投票率69%、二大政党議席率89%、「複占」の中の「本当の人気」
Everybody! Good Monday!
2009年8月が終わり、9月が始まる週。
そして歴史的衆議院総選挙明けの月曜日。
投票率69.29%。
「選挙に行こう・投票しよう」を言い続けてきて、
小売業・サービス業に従事する人々の投票率も、
上がったに違いない。
期日前投票率も、13.40%。
これも成果があった。
もうひとつ大事なことは、
民主党と自民党の二大政党で、
89%の議席を占めたこと。
私は、残りの11%の存在が、極めて重要だと思う。
私はビジネスやマーケティングの世界で、
「複占」の仮説を唱えている。
「複占」とは、
ある限定されたマーケットのなかで、
二者がほとんどのシェアを獲得する現象。
ここで重要なのは「ほとんど」であること。
「すべて」ではないこと。
生活の面で見れば、
二者はコモディティである。
その他がノンコモディティ。
そして「その他」が個性化、多様化、高度化を形作る。
日本の政治の世界でいえば、
民主党・自民党以外の党や政治家、
そして地方自治体の政治家たち。
これらは、嫌いも好きも激しい。
支持も不支持もはっきりしている。
しかしこれら少数派の声にも、
耳を傾けなければならない。
さて民主党、300小選挙区のうち221議席をとった。
「期待を裏切らず、予想を裏切る」。
圧勝。
しかし、政権の公約としてのマニフェストを、
いかに「実行するか」こそ、大切。
「実行」するためにこそ、「政権」をとったのだから。
「政権」をとるために「公約」したのではないはず。
政治は変わったが、仕事も商売も、
すぐには変わらない。
ただ、政権交代によって、
マーケットの環境は変わる。
だから商人は、この変化に、
敏感に、丁寧に、対応しなければならない。
それが顧客のために存在することになる。
最後に、結城義晴著『メッセージ』(㈱商業界刊)から。
「一番の人気」
あなたの店が繁盛しているとする。
売上高の半分は実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、人気によるものだ。
人気とは、一番の者に与えられる特権である。
あなたの店が不振だとしよう。
不振の半分は、店の実力による。
しかしあとの半分は、人気がないからだ。
二番手、三番手、四番手だからである。
では一番の人気は、なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、どんなときに逆転するものなのか。
何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、この実力差は詰まらない。
どんなに消費が冷え込んだときにも
どんなに営業不振のときにも
一番人気の店は密かに客の支持を伸ばしている。
二番手以下は急激に落ち込む。
ただし、追う者の強みというものもある。
紙一重の差までは、努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運にめぐまれるしかないのかもしれない。
たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、ころがり込んでくるものなのだ。
民主党の勝利は、自分で勝ち取ったものではない。
敵の過失によって、ころがりこんできたものだ。
この謙虚さが、維持されるか否か。
顧客も有権者も、
謙虚さと真摯さをこそ、
評価するものだと思う。
それが「本当の人気」をつくる。
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>