火曜日のアメリカHot情報「スーパーメルカド・デ・ウォルマート」のターゲティング
はじめに大切なお知らせ。
3月9日火曜日、東京・お台場の「タイム24」にて、
[商人舎2周年記念・二人のビッグセミナー]を
開催します。
大久保恒夫㈱成城石井社長&結城義晴㈱商人舎社長
「2010知識商人の経営の流儀」
株式会社商人舎を発足させてから、お陰様で2年が経過します。
ご支援とご愛顧に、心から感謝いたしまして、
絶好調の㈱成城石井・大久保恒夫社長とのコラボレーション。
大久保さんは、イトーヨーカ堂で「商人の本質と業革の真髄」を学び、
ユニクロ・良品計画でコンサルティングの流儀を構築し、
ドラッグ・イレブンで企業再建を果たし、
今また成城石井の業績と企業体質を一変させつつある経営者。
まさに現代の「知識商人」。
さらに成城石井本部は、横浜市西区北幸にあって、
㈱商人舎オフィスとは隣組。
大久保恒夫と結城義晴に共通する「二人の主義・主張」は、
「はじめにお客様の満足がなければならない」
すなわち「顧客主義と現場主義」
これが2010年時点の「知識商人」のあり方でもあります。
大久保さんとの熱いディスカッションを交えて、
2010年の「経営の流儀」と「仕事の流儀」を鮮明に描き出します。
ご期待ください。
[スケジュール]
第一講座 2010年の情勢分析と「知識商人の流儀」――結城 義晴
第二講座 大久保恒夫の『経営と仕事の流儀』――大久保恒夫
第三講座 大久保恒夫&結城義晴、徹底議論と質疑応答「2010年の行動の流儀」
申込みは、商人舎公式サイト http://www.shoninsha.co.jp/ へ。
さて、昨日のブログの中のお二人の発言が漏れていた。
亀井淳イトーヨーカ堂社長と茂木友三郎キッコーマン会長。
まず、日本チェーンストア協会会長の亀井さん。
「今、二つの傾向があります。
第一は、消費の低迷で、これは一過性のものではない。
第二は、商品と店舗の飽和という状況。
そのことを強く認識しておかねばならない。
そのために三つの対策が必要となる。
①新しい経営、新しい商売を創り出すこと。
②明るく前向きの姿勢を持つこと。
③現場を大切にすること」
私も大賛成。
「節約、倹約。もったいない」のマインドは続く。
商品はコモディティ化し、店舗はオーバーストア化。
だからこそ「差異が価値を生む」
「Practice comes first!」
「元気を出そうよ」
そして、キッコーマンの茂木友三郎さん。
「二つの課題と二つの政策がある。
課題の第一は、デフレからの脱却。
第二は、新しい経済の構築。
そのために日本の経営者に二つの提案をしたい。
第一は、価格競争に陥らないこと。
すなわち低価格原理主義からの脱却。
第二は、企業が自ら需要を生み出し、顧客を創造すること」
茂木さんは、自分に語りかけるように語った。
私は、低価格原理主義者は、それを貫徹すべきだと思う。
しかし、誰もが低価格原理主義になる必要はない。
全体が、低価格原理主義に陥ってしまうことは危険だと思う。
もちろん低価格原理主義は、顧客主義の一つのあり方だが、
低価格原理主義ではない顧客主義もある。
顧客は、その多様性を望んでいる。
さて、火曜日はアメリカHot情報の日。
今回は、ウォルマートの「スーパーメルカド」。
今年3月の商人舎アメリカ視察研修会Hot編でも、
もちろん、訪れる。
ウォルマートが、テキサス州ヒューストンと、
このアリゾナ州フェニックスで実験中の店舗。
同社の食品スーパーマーケットを改装して、
ヒスパニックにターゲットを絞った店をつくった。
すなわちメキシコ系移民や中南米系アメリカ人。
アリゾナ州のフェニックス・メサ・スコッツデール地区は人口410万人で、
30.3%が、このヒスパニック系。
まず、生鮮食品が圧倒的によい。
青果部門など、鮮度・品揃えは、
ネイバーフッド・マーケットよりも断然よい。
惣菜やデリも対面コーナーを設けて販売し、
ペーストリーとコーヒーを供するカフェが併設されている。。
精肉売り場も対面方式を採用している。
カラーコントロールは、メキシコ人の好むカラフルなもの。
店舗奥壁面の日用品売り場も、圧巻の陳列。
ドライグロサリーの品揃えは、絞り込まれ、単品大量低価格販売。
そして最後にファーマシーの売り場がある。
この店は6月10日にオープン。
3万9000f2(約1100坪)のワンフロアで、品目数は1万3000。
120名の従業員は、英語とスペイン語を話すバイリンガル。
店内サインは、すべてスペイン語で、
背景に薄く英語の文字が配されています。
大変興味深いことに、私たち日本人から見たスーパーメルカドは、
ネイバーフッド・マーケットよりも、インパクトのある「良い店」なのです。
ご一緒した団員すべてが、そのことに感激したものです。
マーケティングの基本三要素は、
セグメンテーションとターゲティング、そしてポジショニング。
スーパーメルカドは、まさにこの三要素が明確な店となっていました。
従って、この店は、もちろんターゲットにしたヒスパニックの顧客たちからは、
絶賛されています。
しかし、それ以外の顧客からも、
日本人の私たちからも、
好ましい店として、受け入れられるのです。
すなわち、的確なターゲティングと上手なポジショニングによって、
「客層は広がる」ことになる。
私は、現地で解説しました。
「ひとりの女性が、恋をする。
ターゲットはひとりの男性。
女性は、その男性のために、
美しくなろうと努力をします。
顔も体も心も。
必死の努力の結果、その女性は、
見事に変身して、美しくなります。
ここで、不思議なことが起こります。
ターゲットとされた男性以外の、多くの男性にも、
彼女は、美しく、素敵な女性という存在になるのです」
ウォルマートの新しいバナー「スーパーメルカド」
ご一緒しましょう。
「差異が価値を生む」の実験が、実を結ぼうとしています。
<結城義晴>