成城石井・大久保恒夫社長の「店長ほど面白い仕事はない」
オリエンタルランドの3月期決算が、過去最高。
オリエンタルランドとは、東京ディズニーリゾートの運営会社。
東京ディズニーランドは、
ディズニーリゾートとしてアップスケールして、
さらに今年25周年を迎えた。
25周年のための営業強化をしていることもあるが、
この不況マインドの強い風の中で、
多くの顧客から支持を得ている。
日本マクドナルドも米国マクドナルドも、絶好調。
任天堂も過去最高益。
ここまでは日経新聞の一面記事にも載っているが、
パチンコホールのダイナムも過去最高益。
こちらは1円パチンコ営業の新業態を確立した。
商人舎今月の標語「最良のベーシック」の中身が、
サービス業で鮮明になっている。
ベーシックといっても、
従来の「必需のモノ」だけではない。
コモディティとイコールではない。
このあたりに、現在の経済不況と消費不振の突破口がある。
さて、昨日は、横浜市西区北幸2丁目。
そう、商人舎オフィスのある番地。
同じ町内の㈱成城石井本部を訪問。
大久保恒夫社長と対談。
第7回目になる「CDオーディオセミナー」の収録。
タイトルは、私の言葉を使って「知識商人対談」となっているが、
今回はまさしく「知識商人対談」となった。
大久保さんとは、もう20年以上の付き合いになる。
イトーヨーカ堂を退社し、
コンサルタント会社「リテイルサイエンス」を立ち上げられたばかりのころ。
編集長と執筆者としてお会いした。
大久保さんは、イトーヨーカ堂グループの「業務改革」のスタッフとして、
第一級の能力を発揮し、そのエッセンスを体いっぱいに吸収した。
その上に、新しい経験を積んで、
自分の能力を最大限に発揮させるべく、
独立したばかりであった。
その後、コンサルタントとして、
ユニクロを展開するファーストリテイリング、
無印良品の商品計画などの仕事で成果をあげ、
次に社長になった。
子供のころから「社長になろう」と決めていた。
九州のドラッグイレブンの社長。
そして2年前、スーパーマーケット成城石井の社長。
着実に、自分の道を歩んできた。
対談は、その大久保さんのキャリアを、二人で辿って、
その時点、その時点に、大久保さんが経験したこと、学んだことを、
検証させていただくというストーリーで進んだ。
実に面白く、エキサイティングで、ためになる物語。
大久保さんは、イトーヨーカ堂で、
いちばん大切なことを学んだ。
「現場を大切にすること。
お客様志向であること」
この二つ。
イトーヨーカ堂グループの「業革」に貫かれていたことは、
この二つの考え方。
創業者の伊藤雅俊さんにも、
セブン-イレブンを実質的に創業して、
リーダーシップをとり続けている鈴木敏文さんにも、
この二点に関しては、まったくの一貫性がある。
その後、大久保さんはユニクロ柳井正さんに出会い、
「スピードと徹底」を学びとる。
柳井さんの即断即決の意思決定、
そして決定したことは実行する徹底ぶり、
その上、失敗を恐れない姿勢。
これが大久保さんの第二の思想となる。
その後、単身、200店500億円のドラッグストアの社長となって赴任し、
再建に成功。
そして乞われて成城石井の社長となった。
今年も成城石井は過去最高売上げ最高利益を出す。
大久保さんなりのユニークでオーソドックスな経営が随所に展開され、
社員が自信を持ち、沸き立っている。
例えば、コミュニケーション。
小売業は、本部の決めたことを100%、店舗で実行すれば、
たいていうまくいく。
しかし、本部の決定の40%しか店舗では実行されない。
だからうまくいかない。
「何をするか」よりも「いかに実行するか」
こちらが大切。
だからコミュニケーションが必要。
大久保さんは、このコミュニケーションこそ、
マネジメントの本質であるという。
成城石井に来て、すぐに、
「挨拶」の徹底をした。
そうしたら、苦情が驚くほど減った。
「お褒め」の数は1.5倍になった。
数値化して、苦情やお褒めが把握できるようになっている。
社内では「128を売り込め」と呼んでいる最新の運動。
1万5000品目の中の重要な128品目が6.5%の構成比だったが、
現場とのコミュニケーションの下で、
全社で売り込んだらすぐに10%を超えた。
値段を下げないで、売り切る。
これができる。
それが成城石井らしさであり、
商売の基本だ。
いま、人材教育に全力を挙げている。
子供のころから社長になろうと決めていた大久保さん、
「いま、なりたいものは?」という質問に、
「店長です」と即答。
「小売業の店長ほど面白いものはない。
一度、やってみたいのです」
現場主義と顧客志向の実践は、店長によってなされる。
大久保さんの発言は、ご自身の原点に戻っていた。
私は、日本の小売業に、
「本物の専門経営者」が誕生したと感じた。
それがとてもうれしかった。
「専門経営者」は、「オーナー経営者」と対比的に位置づけられる。
サミットの荒井伸也さん。
カスミの小濵裕正さん、エトセトラ。
そして成城石井の大久保恒夫さん。
大久保さんは、荒井さん、小濵さんの世代とは異なる、
私の世代。
だから私は、無性にうれしくなったのにちがいない。
<結城義晴>
[金曜日の追伸]
金曜日恒例「林廣美の金曜日のこの一品]
今日は、これです。
週末、売り込み、よろしく。
4 件のコメント
こんにちは(*^_^*)
残念ながら、本部の言うことを店舗は聴かないのが当社の特徴です。
その中で、本部のいうことを100%やれば何とかなる、という大久保さんのご意見は至言です。小生の部門を通じて、本部と店舗とのコミュニケーションが上手くいくように全力を尽くしたいと思います。
それに「何をするか」よりも、「いかに実行するか」と言う言葉、胸に響きました。ありがとうございます。
ultraman1959さま、ご投稿感謝。
そのとおりです。
本部の事業設計に応じて店舗がパフォーマンスすれば、
うまくいきます。
設計の善し悪しよりも、そのとおりにやったかどうかが、
とても大切なのです。
しかし本部と店舗が対等の関係であることは、
忘れてはいけません。
役割が違うのです。
ここのところ、よろしく。
9月13日の番組見ました
とってもがっかりでした
特に愛媛 私は隣の県ですが、
子供の頃お米と砂糖を持って農協に行ったことがあります
松山のは不味いです
固めてあること事態がおかしいです
自然に固まっているのを探すのが楽しみでした
はじめから固めているのはポン菓子ではありません
都会育ちの人にはわからないのでしょうかね
石川さん、ありがとうございます。
今度、言っておきます。