「HEBプラス」ジョン店長の4つの店長心得と自信
台風18号上陸。
お見舞い申し上げる。
ふたりの方の命が失われた。
ご冥福を祈りたい。
皆さんのお店はどうだったのだろう。
仕事は、滞ったのだろうか。
自然の力をあらためて思い知らされるのが台風だ。
テキサス州ダラスは雨模様。
長々と日照りが続いていた9月から一転、
寒いくらいの小雨が降る。
アメリカにわたってから、私は、もう10日目か。
体は、ちょっと疲れたが、
気力は充実。
さてユニクロを展開するファーストリテイリングが、
連結決算を発表した。
柳井正会長兼社長の笑顔が、本当にうれしそう。
売上高は6850億円で、
前年対比16.8%プラス。
営業利益が1086億円となった。
前年同期比24.2%のプラス。
過去最高益。
アメリカでみると、
アパレルファッション・チェーンの第1位は、ギャップ。
全米チェーンストアランキングで27位。
年商145億2600万ドル、1兆4526億円。
営業利益に当たるものは967億円。
とうとうユニクロはギャップを超えた。
アメリカ第二位は、リミテッド。
全米ランキング41位で、
年商9043億円、純利益220億円。
ユニクロはリミテッドの利益をも、
当然ながら超えた。
若者に大人気のアバクロンビー&フィッチは、
全米第96位のチェーンストアで、
年商3540億円、純利益272億円。
ユニクロの年商6850億円と営業利益1086億円は、
全米第一位の高収益アパレルチェーンに位置づけられる成績。
柳井さんの笑顔も理解できよう。
さて、昨日は、朝からメリッサ・フレミングさんの講義。
商人舎では必ず、メリッサさんにレクチャーを受ける。
超高級百貨店ニーマンマーカスからキャリアをスタートさせ、
テキサスのスーパーマーケットHEBの副社長に迎えられ、
対ウォルマート戦略とプライベートブランド開発を担当した。
今回も、「プライベートブランドの現状と展望」を語ってもらった。
そして、全員で写真。
そのあと私の講義。
今回の「定番研修会」では、
分かりやすくわかりやすく語る。
どうしても時間が足りなくなる。
しかし、わからないことを話しても、
まったく意味がない。
講義は、バスの中まで延々と続く。
浅野秀二先生も、語る。
ふたりで、語り続ける。
それが商人舎USA研修会の特徴。
いくら語っても、語り尽きない。
それがアメリカ小売業であり、
アメリカの消費産業。
さてオースティンでの講義を終了し、
まずウォルマート・スーパーセンターへ。
ウォルマートがわからなければ、
アメリカの小売業はわからない。
ウォルマートはすべての小売業に、
大きな影響を与えているからだ。
その後、ウォルマートと真っ向から競合している店を訪れる。
HEBプラス。
ご存知HEBの非食品強化型のコンビネーションタイプ。
店舗面積5000坪、年商推定75億円。
その店長ジョンさんに特別インタビュー。
カリフォルニアのボンズで13年、HEBで13年のキャリアをもつ紳士。
店長として重視すること。
第一にカスタマーサービス。
第二にやるべきことをやること、すなわち完全作業。
第三にクレンリネス。
第四に450名の従業員とのコミュニケーション。
すらすらと、信条を語ってくれる。
HEBの良さ、強さは、
オーナーシップ経営であること。
「株主に煩わされず、
顧客満足と従業員満足に邁進できる」
これが非上場企業の強さと良さ。
ウォルマートに対する見解。
「彼らのマーチャンダイジングパワーは尊敬する。
しかし尊敬はするが脅威ではない」
「我々はこの不況に対しても、
ウォルマートに対しても、
筋肉質の企業体質をつくって、
準備してきた。
価格でも、ウォルマートに負けない強さを持っている」
私は思う。
このウォルマートに負けない強さとは、
オースティンで50%を超えるマーケット・シェアであると。
この地では、HEBがナンバー1なのだ。
それがジョン店長の自信につながっている。
アメリカの知識商人の態度と言葉。
今回も心から感謝。
<結城義晴>