ジジの猫の手[日曜版]
「春眠暁を覚えず」
「シュンミン アカツキヲ オボエズ」
こう、よむそうです。
ボクは、ねていました。
キモチよく。
ジュータンのうえ。
ゴミかごをころがして。
右手をだして。
「猫の手も借りたい」
「ネコのテ」と、いうそうです。
そうしたら、
ユウキヨシハルのおとうさんが、
おきだしてきて、
でかけるみたい。
日曜日なのに。
ぼくは、あくび。
こわいカオでしょ?
ボクのナカマは、
トラやライオン。
おとうさんがおきたので、
しかたがないから、
ボクもおきた。
「猫の手も借りたいくらい忙しい」
おとうさん、そういった。
でも、ボクは、
ボーッとしています。
おとうさん、シゴトにいった。
そとはツツジが、
マンカイ。
おとうさんのカイシャ。
このビルの2階です。
商人舎。
そして、「ロヂャース28号」
サム君のあとでやってきた。
PB自転車。
おとうさんは、日曜日なので、
シゴトのあいまに、
のるみたいです。
ボクの手もかりたいって、いってたのに、
ほんとうはロヂャース28号にのりにいったのかな?
「ほんとにジジの手も借りたいくらいなんだよ」
おとうさん、そういってますが。
ボクは、また眠たくなった。
こんどは、左手をだしてねる。
右手は、おとうさんに、
かしたつもり。
「おやすみなさい」
<『ジジの気分』(未刊)より>