「ふるさとの山に向かいて言うことなし」と「学ぶ者には福来る」
朝、起きたら、
窓の外に岩手山。
頂きのあたりに雲がかかっていたけれど、
富士山とは違う感動。
まさに、
「言うことなし」
ビルの谷間のむこうに岩手山。
なんだか朝から、得をした気分。
「今日も一日、優しく、強く」
元気を出して、はやてに乗り込み、
東北の雪の平原をひたすら南下。
快晴のなかの雪景色、
目が痛くなるほどにまぶしい。
向かうは、横浜みなとみらい。
さて昨日は、盛岡で、
東北シジシー主催の2013新春講演会。
私は今年最初の講演。
いつものように後半は上着を脱いで、
大熱演。
その後、懇親会。
冒頭の挨拶は、
㈱東北シジシー会長の遠藤須美夫さん。
私はスーパーマーケット業界きっての教養人だと、
尊敬している。
遠藤さんは、石川啄木を引き出した。
ふるさとの山にむかいて言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな
私の好きな坂口安吾は、
「ふるさとは語ることなし」と碑に残した。
こちらは新潟県人。
ちょいとニヒル。
遠藤さんから「今日の講演は目から鱗」と言われたのは、
本当にうれしかった。
ユニバース社長の三浦紘一さんも、
これ以上ないというくらい勉強熱心で真摯な経営者。
会社全体がその真摯さを体現していて、
私は大好きな企業だ。
㈱伊徳会長の伊藤碩彦(ひろひこ )さん(右)と、
㈱タカヤナギ社長の高柳智史さん(左)。
両社は昨年4月に㈱ユナイトホールディングスをつくって、
経営統合。
そして高柳さんは、
コーネル大学ジャパン実行の第3期生。
さらに㈱びはんコーポレーションの皆さん。
左から社長の間瀬半蔵さん、
専務の間瀬慶蔵さん。
「山田の醤油」で有名で、
商人舎でも拡販に協力している。
びはんは3.11 の大震災で、
岩手県山田町の2 店舗を失った。
しかしそこから元気に立ち直って、現在は、
被災店舗の駐車場で大型テントの青空売場を展開。
もうひとつは、八幡町の旧岩手県立山田病院内に、
20 坪の土地で「びはん旧山田病院店」を営業。
間瀬さんたちの笑顔を見てください。
今日も一日、優しく、強く。
それから、㈱ベルプラス社長の澤田司さん。
コーネル・ジャパン奇跡の第2期生。
締めはこの人、㈱ジョイス社長の小苅米秀樹さん。
コーネル・ジャパン伝説の第1期生で、
先のユニバースとともに、
アークスに参加。
北海道・東北でしっかりとした勢力を形成。
東北シジシーにはつわものが揃っている。
写真は撮りそこなったが、
㈱マイヤ社長の米谷春夫さん、
㈱ウジエスーパー社長の氏家良典さん、
㈱マエダ社長の前田恵三さん、
㈱キクチ社長の菊地逸夫さんなど、
元気な面々が集って、学びつつ、交流。
東北シジシーは全国のシジシー・グループのなかでも、
飛び切り元気のいい、しっかりした会社が集まっている。
いい講演会と懇親会だった。
「学ぶ者には福来る」
最後に、遠藤さんと写真。
ありがとうございました。
「ふるさとの山に向かいて言うことなし」
一路、横浜をめざした結城義晴。
今度はオール日本スーパーマーケット協会。
新年トップ経営研修会。
それは明日、紹介。
さて今朝の日経新聞に、
㈱イオン社長の岡田元也さんと、
㈱ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが登場。
岡田元也さんは、
アジア進出問題を語りつつ、
「スピード感がなかったらどうしようもない。
世界中の企業がアジア進出を狙い、
現地企業も急成長している。
日本企業が優位性を保てる時間は
すごく短くなっている」
日本企業の強みをこう語る。
「アジアの他国は日本の発展を追いかけているので、
日本企業にはかなり先が見通せる」
さらに「正直さも強みだ。
食品の安心・安全など正直さは信用につながる。
多国籍化が進むほど、
日本企業のブランドが持つ信頼感は重要になり、
競争力を左右する」
岡田さんは、我々の強みとして、
「正直さ」を挙げた。
私も賛成。
一方の柳井正さん。
大学に対して「辛言直言」。
「世の中がこれほど大きく変化していく中で、
社会人になってから改めて勉強しようと考える人も多いはずだ。
大学はいつでも勉強するために通えるような
生涯学習の場に変わるべきだ」
私は立教で、この生涯教育の一端を担っている。
「社会人の要求にこたえられる教員の技量も必要だ。
大学教員は毎年、同じ内容の講義をしている。
経済や経営などの社会科学は
社会の動きとともに変化しているはずなのに
アップデートしていない。
どんどん社会から乖離(かいり)していっている。
そんな教員は必要ない」
手厳しいが、これも賛成。
「一度、教授になったら定年まで安泰な世界なんて変だ。
ちゃんとパフォーマンスを発揮し続けないと、教授として
大学には居続けられないような人事制度にしてもらいたい」
「大学教員は研究と教育の2つの役割があるが、
教育をないがしろにしているような気がする。
はっきり言うと教えるのが下手」
「学生に学問への興味を持ってもらわないといけないのに、
相手に伝える技術を持っていない。
教える技術を養ってほしい」
そのために必要なこと。
「大学の経営から変えないと始まらない。
ちゃんとした経営者がやるべきだ。
大学といえども(資金や人材などの)インプットに
見合う成果であるアウトプットを求める仕組みが必要だ」
大学生に対しては。
「必要な基礎的な教養や知っておくべきことを知っていないし、
知識の絶対量も少ない。そのために適切な判断ができない。
もっと知識を詰め込まないと、自分が進んでいる道が
世の中の方向性に合っているのか分からない」
「実業界は自分で考えて、自分で結論を出して
実行できる人材を求めている」
「社会に望まれるビジネスはどのようなものなのか、
社会により貢献できる経営のあり方、
人間のあり方を教えてもらいたい」
「会社員製造機関ではだめで、
起業家の育成が大切だ」
「大学や大学院でそうした講座も出てきたが、小手先だ。
経営マインドを持つ人材が大学から輩出されないから、
そのための機関も自前で作った。
世の中を変えるような仕事ができる人材を育てたい」
だからユニクロでは、
大学1年生に内々定を出す選考制度を始めた。
「目的意識を明確に持つ学生に内々定を出し、
卒業後の入社を待つ」
柳井正、言いたい放題。
しかし、納得できる。
「学ぶ者には福来る」
〈結城義晴〉