デトロイト180億ドル負債破綻と「量の拡大が質の変化を招く」
アメリカのデトロイト市が、
チャプター11を適用申請し、
財政破綻。
日経新聞は、
巻頭コラム『春秋』と国際欄で取り上げた。
負債総額は米国過去最大の180億ドル、
1ドル100円換算で1兆8000億円。
桁違いの負債。
破綻の原因はかつて、
デトロイトを繁栄に導いたGM、
ゼネラルモーターズ。
GMは2005年から08年までの4年間、最終赤字。
だから法人税を納めていない。
さらに2010年から黒字に転換したが、
それは破綻処理時に政権から税制優遇を受け、
これまた法人税を免れている。
デトロイト市の税収減に直結。
税収は07年会計年度から下がり続け、
ついに、破綻。
一方、税制優遇で収益回復したGMの投資先は、
今や世界販売台数の半分を占める新興国。
米国経済は回復し、歴史的な株高で潤うが、
デトロイト市街ではスラム化が進む。
何重にも皮肉が重なり、
語りようがない。
昭和35年から姉妹都市の愛知県豊田市は、
「草の根の交流は続けたい」
さて今日の私は、朝から、
東京・池袋の立教大学キャンパス。
蔦の絡まる本館も、
内庭の木々も、
青葉繁れる。
冬には丸裸だった銀杏も、
元気いっぱい。
私は午前10時から、
F&Bマーケティングの補講。
前期最後の講義、
ご清聴を、感謝したい。
昼食は、
結城ゼミ第5期生ゼミ長の足立幸一さんと。
8月初めの合宿の件や、
修士論文について話し合った。
その後、1時から結城ゼミ。
ゼミを終わらせて、
マキムホールの研究室へ。
もう夏のあいだ、
この研究室に来ることもない。
キャンパスは、
最後のにぎわいのようだった。
さて報告が遅れたが、
今週木曜の午後、
商業経営問題研究会開催。
通称RMLC(Retail Management Learning Circle)。
場所は日本チェーンストア協会会議室。
私は突然の痛風で欠席。
しかし高木和成代表世話人の下、
9人のメンバーが集った。
前半は、井口正昭さんが
プライベートブランド(PB)についての考察を発表。
井口さんは30年前、西友のPBを開発した。
当時と現在のPBの相違を、
独自の視点から報告。
「販売量の拡大が質の変化を招く」
イオンの食品売上高は3兆9700億円、
シジシージャパンが3兆6200億円、
セブン&アイ・ホールディングスが3兆2800億円。
この3兆円のインパクトが、
製造業に影響を与え、
同時に質の向上をもたらす。
井口さんの論旨は、
鋭くて一貫している。
後半は、和田光誉さんが
2013年度上場企業の決算を、
分析・報告してくれた。
総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニ、
さらに各業態の動向を的確に整理。
増収増益は3業態。
コンビニ、衣料チェーン、ドラッグストア。
減収増益は百貨店。
増収減益はスーパーマーケット。
そして減収減益も3業態。
総合スーパー、ホームセンター、家電チェーン。
これが今年2月3月期の決算のトレンド。
面白いように4分類され、
業態別に明暗は分かれた。
ただし、それぞれの業態の中でも、
企業ごとに成績に二極化が進む。
減収減益業界は、
明らかに淘汰が進む。
増収減益組にも、
減収増益組にも、
その傾向は及んでくる。
繁栄の隣の破綻。
アメリカ合衆国とデトロイトのような関係は、
ここにもあるのかもしれない。
しかし、立教の銀杏のように、
元気を出して、
週末へ。
今週もご愛読、感謝したい。
来週もよろしく。
最後に、
選挙に行こう。
投票しよう。
〈結城義晴〉