イオン㈱岡田元也社長が語った「一番大きな力」
昨日のブログ「セブンプレミアムしりとり」。
アクセス数が2倍以上の大ヒット。
ご愛読、感謝したい。
しかし、現場、現物は面白い。
ウォルマートのサム・ウォルトンは、
メーカーがあきらめかけたコモディティグッズに対しても、
さらなる改善改革、
徹底的なイノベーションを求めた。
このイノベーションのほうが、
新製品開発や発明・発見よりも、
起こしやすいし、それは、ますます必要になっている。
それが商売の醍醐味というものだ。
倉本長治先生が生きていらっしゃったら、
そう、語るに違いない。
さて昨日は、午前中、商人舎オフィスで雑誌の原稿書き。
午後、「リテイラーズ.jp」のインタビュー班来社。
小売業をサポートする総合ポータルサイトを謳う。
コーネル・ジャパンの紹介記事の取材のため。
日本セルフ・サービス協会から、
営業本部長・村尾芳久さん、
スーパーマーケットトレードショー・プロデューサー川崎かおるさんも、同道。
そして、1時間あまりのインタビュー。
お陰様でコーネル大学RMPジャパンの初年度、
「期待を裏切らず予想を裏切る」成功をおさめた。
「伝説の第一期生」となった。
現在、二期生募集中だが、ありがたいことに、
続々、名乗りを上げてくれている。
お待ちします。
第二期生候補者の皆さんへの副学長からのメッセージ。
「あなたは、必ず、自ら、変わることができる」
第二期は、第一期に負けず劣らず、
凄いことになります。
新しい伝説を作ります。
最後にポートレート写真撮影。
愛車「ロヂャース28号」の前でポーズ。
このロヂャース28号は、開発責任者・太田順康さんの誕生年をとって、
「28号」と名づけた。
太田さんの生まれは昭和28年。
もちろんロヂャース副社長。
そしてコーネル・ジャパン第一期の級長。
気持ちよい取材を受けると、気分も爽快。
その爽快さを保持したまま、
夕方、6時半から東京・ホテルニューオータニ。
イオンの記者懇談会。
入口のところで、
イオンのプライベートブランド浴衣の展示会。
マネキンさんと一緒に、写真。
今夏、積極的に浴衣を売り込んでいる。
この懇談会には、グループ企業50社からトップ・マネジメント74人が参加。
マスコミからも100人以上参加の大盛況。
冒頭の主催者挨拶は、
イオン㈱取締役会議長の原田昭彦さん。
ちなみに原田さんは商人舎発足の会の発起人のおひとり。
「イオンは現在、3つの大きな爆弾を抱えている。
第一がGMS(総合スーパー)の問題。
第二がタルボットの問題。
第三がイオン銀行の問題。
GMSは『12の改革』で下期から本格的にチャレンジする。
タルボットの子会社J.Jillの売却も完了し、タルボットの商品は変わり始めた。
イオン銀行は当初計画より1周半くらい遅れているが、
地方銀行との提携やワオンとの一体化などで、
スピードアップしている」
原田さん、実にストレートに語る。
そして最後に言った。
「1年半は、大目に見てほしい。
1年半後には、必ず着地する」
コミットメントを発表したのだ。
原田議長ならではの発言。
私は、その率直さに驚いたし、
いかにも原田さんだと思った。
その後懇親会。
私が、じっくりとお話した人の名前だけ列挙させていただく。
まず、岡田卓也名誉会長相談役。
帽子屋の「とらや」の話は勉強になった。
30年サイクルで帽子が復活する。
吉田茂は帽子を被っていた。
麻生太郎は被らない。
「だから駄目なんだ」
財団法人イオン環境財団事務局長の神尾由恵さん。
モンゴルのこと、実に詳しい。
また、北京あたり、木を植えに行きます。
原田議長。
「結城さんのブログ、毎日読んでる。
猫が可愛いね」
ジジは、4歳です。
ありがとうございます。
カスミ社長の小濵裕正さん。
小濵さんも、商人舎発足の会発起人。
コーネル・ジャパンの第二期生公開講座の特別講師をお願いしている。
「蛻変を語ってください」
マイカル社長の松井博史さん。
「また寺子屋塾、やりましょう」
ダイエー会長の川戸義晴さん。
「大変なお役目、がんばってください」
川戸さんとは、名前が一緒。
固い握手。
ベルク社長の原島功さん。
「50周年、おめでとうございます。
あなたの判断、間違っていない」
私はずっと、言っている。
マックスバリュ中部社長の中西進さん。
「しっかりやってますね」
中西さんは、ほんとうによくやってます。
現場も頑張っている。
CFSコーポレーション社長の石田岳彦さんと、
副社長の井元哲夫さん。
お二人とは、固い握手。
横浜同士で、応援しています。
イオンディライト社長の堤唯見さん。
堤さんは、ほぼ私の同期生。
互いに新入社員の時からの31年の付き合いです。
「社長業、頑張って」
私、なにか、応援ばかりしている。
イオン㈱からは、
SM事業最高経営責任者の坂野邦雄さん。
坂野さんとも、古い付き合い。
姫路のウェルマート時代から、
琉球ジャスコ社長時代、
九州ジャスコ社長時代と、
それぞれのポジショニングで接点がある。
この秋にも、接点ができた。
イオン㈱ディベロッパー事業最高経営責任者の林直樹さん。
商業経営問題研究会で講義してもらった。
そして最後に、
イオン㈱社長の岡田元也さん。
お通夜に出席して、遅れて参加。
岡田さんとは、ちょくちょく、顔を合わせる。
先日の日本スーパーマーケット協会10周年でも、ちょっとお会いした。
もちろん商人舎発足の会発起人のおひとり。
その岡田さんとは、
原田議長のコミットメントのことを話題にしていた。
その中締めのスピーチ。
これが、良かった。
「グローカルといい続けてきました。
グローバルは、機能会社を設立して一回りし、
問題は山積しているものの、成果は確実に出せる方向にある。
ローカルは、会社ごとにお取引先との会合など開催していたが、
地域的にまとめて実施したり、
地域に合わせた展開を図っている。
いろんなことが地域別に収斂されていく」
「人間の問題をいま、変え始めた。
とりわけ若い社員のフラストレーションが、
高まっているかもしれないが、
現場に対する強い思いを大切にしたい」
そのあと、岡田さんは言った
「このままでいいと思っている人は
一人もいなくなった。
これが一番大きな力」
イノベーションのマインドが整ったということ。
「キリンとサントリーの統合ニュースを見ても、
小売りが再び追い抜かれるかもしれない。
何をしなければいけないのか。
メーカーは飛躍的に変わっていく。
われわれも、変わっていく」
「1年半後を見てほしい」
岡田さんも、イオンも、
「自ら、変われ」を実践しようとしている。
いま、必要なことは、イノベーションである。
ドラッカーは企業の機能をふたつだけ挙げている。
第一がマーケティング。
第二がイノベーション。
イオンに限らず、いま、ビジネスに必要なのは、
イノベーションである。
それも人心のイノベーションである。
中央のスピーチ台から戻ってきた岡田さんと私、
どちらからともなく、固い握手。
「自ら、変わる」意志をもつ知識商人。
私は、無条件に応援する。
企業の規模には、全く関係なく。
<結城義晴>