マスターズとコンビニとマクドナルドの原点回帰
ゴルフ「マスターズ」。
ジョージア州オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ。
アルゼンチンのアルヘン・カブレラがプレーオフで逆転優勝。
残念ながら破れたケニー・ペリーに親近感を抱いたおじさんは多かった。
48歳のメタボリック症候群ゴルファー。
だからこそ史上最年長優勝が見たかった。
最後の、2ホール、手が動かなかった。
もともとスウィングが変則的で、完成されていない。
それを努力で補った。
しかしこの緊張の極点では、
スウィングの欠点が出た。
その結果、最後は引っかけボールばかりで、
コントロール不能となり、
敗れ去った。
私も気持ちは、よく分かる。
それがケニー・ペリーの人間らしさ。
これも、よし。
日本からは片山晋吾が、大健闘。
新聞報道では171センチの身長とあるが、
160センチ台に違いない。
宮崎の日南フェニックスカントリークラブに、
銅版の手形が陳列されている。
名プレーヤーたちの手形。
タイガー・ウッズの手形は大きくて、伸びやか。
それに対して片山の手形は小さくて、優しそう。
上から合わせてみると、私の手が、ちょうど収まる。
そんな体、そんな手で、素晴らしいプレーを披露してくれた。
カブレラも、ペリーも、片山も、
みな、自分のできることをやった。
だから、観る者を感動させた。
“It’s the abilities, not the disabilities, that count.”
ピーター・ドラッカーの言葉。
「重要なのは、
あなたにできることである。
できないことではない」
自分にできないことは、できない。
自分にできることに、集中する。
だから彼らは、オーガスタの最終日までやってきた。
さて、日本の商業。
コンビニの決算が出そろった。
「コンビニ、成長鈍化。
タスポ効果一巡」
これは日本経済新聞。
しかしこれは、今期のこと。
来年初めまでの予測を言っている。
前期、すなわち2009年2月期決算は、
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートともに、
過去最高益。
本部売上高はセブン-イレブン5407億円、営業利益1780億円。
ローソン売上高3494億円、営業利益491億円。
ファミリーマート売上高2873億円、営業利益365億円。
サークルKサンクス売上高2133億円、営業利益230億円。
今年は、コンビニも厳しい。
コンビニは、いまや日本の小売業第一の存在。
一番手企業がセブン-イレブンだから、こう言ってもいいだろう。
しかもコンビニの業績に日本の街角景気が、見事に反映されている。
2008年度は、タバコ神風景気。
その意味では日本の消費にも、やや偏りがあった。
すべての商業・サービス業が、
今一度、自分の価値を見直す時だ。
昨日のこのブログに「いまちゃん」からの書き込みがあった。
TV番組での日本マクドナルド社長の原田泳幸氏の発言を
紹介してくれた。
「業績V字回復」の秘密に答えたもの。
①小売業の原点(原則)に戻り、QSCに注力した。
Q=品質
(レシピを見直しただけでは無く、商品の作り置きやめ、
注文を受けてから商品を調理する)
S=サービスの見直し
C=クリーンネス
(掃除の徹底、床・窓ピカピカに!)
(以前ペガサスクラブ代表の渥美俊一氏は、
コンサルタント先の食品小売業の売り上げが落ちた時、
真っ先に実践させたのが、道路側の窓拭きだった)
②選択と集中
●お手ごろ価格のハンバーグの安売だけではない。
●クオーターバーガーに代表される、高価格帯商品の売り込み。
③原点回帰(自分を見失うな!)
マクドナルドらしさの追求!
マクドナルドはかつての日本人が憧れた米国文化の代表。
決して日本らしくあってはならない。
100年に一度の大不況こそ「基本に戻れ!!」と思いました。
いまちゃんに心から感謝。
フードサービスでは、三大原則。QSC。
コンビニでは、4大原則。
①品揃え(欠品しない)
②鮮度
③フレンドリーサービス
④クレンリネス
それに、自分らしさ。
すなわち「差異が価値を生む」
コンビニも、他の小売業も、サービス業も、
「原点回帰して、基本に戻れ!」
カブレラも、ペニーも、片山も、
来年のマスターズを目指して、
「原点回帰する」
私も。
<結城義晴>