アンジーと橋下「口は関なり舌は兵なり」とラスベガス到着直後猛学習
アンジェリーナ・ジョリーが、
両乳房の切除手術を受けていたことを告白した。
もちろん2カ月後には、乳房の再建手術を受けている。
5月14日のニューヨーク・タイムズへの寄稿文が、
こちらでも話題になっている。
アンジェリーナ・ジョリーは愛称アンジー。
映画『トゥームレイダー』1と2の主演女優、
『Mr.&Mrs. スミス』は大ヒットしたし、
クリント・イーストウッド監督の『チェンジリング』も、
実によかった。
私生活では、
あのブラッド・ピットのパートナー。
いわゆるガールフレンド。
母親は癌で、56歳の時に早世。
アンジーにも乳癌のリスクを高める遺伝子の変異が見つかった。
そこで予防措置として両乳房を切除。
「乳癌になる可能性が5%未満まで低下した」
女性としてもつらい決断だったろうし、
女優であるだけに、なおさら勇気ある告白だ。
「私の経験が他の女性に役立てばと思った」と発言。
発言と言えば、橋下徹大阪市長。
従軍慰安婦問題と沖縄基地の「風俗業活用」発言。
日経新聞『春秋』と毎日新聞『余禄』が取り上げた。
『春秋』はフーテンの寅さんの、
「それを言っちゃあ、おしまいよ」
「世の中にはいろいろと理屈をまぶしてみたって、
口に出したら収拾のつかなくなる言説がある」
「だいたい、こんなことを言ってのける神経には
女性への意識が抜け落ちている」
「この人のほとばしる言葉はときに的を射ている。
けれどこんな具合では橋下さん、
ブームもおしまいよ」
私はこの『春秋』の茶化し方も、
嫌いではある。
ここは、品のある文言で迫らねば駄目だ。
『余禄』は、「説苑(ぜいえん)」から引いた。
説苑は中国の前漢の故事・伝説集。
「口は関なり、舌は兵なり、
言を出して当たらざれば
反って自ら傷なう」。
「口は関所で舌はそこに詰める兵である。
いったん関を出た言葉が適切でなければ自らを損なう」
沖縄の米海兵隊の司令官とのやりとり。
「兵士の性的エネルギー発散に
もっと風俗業を活用してほしい」
「相手は困惑しつつ『(買春は)禁じている』と語った」
「聞いただけでも
顔から火が出る問答だ」
アンジェリーナ・ジョリーの人間の品格。
橋下徹の人間の品性。
私も日本人として、
顔から火が出る思いだ。
さて昨日から今日にかけて、
太平洋を渡ってきた。
成田空港を出発。
今回はユナイテッド航空。
九十九里浜に別れを告げる。
すぐに日暮れがやって来る。
食事をして、一眠りして、
映画など見ていると、
太平洋に千切れ雲。
サンフランシスコ半島が見えてくる。
サンフランシスコ国際空港で、
浅野秀二先生と合流。
すぐに乗り換えて、
再び、飛び立つ。
ロッキー山脈の白い尾根。
そして岩肌露出。
ラスベガス渓谷が現れる。
砂漠の中の大都市ラスベガス。
現在は、ギャンブルとゲーミング、
さらにエンターテインメントとコンベンションの、
融合の街。
スロットマシンがお出迎え。
長旅にちょいと疲れが溜まったか。
空港から大型バスに乗り込み、
すぐさま、ラスベガスのアローヨ地区に向かう。
バスの車内で結城義晴の講義の始り。
376ページのテキストを片手にマイクを握る。
アローヨ地区はオープンエアー型のショッピングセンター。
ディスカウント業態が集積した「パワーセンター」。
ここにはウォルマートスーパーセンターを筆頭に、
各業態最強の企業が出店している。
到着し、バスを降りると早速視察を開始。
まずそのウォルマートスーパーセンター。
ウォルマートの入り口を入るやいなや、
見知った顔に遭遇。
そう、富山睦浩さん(左)と、
富山浩樹さん。
サッポロドラッグストアーの社長と取締役営業本部長。
社員とお取引先総勢50名で、
ラスベガス視察二日目。
よく勉強する会社だ。
実は、私も合流して、ちょっとだけ、
サツドラグループでの講義を依頼されていたが、
時間が合わなかった。
でも、ウォルマートで会えるなんて、
良かった。
生鮮売り場の鮮度がどんどん良くなっている。
ジュースの棚もご覧のとおり、
商品の動きがすこぶる良い。
ペプシのエンド陳列。
1ケース6ドル48セント。
アシスタント・マネージャーのイェールさんにインタビュー。
意外なことにウォルマートの競合相手として、
グレーザーズの名前を挙げた。
ラスベガスのインディペンデント・スーパーマーケット。
そのほかにも、クローガー系スミス、
セーフウェイ系ボンズ、そしてアルバートソンまで。
つまりウォルマートはスーパーマーケットを、
ずいぶん意識しているということ。
そのほかにも専門的な質問が、
団員から次々に浴びせられた。
それにひとつ一つ、丁寧に答えてくれた。
イェールさんと記念のツーショット。
ありがとうございました。
駐車場でも講義。
先日、欧州撤退を決めたベスト・バイ。
その隣はオフィス・マックス。
