丸井今井の民事再生とパチンコ・チェーンストアの蛻変
北海道の地方百貨店・丸井今井が、
民事再生法適用を申請。
ナンバー1のマーチャンダイジング力を持つ伊勢丹が、
2005年から支援するも、その効果は表れず。
負債総額500億円。
朝日新聞は「寒さ募る地方百貨店」
日経新聞は「地方百貨店、苦境深刻に」
かつて私が駆け出しのころ、
『ストアーズレポート』誌編集長だった椎名誠さんが、
愛をこめて、批判した。
「痴呆百貨店」と。
その『ストアーズレポート』、
このたび創刊50周年を迎えた。
風間晃編集長、おめでとうございます。
心から祝福し、激励のエールを贈ります。
一方、そごうと西武百貨店も、この夏、合併する。
中間持ち株会社ミレニアムリテイリングの子会社になっている。
そしてミレニアムリテイリングは、セブン&アイ・ホールディングスの傘下にある。
作家・安土敏さんは、もう20数年前から、看破していた。
「総合スーパーは大衆百貨店である」
スーパーマーケットではないし、ディスカウントストアでもない。
アメリカのシアーズやJCペニーは、
デパートメントストアと同列に考えられている。
イギリスのマークス&スペンサーも、
大衆的なデパートメントストアと認識されている。
だからイトーヨーカ堂とそごう、西武百貨店は、
長い目で見れば、やがて同じグループに位置づけられて、
再生されていくに違いない。
総合スーパーにも百貨店にも、
イノベーションが求められている。
蛻変の時期が、もう、とうに来ていた。
蛻変とは、蝉が、殻を破って、姿を変えること。
百貨店は、その社会的機能を、根本から見直さねばならない。
総合スーパーも、同様だ。
29日には、商業販売統計速報が発表された。
12月の売上高前年同月比は、商業全体で11.3%の激減。
商業は、産業分類上、小売業と卸売業を統合したもの。
12月の営業成績では、卸売業がマイナス13.9%。
小売業は、マイナス2.7%。
商業全体に、イノベーションが迫られていることは確かだが、
特に卸売業に、蛻変が迫られている。
さて、夕方から、東京駅近くの八重洲富士屋ホテル。
パチンコチェーンストア協会新年賀詞交換会・懇親会。
2年ほど前から「1円パチンコ」という新業態が開発された。
通常、1玉は4円だが、それを4分の1の1円にするという営業方式。
単純計算すると、売上高は4分の1になる。
粗利益高は6分の1になってしまう。
ところが客層は激変・拡大され、収益構造も様変わりする。
客数激増、「稼働」と呼ばれる機械効率が飛躍し、
赤字店が、次々に黒字化していった。
これはまさに、ニューフォーマットの開発。
商売の乗り物の転換であった。
そのおかげで、この協会加盟企業は増収増益が続出。
転換過程にある企業も、減収ながら、客数激増・増益を果たした。
まず、代表幹事の㈱ダイナム社長・佐藤公平さんのご挨拶。
増収増益に至ったイノベーションのご報告、
そして雇用創出や法人税での貢献など、
協会加盟企業の活躍ぶりを強調。
力強い挨拶だった。
ダイナム・グループからは、UIゼンセン同盟に、
パートタイマーを含めて1万5000人に及ぶ組合員が組織されている。
連合にも、大きく貢献していることになる。
来賓挨拶は、自民党から初代防衛大臣の衆議院議員・久間章生さん。
民主党からは元内閣総理大臣の羽田孜さん。
乾杯の音頭は、元自治大臣で参議院議員に返り咲いた民主党の石井一さん。
同協会経営アドバイザーで業界の重鎮・ダイナム会長の佐藤洋治さん。
パチンコホールの新しいフォーマットが、
消費者・生活者視点の大衆娯楽となっていることを、
熱く熱く、語った。
そして同じく協会経営アドバイザー結城義晴。
2005年に日本のGDPの中で、
サービス業が製造業を抜いて、いちばん大きな存在になった。
もう今や、サービス業の時代。
その社会貢献度と社会的地位には、いつの時代にも、
アンバランスなものがあった。
士農工商の商業にも、
外食産業にもサービス業にも。
この認識を、正しくしなければならない。
私の主張は、変わらない。
協会代表幹事を2度も務めたもう一人の重鎮、
㈱ニラク社長・谷口晶貴さんが、謝辞。
私は、最後までたった一人残った代議士・原田義昭さんと、
ツーショット。
原田さんは私の郷里・福岡の衆議院議員。
第5区選出で、厳密にはわが一族の選挙区ではないけれど。
そして、中締めはこの人、準会員代表㈱大商会長の国澤良幸さん。
百貨店にも、パチンコホールにも、
蛻変が求められている。
出版業にもマスコミにも。
日本の産業界全体に。
蝉が蛻変するが、蛇も蛻変する。
蛇は、その殻を脱ぐとき、涙を流すという話を聞いた。
嘘のような話。
この話自体は嘘でもよいが、
「涙を流して自らの殻を破る蛇」。
きっとうれし涙であるに違いない。
うれし涙を流して、「蛻変」する時が、迫っている。
<結城義晴>
[追伸]
追伸ですみません。
「林廣美の金曜日のこの一品」
これです。
今週末には、春を先取りしよう。
2 件のコメント
こんにちは(*^_^*)
先生のホームページでPCSAの賀詞交換会の内容を知れるって、何だか変ですね。盛り上がったようで何よりです。
今年、当社は勝負の年になりそうです。その勝負の舞台の末席に居られることに感謝しつつ、勝負には絶対に勝つように、微力ながら頑張ります。
アドバイスなど、よろしくお願い申し上げます。
ultraman1959さま、いつも感謝します。
正念場の年ですね。
さまざまな出来事に、前向きに立ち向かっていきましょう。
かならず、成就します。
私は、それを信じています。