「商人よ、正人であれ!」
「商い人よ、正しき人であれ」
私たちは、
こと、仕事に関して、
いつも、
絶対に、
正しくなければならない。
私はそう考えている。
個人の生活は、
自由でよろしい。
もちろん、
法を犯すことは、
許されないけれど。
政治も、
宗教も、
趣味も、
哲学も、
生き方も、
いろいろあって、
よろしい。
私は無宗教であるし、
特別な支持政党も持たない。
趣味は、
なんにでも興味を示す、
「なまくら派」である。
生活態度は学生のころから、
坂口安吾に魅せられた「無頼派」である。
しかし、こと、
仕事に関しては、
「正義」を貫いてきた。
仕事は、
社会のためにあるからだ。
会社や店は、
世の中のため、
お客様のためにあるからだ。
人生の分岐点において、
必ず、
自分が、損をする道を選んできたという人がいる。
同じく、人生の分かれ道で、
常に、困難なほうを選択してきたという人がいる。
どちらも優れた人だ。
強い人だ。
自分にとって、損な道。
自分にとって、難しい道。
私には、そんな判断をする自信がない。
けれど、私は、
なんとしても、
仕事では正しい道を、
歩まねばならないと思う。
仕事においては、
正義を貫かねばならないと考える。
それが「商人よ、正人であれ」の意味である。
「商い人よ、正しき人であれ」の本質である。
倉本長治は言った。
「商人である前に、人間であれ」
倉本長治は、こうも言った。
「真の商人であることが即ち立派な人間ということだ」
仕事において、正しくある。
それがそのまま立派な人間ということなのだ。
<結城義晴『日々の詩集』(未完)より>
長妻昭厚生労働相からの発表。
2007年の日本の「相対的貧困率」。
15.7%だった。
「貧困率」とは低所得者の占める割合。
国民生活基礎調査をもとに、
所得を世帯人数に振り分けて高い順に並べる。
そのときの真ん中の所得は228万円。
228万円に満たない人が占める割合を算出して、
「相対的貧困率」とする。
日本の貧困率の推移。
1998年時点では14.6%、
2001年は15.3%、
2004年は14.9%。
経済協力開発機構(OECD)2008年の報告書にある。
2004年のOECD加盟30カ国の平均値は10.6%で、
日本の貧困率14.9%は、
30カ国のうち4番目に高かった。
メキシコ、トルコ、米国の次。
日本フランチャイズチェーン協会の発表。
9月のコンビニエンスストア既存店売上高、
前年同月比5.6%マイナス。
前年割れは4カ月連続。
セブン-イレブン3.5%マイナス。
ローソン6.4%減、
ファミリーマート5.3%減、
サークルKサンクスが7.6%減。
貧困率は、消費に打撃を与えている。
だからこそ今、
「商い人は正しき人」でなければならない。
<結城義晴>