株価1万668円、1ドル88円だが小売業ポジショニングが経済を潤す
新年早々、完徹してしまった。
完全徹夜。
でもちょっと気分は高揚していて、
悪くはない。
立教大学大学院・結城ゼミ生の卒業修士論文を、
読んで、手直しして、考察して。
結構、楽しい時間。
1人が4万字から6万字書く。
昔流に400字詰め原稿用紙にすると、
100枚から150枚。
いずれも1年間の研究成果が結集された力作。
一行一字たりともおろそかにはできない。
丁寧に丹念に、読む。
読んでいると、白々と明けてきて、
朝日が昇ってくる。
それがとてもいい。
私はこういったことに強いのです。
めったに病気はしません。
机の脇にジジが寝ていたりする。
それもまた、いい。
かくして今年の結城ゼミ、
素晴らしい成果をあげられそう。
しかしもう一息。
詰めが残っている。
一緒に頑張ろう。
今年から助っ人が一人増えて、
3人がかりで、校正態勢を取っている。
これもいいですね。
私は論旨だけ気にかけていればいい。
力強い味方が加わって、
商人舎も結城ゼミも、
今年は、一層充実しそうだ。
ありがたい。
今日も一日、優しく、強く。
今年の商人舎標語。
さて今日の「大発会」。
東京株式市場で日経平均株価。
1万0688円11銭。
昨年大納会比2.82%で、
292円93銭高。
3%かぁ。
今年1年、小売りサービス業も、
これが目標になるかもしれない。
大阪証券取引所ナイト・セッションでは、
1万0810円。
東京外国為替市場では、
16時40分過ぎに1ドル88円08銭。
2010年7月28日以来、2年5カ月ぶり。
株式の世界では「辰巳天井」というそうだ。
辰年巳年は相場高騰。
1989年の巳年は史上最高値の3万8915円、
2000年の辰年は平均株価2万円を回復。
今年の巳年、いかがなることやら。
しかし株価や為替よりも大事な指標は、
リンゴ1個、Tシャツ1枚の売れ行き。
先進国はいずれも、
コモディティ化現象が進んで、
それが経済の停滞につながる。
食べることでは「飽食」、
着るものは「箪笥在庫」、
住まうニーズはまだ足りないが高額。
消耗品で、ボリュームを担う商材の売れ行きが、
国の経済のもととなる。
あなたの店の売上げが上がるとしよう、
それはあなたの会社が潤うことにつながる。
しかしあなたの商品を提供してくれるメーカー、問屋も、
あなたの店が売れることで潤う。
販促会社も、
什器やレジ、システムを提供してくれる会社も、
あなたの店のリンゴやTシャツが売れることで、
潤う。
結果として、経済が回ることになる。
いま、それが大事な構造となる。
さて国際ショッピングセンター協会の発表。
アメリカ主要小売業の昨年12月既存店売上高。
前年同月比4.5%増。
まったく偶然だが、
日本のユニクロの既存店12月売上高は、
4.5%増。
来店客数7.2%増、
客単価2.5%減。
米国主要チェーンストアは、
まずコストコが9.0%プラス。
海外店10%増、米国内店8%増。
絶好調。
次は百貨店のノードストロームで8.6%増。
百貨店はメーシーズが4.1%増。
クリスマス商戦で全店24時間営業を敢行。
それでも平均以下。
ジュニアデパートのコールズは3.4%増。
オフプライスストアのTJXは6.0%増。
しかしウォルマートと同業態のターゲットは、横ばい。
ディスカウント企業がいいわけでもない。
ユニクロと同業のギャップはトータルで5.0%増。
ギャップのなかのバナー別にみると、
バナナリパブリック1%増加、
北米GAP2%増、
しかしオールドネイビー13%増。
オールドネイビーはユニクロにおけるg.u.。
ディスカウント業態がすべて良くて、
百貨店などがすべて悪い。
いや、人々がみな、
高級高額品小売業やラグジュアリーブランドにあこがれ、
低価格品商売はダメ。
こんな先入観は、
もう有効ではない。
ディスカウントならば、
他社がマネのできないディスカウント。
高級品販売や百貨店業態ならば、
やはり他社にできない消費とサービス。
要は、模倣のできない商売。
ユニークさ。
それが際立つこと。
それを私はポジショニング戦略と表現する。
今年はそんな時代となる。
〈結城義晴〉