トヨタ「プリウス」460%と低価格/軽自動車10カ月連続売上げ減
朝日、読売、日経ともに、
一面は民主党人事。
岡田克也幹事長の外務大臣内定、
菅直人代表代行は国家戦略局担当相兼党政調会長。
先に発表した小沢一郎党幹事長を含め、
人事の骨組みを固めた。
岡田元幹事長を、ちょっと外側においた感じ。
もう少し「修行せよ」という意図とともに、
「まだ世代交代は早いよ」とのメッセージか。
このあとは経済産業大臣、財務大臣など、
重要閣僚を決めることになるが、
私は、農林水産大臣、厚生労働大臣と消費者庁長官に、
適任者を当ててほしいと思う。
国民の生活に直結する行政府であり、
それが日本の内需拡大にも直結するからだ。
さて、8月の新車販売ランキング。
第一位は、トヨタの「プリウス」。
3カ月連続で首位。
第二位は、スズキ「ワゴンR」、
第三位は、ダイハツ工業「ムーヴ」と、
軽自動車が並ぶ。
これは、日本自動車販売協会連合会の普通車と、
全国軽自動車協会連合会の軽自動車の統計を合わせたもの。
ご存知、ハイブリッド車でエコカーの「プリウス」。
一昨昨日にお会いした電通の土井弘さんもプリウスに乗っていた。
8月の販売台数は2万1669台で、前年同月比460.3%。
しかし7月が2万7712台だったから、6000台ほど減った。
消費トレンドを背景にした「最良のベーシック」が、
低価格商品を抑えてトップになったということ。
もちろんここには、エコカー減税という「自民党の政策」があった。
おかげで、トヨタ自動車全体の8月の国内新車販売数は、
13カ月ぶりに前年同月を上回った。
追い打ちをかけるように、メルセデス・ベンツ日本法人は、
輸入車初のハイブリッド車「Sクラス ハイブリッド ロング」を発売。
この「Sクラス」はベンツの最上級シリーズ。
競合するトヨタ・レクサス最上級よりも105万円安い。
といっても、税込みで1405万円。
エコカー減税の対象となるし、
輸入車初の自動車重量税、自動車取得税100%免税。
この車が売れるかどうかは分からないが、
アッパーグレード商品が市場に投入されていることは、
知っておかねばならない。
もうひとつ、重要な指標がある。
8月の軽自動車新車販売の総台数である。
軽自動車は前年同月比5.1%減の11万0287台。
10カ月連続のマイナス。
低価格商品が、すべて売れているのではない。
軽自動車という車の低価格商品自体は、
10カ月連続で売上げ減少中なのだ。
顧客の「節約、倹約。もったいない」の心持を知ることは、
極めて大事。
しかしそれが「安売り」に直結するものではない。
「節約、倹約。もったいない」=「安売り」ではない。
ダイエーは今日9月5日から、
880円のジーンズを発売する。
従来の半額以下の低価格。
中国で生産したプライベートブランドで、
紳士、婦人、子供用を合わせて年間約50万本の販売計画。
イオンは先行して、880円のジーンズを発売しているが、
どちらもファーストリテイリングの低価格ブランドを意識している。
「ジーユー」。
だからジーユーの990円ジーンズを、110円下回る。
売れてはいるそうだが、
しかしこれ、いかがなものか。
ファーストリテイリングは、「ジーユー」を、
低価格戦略の「ブランド」と位置づけている。
しかしユニクロでは、3990円のジーンズを品質改良しつつ量販している。
イオンもダイエーも、ジーユーをターゲットにするならば、
990円で、ジーユーよりもよい品質を模索するべきではないか。
軽自動車全体では、10カ月連続で売上げ減なのだ。
さて昨日から、
立教大学大学院「結城ゼミ」の2度目の合宿。
立教新座キャンパスにある研修所に来ている。
埼玉県新座市のキャンパスには、
観光学部と福祉学部、中学・高校がある。
そのキャンパスの隣に、「太刀川記念交流会館」がある。
多彩な交流活動を目的とした施設で。
一泊2500円。
内部は、モダンなつくりで快適。
その会議室を借りて、研究・討論・執筆。
この日は、結城ゼミの貸し切り状態。
昼食は、ホールで。
今回は、清里以上に、成果が上がった。
結城ゼミメンバーは、
右から、柿沼将人さん、名古屋文彦さん、
そして星山朋子さん、田村直純さん、高橋修一郎さん。
一人ひとりのテーマは違う。
しかし全体のテーマには、ひとつのトーンがあって、
それが現代のビジネスデザインの特徴を示している。
一言でいえば、コモディティとホスピタリティ。
その底流に、イノベーションとマーケティングが横たわっている。
物事の本質を見極めるには、
集中しなければいけない。
合宿は、集中するところ。
集中は、選択をもたらしてくれる。
<結城義晴>