディング・ビジネス」だった。
「終活」は「就活」のごろ合わせで、
ちょっと流行らせようとの意図もあるのかもしれないが、
「エンディング・ビジネス」もなかなかよろしい。
その65歳以上の人々、
「一人暮らしは11年で469万7000世帯。
夫婦のみも459万6000世帯」
「4人に1人が65歳以上――」
「700万人の団塊の世代が加わり、
シニアの存在感は一段と高まる」
「1500兆円とされる個人の金融資産。
その3分の2は60歳以上が保有する」
「世帯平均所得が538万円と、
23年ぶりの低水準」
そんななかで、
「現役世代は親からの資産継承なくして
将来への展望は見通せない」
「シニアの親と現役世代の子。
家計のつながりは強まる一方」
家計経済研究所の調査。
「親から経済的な支援を受けている既婚世帯は
全体の2割強」
「住宅購入の支援に限れば、
11年は7万3000人が
贈与税の非課税制度を利用」
第一生命経済研究所の調査。
「60歳以上の消費支出は
2011年で100兆円を超え、
日本の個人消費の45%を占めた」
総務省の家計調査。
「65~69歳の1世帯あたり消費支出は
6月まで12カ月連続で前年同月を上回る」
「6月の支出額は前年同月比4.6%増の27万2649円」
全世代平均の伸び率は1.5%」
インプレスR&Dの調査。
「60歳以上の男性の13.6%がすでにスマートフォンを使いこなす。
『購入を検討中』『将来的には購入する予定』との合計は41.0%。
最新機器に示す興味は旺盛」
結城義晴も、半月後にはこの仲間に入る。
今日の記事のなかで、
イオン村井正平専務執行役のコメントがある。
ちゃんと村井さんの年齢も、62歳と断ってある。
「年間のマーケティングスケジュールを
見直す必要がある」。
「今夏は帰省シーズンに合わせ、
ランドセルの品ぞろえを4割近く増やし、
全国のスーパーで展開した」
「従来、お盆は食品の品ぞろえを増やしてきた。
今は孫向けの買い物需要が大きい」。
「シニアの存在感が大きいのは、
レジャーやエンターテインメントといった『コト消費』」
「65~69歳世帯の6月の教養娯楽サービスへの支出」。
2万0761円。
消費支出に占める割合は8%。
全世代平均は6%」
日経のこの3日間の記事には、
こまごまと事例が紹介されている。
是非、読んでいただきたい。
私自身、9月から、
シニアと呼ばれる仲間に入るのかもしれないが、
私のちょっと上の年代が「団塊の世代」。
この世代を中心に、
ビジネスを組み立てねばならないことは、
確かだ。
故渥美俊一先生は、
標語をつくるというやり方はとらなかった。
データと情報と論理の人だった。
しかしその言わんとするところを結城義晴なりに標語にすると、
「人口動態のままにせよ」
渥美先生にはボルト並みに、脱帽。
<結城義晴>