岩崎夏海著『高校野球女子マネージャーがドラッカー…』のintegrity(真摯さ)
2010年桜シリーズ。
今日、明日。
東京・横浜、満開。
絶好の花見日和。
楽しんでください。
第82回選抜高校野球大会は、
いよいよ決勝。
東京の日大三高と沖縄の興南高校での決戦。
3月14日の日曜日の晩、
NHKの高校野球解説者の鬼島一司さんと酒を飲んだ。
鬼島さんは、慶應義塾大学野球部前監督。
慶応普通部から慶応大学と野球一筋だが、
良識ある有能な経営者でもある。
共通の友人や知り合いも多く、
話は弾んで、楽しい夜だった。
その時に、私が提案したこと。
最近、話題になっている岩崎夏海さんの本。
「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』をよんだら」
<ダイヤモンド社刊>
<カバーを外すとこの表紙になるが、これがエッセンシャル版と似ていて、私は好きだ>
実況放送の中で、
この本をちょっと紹介したらいかが?
「きっと、受けますよ」
高校野球の女子マネージャーが主人公。
東京都立程久保高校の川島みなみ。
マネージャーになって、
チームを甲子園に出場させるという目標を立てる。
そしてまず『広辞苑』で、マネージャーの意味を引く。
さらに大型の書店で、マネージャーのための本を探す。
店員が教えてくれたのが、
ピーター・ドラッカーの『マネジメント』エッセンシャル版。
もちろん上田惇生先生翻訳。
そこからみなみによる野球部の改革が始まる。
いつも『マネジメント』を読み返し、自分で考え、
その通りに実行していく。
まずマネージャーに必須のintegrity(真摯さ)の自覚。
マネージャーとして、
「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」
つぎに野球部の「定義づけ」からスタートする。
それは野球部の「顧客」を見つけだすことから導き出される。
そしてmarketingの展開。
communicationの実践。
innovationの模索。
結果の追求。
3時間ほどで、一気に読むことができる。
考え、学び、そして泣ける。
鬼島さんにお勧めしただけでなく、
高校野球の監督・コーチ・マネジャー、
会社経営者・マネジャー・店長。
皆さんにお勧めしたい。
鬼島さんが、いつ、どの瞬間に、
この本のことを触れるか。
カメラがベンチできびきびと動く女子マネージャーを捉えた時、
きっと鬼島さんが、『マネジメント』に触れるに違いない。
楽しみにしながら、中継を見ている。
さて、ユニクロの3月の国内既存店売上高。
マイナス16.4%の前年同月比。
前年比二桁マイナスは2007年9月以来というから、
ちょうど私が㈱商業界社長を退任した時。
私は、その前月の8月12日から、2年半、
このブログを連続更新している。
ユニクロも同じ時期、
大きなマイナスなしに、躍進を続けた。
NHKニュースをはじめ、
今朝の朝日新聞・日経新聞まで取り上げた。
ユニクロの前年二桁割れが、
「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」の類のニュースになってきた。
「身も蓋もない」論者の私は、
クリステンセンのいう「破壊的イノベーション」から、
「持続的イノベーション」への転換が進んでいると見る。
もうひとつ、与謝野馨元財務相が自民党離党。
与謝野鉄幹、与謝野晶子の孫という名門。
平沼赳夫、園田博之代議士とともに、
新党を立ち上げる協議を始めた。
鳩山邦夫元総務相も、合流の気配を見せる。
参議院選に向けて、
二大政党制が放棄され、
政界再編が画策され、進捗するのか。
はたまた一党ガリバー&小党乱立となるのか。
マネジャーだけでなく、
政治家にこそintegrityが求められることは、
論をまたない。
「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」
<結城義晴>