三井物産米国トップセミナー同窓会と流通セミナー・野中郁次郎講義
新聞各紙、こぞって、
第18代目中村勘三郎の早世を悼んだ。
それだけでもう十二分に、
追悼の意は評されただろうが、
それでも、惜しい。
合掌。
さて日経新聞電子版に、
「コンビニ伸長が映し出す『大無党派層』誕生」
日経新聞編集委員の中村直文さんの記事。
「衆院が解散された直後の11月下旬、
コンビニエンスストア大手のファミリーマート本部に、
店舗オーナーから電話があった」
店頭に選挙ポスターを張らせてほしい、
候補者からの要請。
しかし本部側は、
「我々は政治に中立です。
お客様から特定の候補者や政党に
肩入れしているととられてしまうので、
おすすめはできません」
当然のことだ。
政治と宗教には中立、関与しない。
それが商売の鉄則。
「実際、国内のコンビニで、
候補者のポスターが張られるケースはこれまでない」
「コンビニ数は今年10月、
初めて5万店を突破した。
年間の来店客数となると140億人を超えた」
「それほど国民になじんだ施設ながら、
政治の臭いはない」
店は公器だ。
だからこそ、
特定の政党や特定の政治家に、
偏らない。
「政治的に中立と言うより、
政治にかかわらないコンビニは消費生活の中心で、
拡大する単身世帯の受け皿になっている」
それが無党派層に重なる、と、
中村さんは言う。
「特定の政党を支持しない無党派層は、
冷戦下の『5年体制」』崩れた90年代の前半から、
次第に選挙結果を左右する存在として注目されてきた」
「コンビニの店舗数もその頃から倍増し、
少子高齢化が進んできた過去10年でも
1万店ほど増えている」
「16日投開票の衆院選に
12党もの政党が候補を擁立したのも、
コンビニ的社会構造が
全国から地方にまで広がったことと符合する」
「大無党派層の誕生とコンビニの伸長は、
政治を映す鏡でもある」
編集委員・中村直文さんの観察。
なかなかに面白い。
店は政治と関係しないが、
そこで働く人たちは、
有権者の責任と義務を果たさねばならない。
選挙に行こう!
投票しよう!
私は特定の政党や政治家をお勧めしはしない。
しかし選挙という行為は強くお勧めしたい。
期日前投票は、
明日でも明後日でも可能だ。
国民として選挙結果に責任を持つためにも、
傍観者でいてはいけない。
無党派層はいいが、
棄権はいけない。
選挙に行こう!
投票しよう!
今日午後は、大手町にある三井物産㈱本社。
前半は、米国視察トップセミナーの同窓会。
後半は、三井物産流通セミナーと懇親会。
米国視察トップセミナーの同窓会は
本店12階にある会議室IT-12号室。
エレベーターで12階に上がると、告知の張り紙。
なぜなら広いワンフロアに会議室がずらっと並んでいる。
廊下には、同窓会会場の告知。
会場前には、立派な告知ボード。
三井物産トップセミナーには、
今夏8月23日から1週間、
経営トップ35名が参加した。
ダラス・ニューヨークを巡っての視察。
そのメンバーが4カ月ぶりに集まって、
懇親をしようというのが今回の趣旨。
進行は、食品流通部事業推進室の島方正弘さん。
はじめにアメリカツアーにも同行した
食品流通部長の中山裕之さんがあいさつ。
そして、コーディネーターを務めた私が
挨拶を兼ねて研修総括として、
40分ほど講義した。
8月以降、11月までに、
私は都合4回アメリカを訪れている。
その4回の視察で感じたアメリカ小売業の変化を、
整理し、報告した。
視察当時の写真を紹介しながら
記憶をたどってもらい、解説する。
するとみんなの理解が進む。
さらにアメリカ市場の変化、
小売業のマーケティング戦略の潮流、
日本の市場で取り組むべきことを私なりに提示。
短時間ではあったが、ご清聴を、感謝したい。
前半のまとめは加工食品営業部長の堀田安紀さん。
そして、後半の流通セミナー会場へ。
場所は、地下の多目的ホール。
三井物産食品メーカー会定例のセミナー。
取引先メーカーの経営幹部が300名を超えて集まった。
さらに小売業の経営トップも参加。
セミナーに先立ち、
食品メーカー会会長の小畑一雄さんがあいさつ。
東洋水産㈱社長。
「被災地の東北をまわったが、
いまだ復旧・復興のスタートについたばかり。
しかし地元には気力、勇気がみなぎっている。
12月は食品業界にとって大切な時期。
中長期の方向を見失わず、
着実に命題をクリアーしていくことが大切」
そして、野中郁次郎先生のセミナー。
一橋大学名誉教授。
テーマは「日本企業にいま大切なこと」
まったく偶然のことながら、
日経新聞最終面の『交遊抄』で、
富国生命保険社長の米山好映さんが、
「暗黙知の師」と題して野中先生のことを書いた。
「会ってみたいとの思いが成就したのは1990年ごろ、
経済同友会の会合でだった。
以来、約20年にわたり先生の研究会に参加している」
野中先生の言葉。
「大ぼらを吹かないと人間は駄目だよな」
「すぐ使えるハウツーのような知識はあまり役立たない」
『交遊抄』そのままに、
野中先生の講演が始まり、約1時間半、
持続可能なイノベーション企業に必要なリーダーシップと、
その組織の在り方が提示された。
理想主義・演繹法のプラトンと
実践主義・帰納法のアリストテレス。
今どちらの哲学が大事なのか。
共感・共振・共鳴の経営、
共感・共振・共鳴の顧客との関係づくりの重要性。
暗黙知を形式知として形にし、
さらに実践知にする。
そのための考え方。
The Wise Leaderの必要性。
その能力とは何か。
ドラッカー、シュンペーターから、
ポーター、ハイエクまで、
それぞれの思想をきっぱりと位置づけ、
脳にとって刺激的なセミナーだった。
「究極の価値は勇気によって創り出される」
「身体化された心」
「Mind & Body」
「Thinker と Doer」
そして「知的体育会系」
野中先生の結語はすべて、
「オクシモロン」(撞着語法)だった。
そして場所を移しての懇親会。
ここからは懇親の写真を紹介しよう。
メーカー会会長・東洋水産社長の小畑一雄さん。
右は、常務取締役の今村将也さん、即席麺本部長。
この時期に「マルちゃん正麺」が絶好調。
マーケティングの面白さについて語りあった。
㈱コノミヤ社長の芋縄隆史さん。
㈱阪食からは常務の松元努さんが参加。
芋縄さんと松元さん、大阪組の二人は、
そのあと、連れ立って会場を後にした。
㈱セルバ社長の桑原孝正さん。
㈱京急ストア常務の上野裕さん。
コーネル・ジャパン「伝説の1期生」。
そのコーネル・ジャパン第1期に、
事務局長を務めた大高愛一郎さん。
現在、三井物産勤務。
そして流通セミナーの司会も務めた中山裕之さんと、
食糧本部穀物物流部長の松本裕之さん(右)。
お世話になった三井物産のみなさんと記念写真。
左から、三井食品執行役の稲田雄司さん(コーネル・ジャパン2期生)、
三井物産九州食料部食品室長の和田幸成さん、
「ルミエール」の三角商事㈱社長の三角勝信さん、
物産食品流通部長の中山裕之さん、
同大阪支社の小林将人さん(コーネル・ジャパン3期生)。
最後は堀田安紀さん。
堀田さんは懇親会の司会まで担当し、大活躍。
お疲れ様でした。
しかし野中郁次郎の「オクシモロン」、
頭に残った。
〈結城義晴〉