全米第3位のオフィスサプライチェーン。
2月に業界第2位のオフィス・デポとの統合が発表された。
首位のステープルズを追撃する。
ベビーザらス。
子ども用品全般のトイザらスから、
ベビーに特化したフォーマットへ主力を移している。
子供用品全般ではウォルマート&ターゲットに、
勝てなくなってきた。
続いてオフプライスストアのマーシャルズ。
TJXのなかのバナーのひとつ。
ブランド品の掘り出し物が格安で買える。
さらにその隣は
ベッドバス&ビヨンド。
ホームファッションストアも、
リネン&シングスが倒産して、
一人我が道をゆく。
敵はウォルマート&ターゲット。
マイケルズ。
アート&クラフト。
手芸用品まであって、
一見、日本のユザワヤのようなフォーマット。
しかしこの分野にも、
ウォルマートは触手を伸ばしている。
そして、マーシャルズと同じオフプライスストアのロス。
最近のロスは、TJXよりも強い感じがする。
つまり集荷の力が高まってきたということ。
当初、見学予定にはなかったが、
急きょグレーザーズを見学することに。
ウォルマートのイェールさんが競合として名前を挙げたから。
地元で熱烈な支持を受け、
ラスベガスのベスト・グロサリーストアに、
2010年、2011年、そして、
1年おいて2013年に選ばれた。
店内に入ると、Weekly Specialが各コーナーにある。
ウォルマートスーパーセンターを意識した価格設定。
1ポンド5ドル98セントの牛肉。
1ポンドは454グラムだから、
100グラムにすると、132円也。
牛乳は1ガロン2ドル98セント。
つまり、3.785リットルで約300円。
これも1リットル79円也。
このショッピングセンター内には、
ドラッグストアのウォルグリーンがある。
日本のドラッグストアが、
よりコンビニに近づいた便利なお店。
アメリカはウォルマートを中心に回るメリーゴーランド。
だから私は真っ先にウォルマートを見る。
視察し、考察するための基準をつくるためだ。
クローガーやセーフウェイもいい。
もちろんホールフーズやトレーダー・ジョーも素晴らしい。
しかしそられはウォルマートという大きな基準があるからこそ、
市場でのポジショニングをつくり、
自らの良さを際立たせることができるのだ。
ウォルマートを真似る企業は少ない。
しかしポジショニングを学ぶ企業は、
ウォルマートを学ばねばならない。
コモディティグッズがあるから、
ノンコモディティグッズや、
ライフスタイル商品があることと一緒。
それらをすべて吸収して、自分で考える。
原理原則と基礎基本を学び、
日本に帰って、自分で仕事を改革する。
それが商人舎の考え方。
今日の視察を終え、
懇親会場のイタリアン・レストランに向かう。
Sergio’s Italian Gardens。
事務局からお願いした団長は、
㈱ロピア取締役の福島道夫さん。
組織があれば、いつでもどこでも、
常にリーダーは必須の存在となる。
その福島さんの発声で。
乾杯!!
会場では参加者同士の名刺交換が始まる。
私の前にも名刺交換の列ができた。
参加者から今回の視察の抱負を、
一人ずつ語ってもらった。
現地コーディネーターの浅野秀二先生。
㈱JAC代表取締役社長。
「商売が心理学であるならば、
一番大事な『働く人』の心理をこそ、
知らなければいけない」
これ大事な話。
最後は結城義晴からメッセージ。
誤解無きよう、強調しました。
「ラスベガスは最も学べるところです」
ながい長い一日。
皆さん、お疲れ様。
しかしこれからです、本番は。
(つづきます)
〈結城義晴〉
【追伸】
今日の『商人舎magazine』
Weekly商人舎は、
水曜日「勝手に企業サイト拝見」
父の日のプレゼントは?
Daily商人舎は、2本。
「トップバリュ第3のブランド35品追加の意味」
「クローガーMarketplaceはW社対策で絶好調」
ご愛読ください。
2 件のコメント
橋下共同代表の「従軍慰安婦」発言に寄せて。
かつて幸徳秋水は日本中が日露戦争に興奮している最中、
平民新聞に「ゆけ皇軍の兵士よ」との一文を寄せた。
「君たちは自分の意志に反して従軍せらる、
君たちの家族は泣き、田畑は荒れ仕事は廃せらる・・・・
しかし 露軍の兵士も君たちと同じ人間なり、
その人間に対して暴虐のなからんことを祈る・・・
もし君が生きて帰ったなら、君と平和国家を建設しよう、
もし君死すならば君の子孫となさん。・・」
と訴え、その2ケ月後に幸徳秋水は大逆事件に連座して処刑された。
私は左翼でも右翼でもありませんが、いやしくも政治家たるもの、
高い志と理想を掲げ国民と共に、
世界平和の実現に向かう存在であって欲しいものです。
いまちゃん、いつもありがとうございます。
幸徳秋水、感動しますね。
イデオロギーを超えた一人の人間として。