結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月19日(土曜日)

「幸せ基準」と「良い会社基準」の新しい風が吹く。

日本経団連の発表。
2009年冬期賞与最終結果。
前年比マイナス15.01%。  

過去最大の落ち込み幅で、2年連続減少。
しかし金額は、75万5628円。
経団連に属する大手企業の集計だから。

通称「経団連」の社団法人日本経済団体連合会は、
2002年5月に経団連と日経連が統合して発足。
会員数1609社&団体等。
日本を代表する企業1295社、
製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体129団体、
地方別経済団体47団体などによって構成される。

まあ、日本の産業を牛耳っているのが、
この経団連。

19業種のうち、
18業種がダウン。

しかし食品業界だけプラス。

昨日、日経の田中陽さんの言葉を引いて書いたが、
「食品のナショナルブランドは儲かる」  
だから大手食品卸売業も、成績は良い。

この冬のボーナスに関しては、
経団連の最終集計結果がマイナス15%だったという事実が、
日本全体のボーナス相場の判断にどのくらい反映されるか。

中小企業、零細企業では、
ボーナス0、見舞金程度というのが実情だろう。

なんとか、日本全体のボーナス水準が発表されないものか。
大手の、最も高い企業群の賞与が発表され、
報道されて終わりというのでは、
これは発展途上国の視点になってしまう。

しかし、経団連の15%マイナスは、
中小企業では半減にも等しい。

だから、これから年末際に向かう本格商戦は厳しくなるし、
来年も、当然ながら厳しい。

11月の全国百貨店売上高。
前年同月比11.8%減。  

21カ月連続前年割れ。
2カ月連続二桁減。

朝日新聞が「地方百貨店」の蘇生について取り上げている。
しかし、どの事例も、本業の回復にはつながりそうもない。
まだまだ、地方百貨店の支店は、どんどん閉鎖されていく。
百貨店の本業そのものが、その立地と大きく関係している。

最新の商業統計で272店舗の日本の百貨店。
私は120店まで減ると考えている。
そこで現在、一生懸命働いている人々には、酷な言い方だろうが、
社会にとって必要とされないものは、
残念ながら消えていく。

すべての百貨店がなくなることはない。
しかし、百貨店の本来の機能が果たせなくなった店は、
変わるか、動くか、閉めるかしなければならない。

この百貨店の動向は、
全消費を象徴しているかにみえる。

ショッピングセンターはどうか。
今年10月の既存のショッピングセンターの売上高は、
前年同月比7.6%マイナス。  

こちらも14カ月連続で前年割れ。

さらに日本ショッピングセンター協会の発表では、
2009年のSC開業数が57カ所と前年比マイナス35%。
これは21世紀にはいった年2001年以来の低水準。

これで日本のショッピングセンター時代は終焉するのか。
日本ショッピングセンター協会の見解。
「10年は開業数がさらに減る」。  

2007年の秋に「改正まちづくり三法」が完全実施され、
再び、延べ床面積1万㎡を超える郊外店が規制され始めた。

昨2008年は規制前に計画されたショッピングセンターがオープンしたため、
全体としては目立たなかったが、今年は反動的に出店が減った。

とりわけイオンのショッピングセンター開発は今年、半減以下の10カ所。
昨年は23の開発物件がオープンした。

地方百貨店の中小都市支店は閉鎖される。
郊外ショッピングセンター開発にもブレーキがかかる。

これが今年から来年の潮流となる。

商業競争の様相が変わっていく。

消費や購買のパイが縮む。
既存店舗や新規店舗のパイも縮む。  

「縮む」ことは、「賢くなる」ことに通ずる。

ある意味で、これを真摯に受け止める必要がある。
永遠に日本国が成長し続けることはない。

その大きな流れの中で、
人々の幸せはつくられる。

私がよく言う「幸せ基準」が重要になってくる。  
来年に向けて、真剣に考えねばならないことだ。

伊那食品工業㈱の塚越会長曰く。
「会社は年輪のように永続していく」  
環境が厳しいときには、小さく成長する。
環境が良好な時には、大きく年輪を刻む。

ただし、年輪は必ず外側に刻まれる。  

「幸せ基準」で考えるとき、
企業の年輪は売上高や利益額ではない。

「幸せ基準」の年輪がある。

それでも、伊那食品は寒天生産の断トツのシェアで、
利益率の高さでも群を抜く。
「良い会社をつくりましょう」  
このスローガンのもと、
「良い会社基準」で年輪を刻む。

すると、高い経営効率が刻まれる。
不思議な「ニワトリと卵」の関係。

来年から私たちが目指すべき企業とは、
そんなものだと思う。

その意味で、来年の光が見えている。
それが年末に示されるさまざまな指標に表れている。

さて昨日の朝は、
東京・池尻の東邦大学付属病院。
眼圧は左1.4、右1.6で、良好。
一安心。

そして夕方は、
商人舎のささやかな忘年会。  
横浜市西区北幸の商人舎オフィスに、
20数名の皆さんが集まってくださった。
1
夕方5時から開始。
約2名、その前から来られて、
打ち合わせをしつつ、
ビールを飲み始めた。

ほぼ全員がそろいかけたとき、
まず、主催者が「ロヂャース28号」の説明。
そう太田順康副社長が贈ってくれたプライベートブランド自転車。
2
「風」を切って爽快な気分で走ることができる。

さらに、全員が一言ずつ、スピーチ。
商人舎忘年会は、必ず、これがある。

浅香健一先生と小森勝先生。
名人会コンビ。
3
鈴木國朗先生は、
新潟から駆け付けて、
8時半に到着。

高木和成先生もごあいさつ。
商業経営問題研究会代表世話人。
4

全員のスピーチを全員が聞く。
いわゆる全員参加型忘年会。
それはこの人数だから可能となる。
しかも、時間無制限。
5

ちょっと遅れて到着のUSP研究所の當仲寛哲さんと鹿野恵子さん。
6

余興は、結城義晴ライブ。
ほんのちょっと、悪乗りして、
冷や汗たっぷり。
7
テーマは「風」でした。
来年は新しい「風」が吹く。

そして最後は11時半まで。
8
皆さん本当にありがとう。
来年もよろしく。

「幸せ基準」
「良い会社基準」
そのためにこそ、
収益性の高い会社づくりや店づくりが、
求められている。

売上高や利益額は、
それが目的ではない。

あたらしい「風」の吹く日々、
目指す方向を間違えてはいけない。

<結城義晴>  


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