結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年04月10日(金曜日)

「変えられるものを変えていく勇気と、変えられないものを受け入れる心の静けさと、それらを見分ける英知を、お与え下さい」

消費者庁が、2009年内に発足しそうだ。  
「消費者庁設置関連法案」が、来週中に衆議院を通過する見通しが立ったため。
自民党の案に対して対案を提出していた民主党が、歩み寄ったから。
「消費者行政の一元化を目指す」といううたい文句は前向きだが、
本当に「消費者」「生活者」のための行政の実行を願いたい。

消費者を盾にした「行政のための行政」では、
それこそ内需の発掘や拡大に結びつかない。

商業・サービス業の世界からも、
この点に対しては、厳しく声を上げなければならない。

もう一つのニュース。
セブン&アイ・ホールディングスの連結決算が発表された。
全体の営業収益、すなわち売上高は、2%の前年対比のマイナス。
総額5兆6499億円。
凄いものです。
経常利益は2793億円のマイナス0.4%。
だから減収減益。
厳しい状況が、セブン&アイ・ホールディングスの決算に反映された。

しかし、この実績、マルチフォーマットの集計額
コンビニのセブン-イレブン、
総合スーパー(欧米ではハイパーマーケットという分類)のイトーヨーカドー、
スーパーマーケットのヨークベニマルとヨークマート、
百貨店のミレニアムリテイリング(西武百貨店とそごう)、
ファミリーレストランのデニーズ、
その他、専門店やセブン銀行などなど。
同社はハイパーマーケットとスーパーマーケットを一緒にして、
スーパーストアと区分している。

このうち、コンビニとスーパーマーケットは好調組、
総合スーパーと百貨店、フードサービスが不調組。

結果としてその集計が減収減益。
しかしセブン&アイ・ホールディングスだから、
微減収微減益にとどめることができた。

一方、ユニクロのファーストリテイリングは、
中間期決算が過去最高の増収増益。
セブン&アイの総合スーパーや百貨店の衣料品が、ユニクロに奪われた。

そんな印象さえ受ける同時期決算発表だった。

柳井正会長兼社長の目は、世界を見ている。
こちらは服飾に絞り込んだマルチフォーマット戦略の企業で、
だからシナジー効果が大きい。

さて、昨日は、朝から1日中、東京・池袋の立教大学キャンパス。
8号館
8号館で、2009年度新任教員オリエンテーション。

10時から、昼食をはさんで、夕方の4時まで。
立教大学のポリシーから、大学施設の使い方、
Vキャンパスというインターネット・システムの解説など、
次々にスケジュールが組まれている。

まあ、新しい会社に入って、そのガイダンスを受けるようなもの。

そして、新しい私の研究室。
蔦の絡まる赤レンガ造りの3号館。
3goukan

2階建ての瀟洒な建物が、私たちの研究室館。
iriguti

入口を入ると、掲示ボードがあって、
在不在のランプが点滅している。
boad

私は、3209号室。
name
3人に、ひと部屋が与えられている。

2階へ上る階段の窓から、外の桜が見える。
step

2階通路は、この時期、この時間、静か。
tuuro

そしてドア。
door

「ビジネスデザイン研究科研究室4」で、
笠原英一先生、元治恵子先生と同室。
kenkyusitu
3人の勉強机が並んだ個人学習室のようなもの。
しかし、だから集中できる。

よろしくお願いします。

私のデスクの左側に、窓がある。
ここからも春の風景が見える。
window

午後4時から、原稿書きなどしていると、
夕方の5時15分。

歓迎礼拝が開催される。
立教学院諸聖徒礼拝堂。
reihaidou

入口から見る礼拝堂。
reihaidou2

新任教職員歓迎礼拝。
立教は東京六大学に属するが、キリスト教を基本にすえる。
だからすべての行事がキリスト教に則って行われる。
kanngei

礼拝堂の中にはおごそかな空気が流れる。
reihai

私はキリスト教徒ではないが、
中学高校と横浜のミッション系の学校に通った。
だから全く違和感はない。

礼拝のための小冊子。
song
このなかに、良い言葉があった。
「神よ、変えられるものを変えていく勇気と、
変えられないものを受け入れる心の静けさと、
それらを見分ける英知を、お与え下さい」  
  

「勇気と心の静けさと英知」

「知識商人」に必要な三つのことでもある。

そして137名の新任教職員全員に大橋英五総長から、「聖書」が手渡しされた。
「よくいらっしゃいました」
大橋さんは、小さな声で、私にそう言った。
bible

礼拝の後、6時から第一食堂で懇親会。
dai1

糸魚川順理事長、大橋総長のお話のあと、
神に感謝する食前の祈りをしてから、乾杯。
party

糸魚川理事長の話で面白かったこと。  
最近、ハーバード大学のMBAの責任者と食事したそうだが、
その時に、日本の学生の二つの変化の話が出た。
一つは、日本人の学生で、数学で落第点をとって、帰国した者がいた。
こんなことは、今までなかった。
二つは、MBAの日本人学生が今年度は、8人に減ったということ。
かつてはどんな不況のときでも、30~40人の日本人が企業や行政から派遣されていた。
しかし現在は激減し、しかもこの8人は、皆、自費留学で、
全員女性である。

日本も変わろうとしている。
そしてハーバードの8人に限らず、
女性の時代がやってこようとしている。

私たちは、変化を受け入れなくてはならない。

「商売の神よ、変えられるものを変えていく勇気と、
変えられないものを受け入れる心の静けさと、
それらを見分ける英知を、お与え下さい」  

<結城義晴>  


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