結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月05日(土曜日)

スーパーマーケットNISHIYAMA[後編]「圧巻の寿司売場」と惣菜アイテム

11月の新車販売ランキング。  
日本自動車販売協会連合会の普通車と、
全国軽自動車協会連合会の軽自動車の統計を合わせたもの。

トヨタ自動車の「プリウス」が6カ月連続で第1位。
第2位は、ホンダのフィット。
第3位は、スズキのワゴンR 
第4位、ダイハツのムーヴ。
第5位、トヨタのヴィッツ。  

今や日本の車の代名詞のようなハイブリッド車。
エコカー減税と新車購入補助金、
つまり政府支援策が効果を発揮した。
その上、燃費性能が高く、環境対応。

11月の総販売台数に占めるハイブリッド車比率は、
全体の約1割に達する。
前年同月に比べ7ポイント増の9.7%。

ハイブリッド車比率は今年4月から急上昇。
それまではホンダのフィットが首位だったが、
9月までの半期平均で全体の8.9%。
それが11月は10%に近づいた。

トヨタは12月7日に、
新型ハイブリッド車「SAI(サイ)」を発売。
発表後1カ月で受注台数1万4000台。
これは月間販売目標の約4.7倍。

政府の支援策があったとはいえ、
異常なブームをつくりだした。

日本人は、金がないのではない。
使い道がないのだ。  

もっと丁寧に言えば、
金を使わねばならない世代に金がなく、
金を使わなくてよい世代に金がある。
全体でならしてみると、金がないわけではない。

だから金がある人から金を引き出し、
経済を循環させ、
それが活性化するとやがて金のない世代に、
金が回るようになる。

小売業やサービス業は、
その役目の一端を担っている。

さて、スーパーマーケットNISHIYAMAスタディの後編。  
寿司・惣菜・自家製ケーキなど。
すぐ食べられる商品がすごい。
すぐ食べられるものの出来が良いから、
顧客の反応が早い。
反応が早いから、
現場に結果がすぐにわかる。
すなわちやりがいがでる。

寿司売場は、間違いなく日本有数。
「日本一」と言いたいところだが、
私が日本中の店を見ているわけではないので、
「日本有数」と言っておこう。

売場中央に、デンと構えるのが、
三田店名物俊ちゃん亭の煮魚・焼き魚コーナー。  
もちろん自家製。
担当者「俊ちゃん」のはっぴ姿と笑顔がいい。
souzai1

大皿に旬の魚の焼き物、煮物が、
10種類以上おいしそうに並ぶ。
souzai2

新潟産つばすの煮付け150円、同じくごまさば150円、
秋刀魚の塩焼き130円と驚くほど安い。
souzai3

北海道産の日高浜炊き昆布は198円。
これが絶品。
k1

売り込み商品には、これでもかと、
ショーカードを付けて、お客にアピール。
k2

この鮮度とこのボリュームで低価格を実現しているのは、
北海道の指定工場で製造させている自社開発商品だからだ。
k3

自慢の寿司コーナー「心鮮感」。
sushi1

この日は「細巻バイキング」をテーマに
様々な細巻寿司を1本100円均一で販売。
sushi2

あおりいか、ツナ、あなごなど、
旬の具材を巻いた巻き寿司が並ぶ。
3

オリジナルの寿司メニューが並ぶ圧巻の寿司売場。
4

握りとちらしの特選寿司は1000円。
かにのボリューム感がすごい。
5

本日のお勧め「香住かにづくし」ちらしは1パック850円。
6

寿司コーナーはそのボリューム、メニューの豊富さで圧巻。
7

太巻き500円、中巻380円。500円で大満足のPOPで訴求。
8

NISHIYAMAは、サンドイッチ寿司などのオリジナル商品開発に優れている。
全国のスーパーマーケットが実習を受けにくるくらいだ。
9

気節限定の「秋祭寿司」。
商品も売場でも季節訴求が本当に上手い。
10

とろっとろ煮豚弁当580円。
これは精肉売り場の「とろとろ煮豚」を、弁当に転用した商品。
大人気。
bentou

揚げ物コーナー。
「最高級の油を使っているから胸やけしません」と、
顧客に訴える。
agemono

こだわりの逸品には、その理由を表示して販売。
dora

こだわりの逸品のケーキ菓子を通路の特設コーナーで販売。
cake1

京都菓子職人がつくったアップルケーキ150円、
チョコパイサンド120円、フルーツ姫タルトはホールで598円。
cake2
本当に安い。

150円なら思わず手にとりたくなる。
cake3
この味で、150円。
そしてこの量。
だから利益がでる。

NISHIYAMAの「こだわりの逸品」は300アイテムある。
すべて自社開発商品だ。

自社開発するから、「よいものをどんどん安く」が実現できる。

良い品をどんどん安く」   
<『メッセージ』より>   

「良い品をどんどん安く」
この言葉のもつ本来の強靭さは、
生態系のごとく循環の構造を有するところにある。

良い品を売る。適切な品質を提供する。
すると、顧客は喜ぶ。
そんな顧客が増えると、品はどんどん売れる。

どんどん売れてゆけば、一品一品が安くなる。
売れれば売れるほど安くなる。
「利は売りにあり」で利益が生じる。

利益が、次の良い品をつくることに貢献する。
この新しい「良い品」によって顧客はもっと喜ぶ。
そしてますます、どんどん売れる。

ますますどんどん売れれば、さらに一品一品は安くなる。
安くなるから、いっそう大きな利益が生まれる。
それが、さらにさらに良い品をつくることに機能する。

こうして「良い品」のレベルは飛躍し、
「どんどん」の量は爆発し、
「安く」の水準は国際級になってゆく。

真理は、常に循環しつつ、構成要素そのものを高めていく。
真理は、この体系にこそ宿っている。
真理とは、自ら進化する構造を内包するものなのだ。

だから「良い品をどんどん安く」の一挙実現を図ると、失敗する。
三つの要素をいっぺんに果たそうとすると、挫折する。
仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。

トヨタのプリウスもNISHIYAMAも、
「よいものをどんどん安く」の好循環に入っている。

<結城義晴>  


2 件のコメント

  • 結城先生、おはようございます。

    先生のブログを読んで勉強し、少しづつ行動に落とし込んでいます。

    ありがとうございます。

    >真理は、常に循環しつつ、構成要素そのものを高めていく。
    >真理は、この体系にこそ宿っている。
    >真理とは、自ら進化する構造を内包するものなのだ。

    真理を考えず、経営をやってきたのかもしれません。

    反省。

    >仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。

    今一度、弊社の成長と発展は何か考えてみます。

    ありがとうございます。

  • なにごとも、短絡的な発展はありません。
    人間も会社も。

    一歩一歩。
    いつも一歩一歩。

    これしかありません。

    しかし一歩一歩を積み重ねていると、
    それをしない人や会社に、
    いつの間にか大きな差をつけることができるのです。

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