「成長の主因は破綻の主因となる」GMの教訓
1908年9月16日に創業され、
2009年6月1日に連邦破産法申請。
ゼネラルモーターズ。
国有化されてしまう。
もともとは、ウイリアム・C・デュラントというやり手がつくった持株会社。
デュポン社のピエール・S・デュポン社長が、背後にいた。
ミシガン州フリントを本拠地とする。
シボレーやキャデラックが代表車。
ビュイック、オールズモビル、キャディラック、エルモア、
さらにオークランド(ポンティアック)、シボレーなどを、
次々に買収して成長。
その後、有名なアルフレッド・スローンによって、
経営基盤が確立され、世界最大の自動車会社となった。
ポリシーは「どんな予算でも、どんな目的でも」。
シボレーを大衆車、キャデラックを最高級車に位置づけ、
その間に、複数のブランドを有する戦略が、
世界の自動車製造企業のモデルとなった。
そのゼネラルモーターズ。
破綻の最大の理由は、「大企業病」。
すなわち「変化への対応」を、組織全体で拒否したこと。
成長の主因は、
必ず、破綻の主因となる。
買収による成長は、
その買収による弱点によって、
破綻を招く。
重い教訓だ。
これでとうとう20世紀の終わりか、という感慨もある。
さて、日本では昨日から、ジャスコ、イトーヨーカ堂などで、
薬品の値下げ販売が、相次いだ。
1割から2割程度のディスカウントに、
「薬の価格破壊」の表現も飛び出した。
十分に予想されたこと。
いや、当たり前の現象。
薬品の販売構造が変わる。
酒に起こった現象と同様のことが起こる。
ただし、大衆薬、OTCにおいて。
処方箋薬は、ノンコモディティ。
ここが、酒類とは全く違う。
そのことを忘れてはならない。
昨日は、午後から、東京・汐留の電通へ。
電通の受付。
社員向けの講義。
テーマは「米国チェーンストアの最新事情」
95分間、写真を見てもらいながら、
米国小売業の四半世紀の動向と、
今日の構造を語った。
ウォルマートの本質と、
ニッチ企業のホールフーズ、ウェグマンズ、トレーダージョーズ。
背景として、シアーズ・ローバックやKマートの破綻も語った。
奢れる者は久しからず。
1時間半で、アメリカの商業を語りつくすことは難しい。
広告代理業としての電通の社員に必要な要素を、ピックアップして講義した。
100人ほど集まって、熱心に聴いてくれた。
望月裕さんと近藤聡也さんに感謝。
お二人ともストラテジック・プランニング局ブランド・コンサルティング室市場開発部。
望月さんが、市場開発部の部長。
気分よく電通を後にした。
しかし、ゼネラルモーターズの破綻。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
今月の商人舎標語は、重い。
<結城義晴>