セブン-イレブン鈴木敏文CEO「もっともっと」と宝酒造白壁蔵見学
思わず「ふふん」
笑い声が出てしまった。
電車のなかで、
週刊『東洋経済』を読んでいた。
今週の特集は、
「セブンの磁力」
セブン-イレブンの強さを検証する特集。
この特集のなかに、
鈴木敏文さんの単独インタビューがある。
セブン-イレブン・ジャパン会長兼CEO。
セブン-イレブンの将来の姿を問われる。
「変化対応だ」
すかさず答える。
「われわれの課題は、
新しいものをどこまで出していけるかという、
人間の心理への挑戦だ」
「人間の心理を少しでも満足させるのが、
われわれの仕事、
これが行き詰ったときが敗北だ」
そして最後に自分の役割を語る。
「私の役割は、
みんなが挑戦を心掛け、
率先して行うような
方向付けをすることだ」
リーダーシップのあり方を示している。
「少しでも手を抜いてはならない。
自分たちが満足してしまったら、
そこから退歩が始まる」
そして私が「ふふっ」となったのは、
この次だ。
「40年、そうしたことを続けてきたから、
今日がある。
しかし、
もっと厳しくやっていたら、
もっと成長することが
できたかもしれない」
なんという自信。
なんという純真さ、
なんという貪欲さ。
ただしこの特集は、
セブン-イレブンというコンビニに、
焦点を当てている。
イトーヨーカ堂という総合スーパーは、
対比的に描かれている。
これはセブン-イレブンという小型店が、
イトーヨーカ堂という大型店よりも、
変化対応しやすかったことを表わしている。
しかし鈴木敏文さん80歳。
「もっと、もっと」には畏れ入った。
さて今日も、東奔西走。
いや西奔東走。
京都ブライトンホテルで目覚め、
大阪から神戸へ。
まず「宮水発祥の地」へ。
「宮水」とは「西宮の名水」の略。
日本名水百選に指定されていて、
これが清酒造りに適している。
宮水・酒蔵地帯は、
通称「灘」。
神戸市東部から芦屋市、西宮市にかけての海岸沿い。
ここに酒造会社や酒蔵が多数ある。
その宮水の井戸。
こちらは「白壁蔵・宮水井戸」。
宝酒造㈱の灘工場を「白壁蔵」と称する。
その宮水の井戸。
井戸の中。
暗くて見えないが、
黒々した水面がかすかに波打っていた。
ここで宮水を飲んでみる。
ちょっと塩分っぽいが、
美味い。
そして宝酒造灘工場「白壁蔵」へ。
宝ホールディングス㈱は、
東証一部、大証の上場企業。
年商は2009億9800万円。
今日はこの超近代的な工場の見学。
延べ床面積6338㎡、6階建て。
すぐそばに海が迫る。
超近代的な工場だが、
古い伝統もしっかり残されている。
エレベーターホールには、
絵もかけられている。
この壁には稲がかかっている。
ご案内と説明は、
工場長の碓井規佳さん。
清酒造りに適しているのは、
稲穂が長い山田錦。
右から5本目。
山田錦を35%まで磨いて、
精白米をつくる(一番右)。
これは精米のための砥石。
その精米機。
(以下写真はホームページより)
そして米を蒸す「蒸米機」。
麹をつくる「製麹機」。
このあたり、読んで字の如し。
発酵させる仕込みタンク。
最後にパッケージのライン。
視察が終ると、
絞りたての酒を試飲。
これが実に美味。
そして写真。
今回お世話になったお二人。
酒類事業本部流通推進部長の新野裕司さんと、
碓井工場長。
全体に酒の香りがプーンと漂う清酒工場。
忘れられない。
ありがとうございました。
清酒への理解が一段と深まりました。
白壁蔵を後に、
新神戸から新幹線で東上。
その後、東京から、
また新幹線に乗って、
軽井沢へ。
プリンスホテルのコテッジに落ち着いた。
しかし鈴木敏文さんの「もっと、もっと」。
まったく畏れ入った。
〈結城義晴〉