5月消費者物価下げ止まり(?)と「富」を増やす小さなInnovation
横浜市立宮谷小学校。
「みやがや」と呼ぶ。
この地域は「宮ヶ谷」と書くが、
小学校だけ宮谷と記す。
どちらも「みやがや」。
私はこの小学校を、
昭和40年3月に卒業した。
1965年のことだ。
それ以来、48年が経過して、
今日、この学校始まって以来の、
同窓会総会が開催された。
明治41年6月28日創立。
1908年だから、
ピーター・ドラッカーの誕生の前の年。
創立以来、105年目にして、
同窓会発足。
参加した。
これまでの卒業生総数は、
1万3000人。
そのうち、
10代から80代までの100有余名が参集。
全員で記念写真。
私の同期生は一番多く参加していたが、
顔はまったくわからなかった。
代表の山口精一さんがあいさつし、
現校長の中川智子さんがスピーチし、
元副校長の吉原正男さんがまとめた。
その後、現役の6年生が、
全員で校歌を斉唱。
確か私たちの時代に、
新しい校歌ができて、
オペラ歌手がやって来て、
披露してくれたはず。
作詞は高田敏子、
作曲は卒業生の髙木東六。
懐かしかったが、
校歌を聴きながら、
私は退出。
一路、東京・池袋の立教大学へ。
今日はこちらでも大切な会合。
ビジネスデザイン研究科・結城ゼミの、
研究発表会。
ゼミ長の足立幸一さんが挨拶。
OB会からも9人が参加してくれて、
2期生の佐藤大輔さんが挨拶。
その後、順番に今年のゼミ生が、
研究の成果を発表。
細野直樹さんは、
プライベートブランドの研究。
先輩から質問や提案が、
次々に浴びせられ、
とてもよい勉強になった。
夕方の5時半くらいまで、
かなり密度の濃い報告と、
きついやり取りがあって、
各自の研究は一段と進んだ。
現役諸君、ご苦労様。
先輩諸氏、ありがとうございました。
その後、有志で夕食会。
特別に懇親会を設定しなかったので、
少人数になったが、楽しかった。
さて日経新聞に、
「消費者物価、5月下げ止まり」の記事。
5月の消費者物価指数は100.0。
前年同月比で横ばい。
この指数はCPIと略されるが、
Consumer Price Indexの頭文字をとったもの。
2010年を100として、比較する。
だから5月の100.0は、
2010年と同じということ。
日経は「下げ止まり」と表現するが、
産經は「マイナス脱する」と見出しをつける。
どちらも同じ。
2012年10月以来、
7カ月ぶりのことになる。
このCPIは、
「消費者が日常に購入する商品やサービスなどの
平均的な価格を指数化した経済指標」
総務省統計局が毎月作成、公表。
家電、食料、家賃、公共料金などの価格を調べ、
指数化するが生鮮食品は除く。
天候や相場などの一時的要因で価格変動するから。
今回の「下げ止まり」の理由。
新聞各紙はちょっとうれしそうに書く。
まず、電力値上げの影響。
次はこれまで値下がりが目立った商品の下げ止まり。
一つはパソコン。
ノート型パソコンは、
2001年1月から値下がりっ放し。
しかし5月は前年同月比ではじめて2.1%値上がり。
さらに薄型テレビも32V型が1台4万円前後で横ばい。
ティッシュは5箱1パックの安値が、
前月から10円上昇し208円。
そして今後、
「値上げの広がりが予想されるのが食品」。
食用油、小麦粉、マヨネーズ、パンなど、
「メーカー出荷価格引き上げが相次ぐ」。
日経新聞は「2008年以来の値上げラッシュ」と表現。
小売業が特売の頻度を減らすと、
消費者の購入価格が実質的に上がる。
これも値上がりを進ませる。
小売業の値下げ原資は、
メーカーの販促費だが、
それをメーカーが絞ると、
特売の回数は減る。
これも実質的な値上がりを誘発させる。
その結果、
消費者物価指数が上がる。
「秋にはより広い商品で
通常価格が上がる」。
世間は、それを期待し、
歓迎しているかのごとき論調だが、
そうとばかりは言い切れない。
国民はそれを喜ぶのか。
顧客はそれを買ってくれるのか。
㈱ドゥハウス社長の稲垣佳伸さんが、
facebookでつぶやく。
同社は力のあるマーケティング・カンパニー。
「食品や電気料金が上がると景気がよくなる?
というロジックが未だに理解できない」
稲垣さんの言い方は実にストレート。
「価格上がる→企業収益増
→給料上がる→消費増える..
なんだろうけど、かなり遠そうだな」
「かなり遠そうだな」が的確な表現。
私もそう思う。
店頭や現場では、
価格が上がれば、
必需の品以外は敬遠される。
だから売上げは下がる。
「価格上がる→モノ買わない
→企業収益伸びない..
のでは?」
この現象の方が、起こりやすい。
小売業やサービス業は、
いつも実感させられている。
そして決定的につぶやく。
「これで消費税が上がったら全部
振り出しに戻ってしまうと思うけど」
アベノミクスの第二の矢の公共投資など、
もっと「かなり遠い」
むしろ所得減税の方が、
消費を刺激しやすい。
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。
私はこれしかないと思う。
東日本大震災復興の考え方だが、
それは日本の消費社会の問題解決にも当てはまる。
小さなイノベーションの繰り返し、
積み重ね。
それによって「価値」を生み出す。
そして社会の「富」を増やしていく。
ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
やっぱりこれだ。
〈結城義晴〉