サミット機構改革と荒井伸也先生の『組織はハタラキ(目的)機構はそのためのカタチ(手段)』
Everybody! Good Monday! [vol19]
2010年第19週、5月第3週の始まり。
本当にいい季節。
㈱よねや社長の佐々木隆一さんから、
写真付きメール。
「世の中に絶えてさくらのなかりせば
春の心はのどけからまし」
写真は、横手の公園。
「横手のさくらはようやく終わりました。
ゴールデンウイークと花見が一緒になったため、
角館の店は無料駐車場ご利用のお客様であふれ、
店内はトイレだけが長蛇の列、
お惣菜の構成比が20%近くになる、
という予想外の展開となりました。
いやはや・・・。」
スーパーマーケットや小売業の店は、
モノを売るだけの機能でない。
誠にありがたいこと。
さて昨日は「母の日」。
誰にも母はいる。
その母の日を安らかに迎え、
明けた今日。
日本中に幸せ感が満ちている。
その日の朝、店を開ける。
小売業、サービス業は、幸せな仕事である。
今週も、1週間。
「今日も1日、元気と勇気」
「今日も1日、優しく強く」
「今日も1日、慌てず急げ」
私の三大標語。
さて、今日の日経MJ「総合小売り」欄。
「サミット仕入れ・販売本部統合」の記事。
「仕入れを担当する『商品本部』と
店舗を統括する『販売本部』を統合し、
新たに『営業本部』を設けた」
これは「仕入れと販売の垣根」を低くして、
「情報を円滑にやり取りする」という狙いを持つ。
そして当然ながら、
「営業本部長」には田尻一社長が就任。
「同時に双方の橋渡し役を専門に担うスーパーバイザーを、
商品分野ごとに置いた」
大切なのはこのスーパーバイザーが、
営業本部長直轄であること。
商品本部長や販売本部長の統括下にいてはいけない。
サミットの機構がまさに機動的に構築され、
組織活動が展開されることを意味している。
この件にも関連することだが、
荒井伸也先生からメールが寄せられた。
オール日本スーパーマーケット協会会長にして、
コーネル大学ジャパン首席講師。
だから私は公式には「荒井先生」と呼んでいる。
4月10日のこのブログの中で私は紛らわしい表現をした。
ブログのタイトルは、
「コーネル・ジャパンのサミット店舗サポート部との質疑応答」
そして「三人の職人の話」
「荒井先生の解説によると、
サミットでは『組織』という言葉は使わずに、
『機構』と表現するそうだ。
組織と表現すると、どうしてもヒエラルキーが発生し、
権限・責任の概念が生まれ、
問題解決的にならないからだ」
これに対して、荒井先生の訂正と補足。
「サミットで『組織』と言わず『機構』と呼ぶ、
そのことの意味が十分には伝わっていませんでしたので、
(マネジメントの概念として重要なことですから)
ここで訂正しておきます。
私の考えでは、『組織』というのは、
動態的なものです。つまり、
『機能して目的を達成するためのハタラキ』のことを指しています。
一言で言って『問題解決的なこと』です。
ところが、人々は、人事部とか、生鮮食品部とかを作ったら、
それで『問題解決』と考えてしまい、それらを「組織」と呼ぶのです。
『とんでもない』と私は何度も言いました。
『人事部を作って人事の問題が解決し、
商品部を作ったら商品の問題が解決したら、
だれも苦労はしない』ということです。
『問題は、ハタラキなのだ。
ハタラキのことを、組織と言うのだ』と。
そして、解説しました。
『人事部とか、商品部とか、店舗部とか、
そういうものは<機構(カタチ)>に過ぎない。
そういうものを『組織』と言わないで欲しい。
『組織』というのは、
もっと動態的で、
ダイナミックで、
問題解決的なものだ。
単なるカタチ(機構)を作って『問題解決』と考えるような、
浅はかなことはやめよう』。
以後、サミットでは、
いわゆる『組織図』を『機構図』と呼ぶようにしたのです。
繰り返しますが、マネジメントで『組織』と言えば、
それは、例えば、
『誰かと誰かが協力して、いい商品を開発する』
というようなチームワークを指します。
要するに『機構』というのは『形』のことです。
身体に譬えれば『身体の格好』というような意味です。
格好だけよくてもまったく働かないものもたくさんあります。
『組織』は『身体の働き』を意味します。
常に、問題は『ハタラキ』なのです。
そう思って、私は、サミットに在籍していた間、
常に『機構図』と呼んでいたのですが、
なかなか、伝わらない話です」
さらにメールが届いた。
念押しのメール。
トップは、このように念押しするものなのだ。
「『機構』と『組織』の違いに関する私のメールをお読みいただき、
ありがとうございます。要するに、
『組織はハタラキ(目的)、
機構はそのためのカタチ(手段)』ということです」
いかがだろう。
サミットの「機構」というカタチが、
動態的、ダイナミック、
そして問題解決的に改変され、
それがハタラキとしての「組織」になる。
このことが大事。
日経MJの記事でも、
「多段階だった販売の組織を簡素化した」と、
表現されている。
カタチを簡素化し、
ハタラキを、迅速に、
機動的に、
問題解決的にする。
5月連休明けのこの時期の改変。
良いタイミングだ。
企業の経営は難しい。
組織運営も難しい。
しかし、今月の商人舎標語。
「むずかしいからおもしろい」
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>