「商人舎」7月号発刊とWeb版会議、コンビニ・ビッグ3消耗戦突入
月刊『商人舎』7月号、本日発売。
今月の特集は、
Whole Foods Market
「完全なる食品」と「完全なる経営」のすべて
アメリカのオーガニック・スーパーマーケット。
有機食品・自然食品を中心に品揃えした店。
米国39の州とワシントンDCに出店。
イギリスとカナダにも店を持っていて、
トータルで348店舗。
年商は昨年9月決算で、117億ドル。
1ドル100円換算で1兆円を超え、
1兆1700億円。
1店平均33億6200万円。
業態はスーパーマーケットだが、
それを超えた「企業経営」の本質に迫っている。
特集のサブタイトルは少し長い。
「完全なる食品」と「完全なる経営」のすべて。
“Whole Foods”という言葉自体で、
「自然食品」を意味する。
しかし私は“whole”に
「完全なるもの」といったニュアンスを読み取った。
その「完全なる食品」を求めつつ、
「完全なる経営」を志向し、実現させる。
それがこの会社のミッションだと思う。
月刊『商人舎』の巻頭言。
「Message of July」
完全なるものを求めよ。
完全なる食品をつくる。
それは自然食品か。
有機食品か。
健康によろしい。
人間が生きる環境にふさわしい。
安全で安心。
コンビニエンスである。
しかもデリシャスである。
だからよく売れる。
そんな完全なる食品を集める、売る。
生産者や取引先に協力してもらう。
顧客たちを呼び寄せる。
完全なる経営をする。
意識の高い人間を集め、
民主的な組織体制を築く。
完全なるマネジメントをする。
ポリシーとビジョンを明らかにする。
人を活かすチームオペレーションを展開する。
あなたは、完全なるものを求めつづけるか。
はじめから、完全なるものをあきらめるか。
スタートはふたつに分かれている。
そして完全なるものを求める者には、
必ず追い風が味方する。
たった一度だろうけれど神風が吹く。
完全なる食品販売を志して、
完全なる経営をすれば、
どんな会社もホールフーズになることができる。
商売には、ストイックさがなければならない。
ピーター・ドラッカーはそれを、
「integrity」と表現した。
倉本長治は、言い続けた。
「損得より先に善悪を考えよう」
それがホールフーズ・マーケットの本質である。
1冊丸ごとWhole Foods Market。
ご堪能いただきたい。
今月私が書いたのは、
「誰も書かなかったシリーズ」第2弾。
これは是非、多くの人に読んでいただきたい。
Monthly連載は、10本。
【必読連載】
西脇紀男の「独創CRM実践論」(3)
今月で一応終了するが、
これは必読。
5月創刊号特集からのつづき。
【新連載スタート】これも面白い。
「経済心理学の世界へようこそ」(1)
そして、商人舎magazineの根本テーマ。
〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論
今月は第4回で「店長の権限と業績との関係」
さらに大好評連載陣。
「人時生産性」と正面から向き合え!(4)
小売りの「暮らしカレンダー」
⇒ 8月は夏季休暇
山本真砂美の「商売くらし歳時記」
(4)【葉月】お盆と花火
王道のウェザーMD理論(4)
「商品ごとの気象特性」
西川隆の“本物の”店舗デザイン(4)
「目から鱗の照明選び」
リテイル・インフォメーション・システム論(4)
多様化・増加する「労務トラブル」解決法(4)
いずれも通常の月刊雑誌の量と質を超えている。
会員のみなさんは、
ご愛読よろしく。
それから新たなご購読の方も、
よろしく。
さて今日はいちんち、
横浜商人舎オフィス。
立て続けにやって来る講演。
雑誌を発刊して、おかげさまで、
講演依頼も増えるばかり。
そのパワーポイントやレジュメをつくり、
寄稿している雑誌の校正をしていると、
すぐに夕方。
16時から毎月恒例の、
商人舎magazineのWeb版会議。
あっという間に19時半にっていたが、
実に有意義な内容だった。
この会議で決定したキャンペーンがある。
商人舎magazine、
「24時間無料公開キャンペーン」
時は8月1日13時~2日13時。
誰でもインターネットで、
商人舎magazineをすべて、
見ることができる。
技術的にも可能であるし、
できる限り多くの人に、
商人舎magazineを知ってもらいたいから。
ご期待ください。
会議が終ってから、
恒例になった打ち上げ。
右からWebデザイナーの田中翔太さん、
システムエンジニアの長谷川温子さん、
私の左隣がSEコンサルタントの猪股信吾さん、
左端が商人舎チーフエディターの渋木克久。
商人舎magazineは、
特に長谷川さんにすべて負っている。
心から感謝しつつ、
新潟生まれの長谷川さんに、
〆張鶴たっぷり贈呈。
猪股さんにも毎回、
素晴らしいアイデアを出してもらって、
今回も座布団三枚。
10枚溜まったら、
『笑点』張りのプレゼント。
ご期待ください。
さて10日付日経Web刊。
速くて面白い。
伊原健作記者が書く「コンビニ消耗戦」。
「コンビニエンスストア大手の競争が
新たな局面を迎えている」
ファミリーマート2013年3~5月期の連結決算、
営業利益が前年同期比7%減。
4四半期連続営業減益、
つまり過去1年間営業利益が減り続けた。
それでも101億円出しているが。
理由は二つ。
第1が既存店売上高微減。
第2は出店拡大による販売費・一般管理費の増加。
記者のコメント。
「『ビッグスリー』と呼ばれる3社の戦いが
消耗戦に突入してきたサイン」。
ファミマの第1四半期は粗利益6%増。
「ファミマ プレミアムチキン」やPBの販売拡大が寄与。
一方、販管費は9%増、
569億円。
出店拡大の地代家賃増と店舗開発人員の人件費増。
2014年2月までに過去最大の1500店新規出店計画。
セブン-イレブンの第1四半期は、
営業利益9%増。
492億円で過去最高。
しかし実質的には、「ほぼ横ばい」と記者。
「今期から固定資産の償却方法を
定率法から定額法に変更した影響」でプラス。
高価格帯PB「セブンゴールド」の成長などで、
商品粗利益率改善。
しかし販売促進費増。
これは「店舗の値引きを支援」する原資。
ローソンも第1四半期、最高益を更新。
しかし既存店売上高は2.1%減。
コンビニ3強が、
消耗戦に入った。
これは「三占」から「複占」への予兆か?
暑い夏か、涼しい秋か、
第2四半期の結果をながめながら、
結城義晴流のコンビニ特集を、
月刊『商人舎』で企画しようか。
〈結城義晴〉