12月標語「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」と日経「総合企業順位」
今日から師走。
「師」が「走」る月。
関東地方でも、
宇都宮や水戸で初雪。
私は朝から、
土曜日の立教大学へ。
一日中、結城ゼミの修士論文と調査研究レポートの指導。
珍しくカメラを忘れたので、
携帯電話で撮った写真だが、
銀杏の葉が輝いていた。
それが午後には、
こんな色合いに変わる。
日が陰るだけで、輝きは失せる。
銀杏自身は変わらないのに。
12月です。
その2012年12月の商人舎標語。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」
今年12月商戦の基本政策は、
「客数主義」。
私は、今年の12月は特に、
「売上げ至上主義」が危険だと考える。
「過去最高の売上高」などもってのほか。
売上げは後からついてくるもの。
それよりも、客数。
「客数、客数、客数」の「客数主義」。
自分の顧客の支持を、最大化する。
それが2012年12月商戦。
唯一最大の指標を、
レジを通過する「客数」におく。
もちろん満足してもらったうえでの客数。
そのために「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。
早め早めにお知らせして「早仕掛け」。
お知らせが周知されたら「早仕舞い」。
そうしておいても、
客数は確保できるかもしれないが、
「売上金額」は上がらない。
商人は「金の亡者」になってはいけない。
特に今年の12月は。
では「利益至上主義」でいいか。
それもうまくはない。
在庫を圧縮する。
そうすると顧客が満足する売場は維持できない。
顧客はこの店、この企業が、
自分だけ「利益」を出して、
逃げ切ろうとしていることを知っている。
この12月の1カ月は、
その店、どの企業が一番、
自分のことを考えてくれているかを、
顧客が判断するとき。
意識的に、潜在意識として、無意識に。
それは真ん中の日曜日・16日に、
衆議院総選挙が行われるからでもある。
勝利する政党を見るがいい。
「俺がオレが」「我々が」ではなく、
広く国民のため、未来のために発言する政党が、
「俺がオレが」「我々が」の政党を押さえて、
勝ち残るに違いない。
そんな賢い消費者たちに、
「早仕掛け」で徹底的に情報提供する。
それがこの1カ月の「客数主義」につながる。
冷酷な言い方だが、
私はもう、
勝負は決まっていると思う。
今年1年の商売、
11月23日からの「勤労感謝の日」からの3連休で、
顧客は店の判定を済ませている。
今日、明日の12月1日、2日を見るがいい。
例えば、11月23日「勤労感謝の日」に、
創業感謝祭を打って、
早朝6時から営業開始したユニクロには、
今日、顧客が群がっている。
もう、勝負は決まっている。
じたばたしても仕方がない。
それでも、少しでも、より良くするために、
「早仕掛け」で顧客の夢を膨らませ、
顧客を楽しませる。
小売りサービス業側の早仕掛けならば、
顧客の懐は痛まない。、
そして「早仕舞い」。
これは無駄な在庫を抱えないという方策。
しかし在庫が少なければ、
顧客は喜ばない。
だからメリハリをつけて、
「早仕掛け・早仕舞い」。
最後に「際の勝負」。
今回は、12月22日(土)、23日(日)、
24日(月)天皇誕生日振替休日に、
最初の際が来る。
つぎは、12月29日(土)と30日(日)。
最後の最後の31日(月)。
22日、23日、24日、
29日、30日、31日。
この6日間がこの12月商戦の「際の勝負」。
顧客それぞれは、
22日、23日、24日のいずれか1日だけに「際」をもってくる。
29日、30日、31日のいずれか1日だけに「際」をもってくる。
一人ひとりの顧客の「際」は、
2日間、2回しかないということ。
その時に訪れてくれる総客数を最大化させる。
それが今月の仕事。
注意点は、自分だけ、
売上高と利益を追求しないこと。
いつもそうだが、今年こそ、
「世のため人のため」を強く打ち出すこと。
そのために、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。
そこんとこ、よろしく。
もちろんひとつ大事なこと。
12月16日の衆議院選「投票日」。
ここまでと、そのあととでは、
消費傾向は、ガラリと変わる。
つまり、売れるものが変わってくるということ。
さて昨日の日経新聞。
総合企業ランキング「NICES」の2012年度版を発表。
タイトルは、
「働きやすさや成長性、
1位ドコモ・2位セブン&アイ」。
「業績に加え、
働きやすさや社会貢献、成長性など幅広い観点から
上場企業を評価するシステム」
5つの観点からの企業評価。
第1は配当、株式時価総額の増減など「投資家」からの観点、
第2は認知度など「消費者・取引先」からの観点、
第3は多様な人材の活用など「従業員」からの観点、
第4は環境対策など「社会」からの観点、
第5は成長性を測る「潜在力」からの観点。
これら5項目で指標をつくり、
それを合計して総合順位を決める。
1位 NTTドコモ
2位 セブン&アイ・ホールディングス
3位 コマツ
4位 武田薬品工業
5位 キヤノン
6位 東レ
7位 花王
8位 ユニ・チャーム NTT
10位 ダイキン工業
ドコモは2年連続1位。
認知度が高く「消費者・取引先」で高得点、
外国人の採用や定年退職者の継続雇用にも積極的で、
「従業員」でも上位。
第2位にセブン&アイが入った。
「セブン&アイはプライベートブランド拡充して客層を広げ、
コンビニの成長モデルを新たな段階に引き上げた」。
11位以下は、小売りサービス業からピックアップ。
23位 ファーストリテイリング
27位 ローソン
30位 イオン
41位 ニトリホールディングス
73位 ファミリーマート
86位 ヤマダ電機
コングロマリットのセブン&アイとイオン、
それ以外はコンビニ。
セブン&アイも「投資家」からの視点では、
コンビニのセブン-イレブンが牽引する持株会社。
そして専門店チェーン。
ユニクロ、ニトリ、ヤマダ。
フードサービス業は、
87位 日本マクドナルドホールディングス
この日経新聞のNICES。
とても貴重な企画だが、
米国『FORTUNE』の「働きがいのある企業ランキング」とは違う。
上場企業だけのランキングであること。、
そして収益性など株価に反映される項目が第1にあること。
ちなみにこのランキングで、
「従業員」の観点からのランキングだけ取り出すと、
第1位 資生堂
第2位 東レ
第3位 東京急行電鉄
第4位 NTTドコモ
第5位 コマツ
第6位 ダイキン工業、東芝
第8位 NTT、日産自動車
第10位 イオン
イオンが10位に入ってくる。
年末商戦においても、
「従業員」からの視点を失ってはならない。
こういった時にこそ、
企業の姿勢は表れる。
年末商戦にこそ、
「顧客満足と従業員満足」は、
貫かれなければならない。
<結城義晴>